呼吸を鼻からではなく口から行っている状態を口呼吸といいます。呼吸は口からではなく鼻から行う方が自然で、健康面のメリットも大きいのです。ですから、口呼吸はそのまま放置せずに治すことが大切です。
今回は、 口呼吸 を 治す ために知っておきたい知識や対処法について詳しくご説明します。
口呼吸を放置せずに治すと得られる効果とは
口呼吸になる主な原因
口呼吸には、病気が原因で鼻の通りが悪くなり、発症するものがあります。鼻の奥と喉のちょうど境目の所には、扁桃と呼ばれるリンパ組織があり、その咽頭扁桃と呼ばれる部分が肥大すると、鼻からの呼吸が困難になる「アデノイド肥大」という病気になります。
また、俗に蓄膿症と呼ばれる慢性副鼻腔炎のために鼻呼吸が困難となり、口呼吸が習慣化することも原因となります。
口呼吸は顎の大きさに対して舌が大きい、あるいは出っ歯や歯並びの悪さなどが原因で口をうまく閉じられず、結果として口呼吸になっていることもあります。
さらに、起きている時には口呼吸の自覚がなくても、寝ている間に舌が喉の奥に落ち込んで気道を塞ぐと、体は鼻呼吸の代わりに口呼吸で必要な酸素を確保しようとします。いびきや睡眠時無呼吸症の症状のある人は、特に口呼吸に注意が必要です。
さらに、食事の時に左右のどちらかの顎だけを使って噛む、食べ物をあまり噛まずにすぐ飲み込んでしまう、会話や歌など顔の表情筋を動かす機会が少ない、などの生活習慣も口呼吸の原因となります。
これらの生活習慣で口を閉じる顔の表情筋が偏ったり衰えると、安静時にも口が開いて口呼吸になりやすくなるのです。
口呼吸を治すには専門的な治療が必要なことも
病気や歯並びなどが原因で口呼吸が起こっている場合には、病気の治療や歯並びを改善させる必要があります。アデノイド肥大は耳鼻咽喉科での抗生物質治療やアデノイドの除去手術などの治療法があり、どちらも保険治療が可能です。
歯並びや顎の骨のバランスの悪さから口呼吸が起こっている場合には、歯の矯正治療や顎の骨の矯正治療を行うことになります。保険治療か自由診療かは、お一人お一人の状態によって異なるので、矯正歯科医院や口腔外科の診療科のある医院でご相談ください。
口呼吸を治すのに効果のあるグッズ
手術やお薬での治療の対象ではなくても、口呼吸を治せば健康面によい影響を与えます。口呼吸を治すのに効果のあるグッズとその使い方をご紹介しましょう。
- 口呼吸改善用のマウスピースを装着する
- 鼻腔拡張グッズで鼻腔を拡張して鼻呼吸を楽にする
- 口呼吸防止のテープを睡眠中に使用する
口呼吸を治すには顔の筋肉のトレーニングも効果的
病気や歯並びなどを改善するとすぐに口呼吸も治ってしまうように思いますが、その後の生活習慣がよくないと口呼吸は定着したままになります。そのため、口呼吸の原因にかかわらず日常的に口を閉じていられる状態に体の調子を整えておくのも重要なことです。
顔の表情筋をよく動かして、口を閉じる筋肉を衰えさせないようにしておきましょう。簡単にできて効果の高い「あいうべ体操」が口呼吸防止に効果があります。
「あいうべ体操」のやり方
- 「あー」と口を大きく開く
- 「いー」と口を大きく横に広げる
- 「うー」と口を強く前に突き出す
- 「べー」と舌を突き出して下に伸ばす
1~4を10回繰り返して1セットとし、1日30回以上が目標です。
詳しくはこちらのサイトをご覧ください。
みらいクリニック
口呼吸を治すと得られる効果とは
口呼吸が治って鼻呼吸になると、鼻腔で空気中のホコリや微生物などを取り除き、適度な湿度を与えたきれいな空気を肺に送れるようになります。すると、風邪などの感染症にかかりにくくなるという健康効果があります。
また、口呼吸が日常化すると口元に締まりがなくなり、ぼんやりとした顔の印象になりますが、こちらも改善されてスッキリとした好印象の顔立ちになるという効果もあります。
口呼吸は、睡眠時無呼吸症などの放置しておくと命にかかわる大きな病気のサインとなることもあります。たかが口呼吸と軽く見ずに、早めに対処して治療や改善を図っておきましょう。
まとめ
口呼吸を放置せずに治すと得られる効果とは
口呼吸になる主な原因
口呼吸を治すには専門的な治療が必要なことも
口呼吸を治すのに効果のあるグッズ
口呼吸を治すには顔の筋肉のトレーニングも効果的
口呼吸を治すと得られる効果とは