足がむくんだり、重だるかったり、つりやすくなったり・・・といった症状はありませんか? 下肢静脈瘤 は放置されることも多い病気ですが、自然になおることはなく、ゆるやかに進行していきます。
気になったら早めに治療したほうがいいのですが、 何科 を受診したらいいのでしょうか?
気になる下肢静脈瘤―なおしたいけど何科を受診すればいい?
そもそも下肢静脈瘤はどんな病気でしょう?
下肢静脈瘤は一般的にあまり知られていない、また病気として認識されていないことが多い疾患です。
足の表面(皮膚)近くを通っている静脈がこぶのように盛り上がってボコボコになったり、網の目状やクモの巣状に血管が浮き上がるなど、足の静脈の中で逆流を防ぐための弁が壊れてしまうことによって起こる病気です。
こぶのように盛り上がる外見上、気にする方も多い反面、下肢静脈瘤そのものは、痛みを感じることがないため、治療せず放置されやすいのも特徴です。ただし、重症化すると血栓症や潰瘍などを引き起こす場合があります。
治療せずに放置してはいけないのでしょうか?
痛みやかゆみなどの我慢できない症状がないため、比較的放置されやすい下肢静脈瘤ですが、治療をしなければどうなるのでしょう?
基本的に自然になおることのない病気で、しかもゆっくりと進行していきます。静脈の中にある逆流を防ぐ弁が壊れることにより、血液が逆流し、スムーズに流れることができず、血液が滞留してしまいます。これをうっ血といいますが、これにより足にほてりや重だるさを感じたり、むくみやこむらがえりを起こすの原因となります。
静脈瘤によって血行が悪くなると、こぶができるなど、見た目が悪くなるだけでなく、皮膚炎や湿疹ができたりします。また皮下出血を起こしやすくなり、そのことによる色素沈着が起きたり、皮膚が傷つき、潰瘍になりやすくなります。さらに悪化すると痛みのため歩行が困難になるケースも考えられます。
これらが専門医が早期発見・早期治療をすすめる理由です。
治療したい、でも何科を受診したらいいのかわからない
下肢静脈瘤が放置されやすい原因のひとつに、何科受診が適当なのかわからないことがあげられます。足の専門科といって適当なところが思い当たらない方が多いのではないでしょうか?
しかもかつては外科治療(手術)が一般的だった下肢静脈瘤ですが、最近ではレーザー治療が保険適用となり、治療方法が広がっています。そのため、ますます何科を受診したらよいのかわからなくなっています。
下肢静脈瘤を治療するなら、一般的には「血管外科」「心臓血管外科」を受診すると良いでしょう。血管外科が近くにない場合は「外科」を受診しましょう。
レーザー治療が保険適応になった際、「実施医」制度ができ、形成外科医や皮膚科医、放射線科医なども対象になっていますが、一般的ではありません。
最近では下肢静脈瘤を専門に扱うクリニックもできています。その場合は血管外科医が常勤しているか、レーザー治療が保健適応かを確認するとよいでしょう。
下肢静脈瘤の治療法と受診科の選定ポイントは?
下肢静脈瘤にも種類があり、出来る位置や症状に差があります。
適切な医療機関を受診して、それぞれに合った治療法を選ぶことが必要です。
手術など根治的な治療が必要な場合もありますが、医師と相談して場合によっては保存的治療でしのげることもあります。弾性包帯や弾性ストッキングなどの医療用の弾性着衣で圧迫する方法です。根治ではありませんが、進行の防止ができます。
従来の主流であったストリッピング手術(静脈を引き抜く)のほかにも硬化療法や高位結さつ術といった方法や近年主流になりつつある血管内レーザー治療など選択肢があります。
自分の病状や治療にかかる身体的・金銭的負担なども考慮しながら、相談できる専門医を見つけることが大切です。
血管内レーザー治療は、下肢静脈瘤の専門医を標榜しているところが多いので、探しやすいと思います。ただし保健適応の無い自費手術をすすめるクリニックは避けたほうが良いでしょう。
足に出来たボコボコの外見上、肌の露出を避けていた方も、積極的に治療をしてみてはいかがでしょうか?
まとめ
気になる下肢静脈瘤―なおしたいけど何科を受診すればいい?
治療せずに放置してはいけないのでしょうか?
治療したい、でも何科を受診したらいいのかわからない
下肢静脈瘤の治療法と受診科の選定ポイントは?