不整脈のひとつに期外収縮というものがあります。不整脈というだけで怖い病気に思えますが、期外収縮は気がつかないうちに発生していることがあり、心臓が特に悪くなくても発生します。
今回は 期外収縮 について詳しくご説明します。
期外収縮は日常的に出現する不整脈
脈が抜けるのが期外収縮
期外収縮は発生する部位でわけられます。心房で発生するものを心房性期外収縮といい、心室で発生するものを心室性期外収縮といいます。
心臓は拡張と収縮を繰り返して動いておりますが、期外収縮は十分に拡張していない状態で収縮してしまう不整脈です。手首の動脈を触った際に、通常はドックン、ドックンと脈が触れますが、期外収縮ではドックン、クンやドッ、ドックンとドッやクンが抜け落ちていることを感じ取れます。
一定のリズムが乱れることから、期外収縮は不整脈の中でもリズム不調の部類となります。
期外収縮は心配するほどでもない不整脈
期外収縮は、心臓に病気を持っていなくとも1日に数発は出現することがあります。日常生活でいつも手首を触って脈を確認することは現実的にありえませんし、心臓の鼓動は運動や緊張している以外は感じとれません。
人によっては、期外収縮が出現した時に息がつまるような症状がありますが、ほとんどの人が期外収縮を感じず生活しているのです。
このように健常者にも発生する不整脈であるため、数発程度であれば致死的でもなく重症性もないため、医療機関に受診しても治療の対象にはなりません。
期外収縮の連発にはご注意
期外収縮が発生しても本当に大丈夫かというと、発生する度合いで異なります。そもそも心臓は人体が受ける環境にあわせて一定のリズムで収縮と拡張を繰り返しています。心臓は拡張時に血液を充満し、収縮時に拡張期に溜めた血液を拍出します。
期外収縮は血液が十分に満たされていない状態で拍出されるため、循環する血液量が正常時よりも少なくなります。
期外収縮が単発で発生するのはそれほど問題になりませんが、連発すると循環血液量が不足する事態となります。全身の酸素不足により各臓器の機能障害が起きるので、連発する場合は治療の対象となります。
連発する期外収縮は、細動という不整脈のきっかけ
連発する期外収縮の中でも心室性期外収縮においては、心室細動に移行する可能性があります。
心室細動は、心臓の筋肉がブルブル震えた状態となり、血液を拍出する役目を失うことで、心臓が停止したことと扱われます。救急蘇生法にあるAEDは、心室細動を解除する目的で使用される医療機器です。
一方、心房性期外収縮においても連発により心房細動に移行することがあります。心房細動は心房側で発生することであり、血液を拍出する心室側と比較して致死的不整脈ではありません。
しかし、心房細動は心房に血液の塊を形成しやすいことから、脳梗塞などの病気を引き起こすことがあります。
期外収縮の治療は薬物療法が基本
古くから抗不整脈剤は存在しており、今も昔も薬物療法が主体です。薬を服用中は定期的に24時間心電図検査を行いながら、連発の数などをチェックして薬の量と種類を調整していきます。薬により期外収縮は容易にコントロールできます。
心室細動や心房細動となった場合は、その発作を解除する処置か手術治療が必要となる場合があります。
まとめ
期外収縮は日常的に出現する不整脈
脈が抜けるのが期外収縮
期外収縮は心配するほどでもない不整脈
期外収縮の連発にはご注意
連発する期外収縮は、細動という不整脈のきっかけ
期外収縮の治療は薬物療法が基本