椎間板(ついかんばん)ヘルニアには腰部のヘルニアと頸椎でも頸椎椎間板(けいついついかんばん)ヘルニアという名前のヘルニアがあります。 頸椎椎間板ヘルニア は加齢による椎間板の変形による病気です。40~50歳代から高齢者に起こりやすい傾向があります。
草取りやペンキ塗り、頸椎椎間板ヘルニアになりやすい
頸椎椎間板ヘルニアとは
難しい医学用語が並びますので、少し説明します。
頸椎
頸椎とは首の骨のことです。背中の真中を通っているのが脊柱(せきちゅう)で脊柱は椎骨(ついこつ)という骨から構成されています。頭蓋骨のすぐ下にある7個の椎骨が頸椎です。
椎間板
脊柱は24個の椎骨(骨)でできています、その内訳は、頸椎7個、胸椎(きょうつい)12個、腰椎5個です。頸椎と頸椎の間には軟骨の一種である椎間板があります。
椎間板はゼラチン状の髄核(ずいかく)とコラーゲンを含む線維輪(せんいりん)という周囲の硬い部分からできています。椎間板はゴムマリのように柔軟性があり、形をいろいろ変形させることができます。
ヘルニア
ヘルニアとは臓器の一部が変形したり、移動したりして、つまり飛び出した状態のことを言います。
従って、椎間板ヘルニアとは、外側の線維輪に何らかの原因で傷ができて、中の髄核が線維輪の傷から外に飛び出し、あるいは膨れてしまうことです。飛び出したり、あるいは膨れた椎間板が近くを通る神経を圧迫して、痛みやしびれなどの症状が出ることが特徴です。
神経には、脳からの命令を手足に伝える役割を持つ運動神経と、手足や体のいろいろなところからの知覚情報、例えば熱いとか痛いというような感覚を脳に伝える知覚神経があります。この2つの神経は脊骨の中の脊柱管に存在しています。
この部分の神経を脊髄(せきずい)といいます。頸部(首)のところで脊髄を中に入れている骨が頸椎です。頸椎が7個あることは前に述べました。この頸椎と頸椎の間に椎間板があります。
椎間板の線維輪に傷ができて、内部の髄核が飛び出し、飛び出した髄核が頸椎内部の脊髄や神経根といった重要な神経組織を圧迫して手足のしびれや痛みを引き起こすわけです。
頸椎椎間板ヘルニアの症状
飛び出した髄核が頸部内部を走っている脊髄や神経根といった神経組織を圧迫すると、その先にある手足が痛かったり、しびれたり、あるいは手足の麻痺などの神経症状を引き起こします。
脊髄が圧迫されると手足の片方あるいは両方で神経症状が引き起こされます。それは手足の先の方にいくほど激しい痛さやしびれとなります。
上肢では、握力低下や手先の細かい動作に障害が出ます。そのため字が書きにくくなったり、ボタンがかけにくくなったりします。下肢では、足の動きが悪くなって歩幅が狭くなり、階段の昇り降りに苦痛を感じるようになります。
また、脊髄から枝分かれした神経根が圧迫されると、頭部痛と片側の上肢にのみに痛みが出てきます。そのため上を見上げるような動作や咳、くしゃみなどで強い痛みが出てきます。
一般的な治療法
いろいろな治療法があります。治療法の選択には注意が必要です。一般的な治療法を紹介します。
1つ目は首を反らしたり、曲げたりする動作をしないことです。
2つ目は頸椎用の頸椎カラーで固定するという方法もあります。
3つ目は牽引などの理学療法を行うことです。
4つ目は温熱療法で筋肉をリラックスさせることです。
5つ目は消炎鎮痛剤の内服又は湿布をすることです。
これらは初期対応の療法やブロック療法です。ブロック療法とは、痛みの原因となっている神経の部位や、その周りに細い特殊な神経ブロック針で局部麻酔や抗炎症薬などを注入する治療法です。この治療法もよく行われています。
鍼灸治療、カイロプラクティック、整体治療なども民間治療として多くの施設があります。カイロプラクティックとは脊柱矯正術の1つで身体特に脊柱を指圧で抑えて機能回復を計る治療法です。
整体とは、一般的に手足を使って脊髄や骨盤など体にある多くの関節の歪みやズレを矯正し、脈路を改善して、さまざまな症状を改善する治療法です。
体操、ストレッチによる治療法もあります。症状の改善が厳しい場合は手術での治療となります。手術には、経皮的レーザー椎間板減圧術、経皮的内視鏡頸椎ヘルニア摘出術、前方固定術、椎弓形成術、除圧術などがあります。
治療法はこのように各種ありますので素人には選択が非常に難しいです。まずは評判の良い医院、あるいは大きな病院の整形外科または脳神経外科、神経内科を訪れて相談してみましょう。
まとめ
草取りやペンキ塗り、頸椎椎間板ヘルニアになりやすい
頸椎椎間板ヘルニアとは
頸椎椎間板ヘルニアの症状
一般的な治療法