食いしばり の状態では、噛む筋肉への大きな負担はもちろんのこと、口腔周囲筋や側頭筋などにも負担が加わり、 頭痛 を引き起こすといわれています。
夜用のスプリント(上顎)は、食いしばりにより歯に加わる大きな力を一点で支え、身体にかかる負担を軽減します。
昼用のマウスピースは、下顎のズレをなくし身体の歪みをとります。
食いしばりによる頭痛の改善方法は?
食いしばりとは
食いしばり(クレンチング症候群)とは、上下の歯で強く噛み合わせることをいいます。通常、歯が接触しているのは食事の時だけで、1日20分程です。
それ以外の時間は、上下の歯は1mm程度の隙間を開けた状態です。食いしばりの場合は、1日1~2時間、大きな力で上下の歯を噛み合わせることになります。
今回は、食いしばりによる頭痛の改善方法などについてお話します。
頭痛・頭が重い、イライラする、疲労感がとれない、よく眠れないなど、身体に支障をきたしていても検査では異常がみつからない不定愁訴は、歯と歯を強い力で食いしばることが原因の場合があります。
その症状は、慢性的な倦怠感、疲労感、頭痛、耳鳴り、めまい、腰痛、肩・首のこり、睡眠障害、顎の痛み、目・口の乾き、鼻炎、喘息、皮膚疾患などです。
睡眠中の食いしばりは、食事の時の約3倍(100kg)以上の強い力がかかっています。常に上下の歯は離れているのが正しい状態です。
食いしばりが続く限り、頭痛薬などの服用は対症療法にしかすぎません。
就寝時、食いしばりにより顎に非常に強い力がかかり、顎が痛んだり、口が開かなくなったり、口を開くとき音がでたりする顎関節症になります。これが頭痛、肩こり、腰痛などの不定愁訴につながります。
食いしばりを治すには、マウスピースの使用、噛み合わせの調整、全身ストレッチ運動、イメージトレーニング、脱力運動、頬杖などの癖を治す、就寝時の姿勢の改善などがあります。
就寝時上顎に入れる夜用スプリントは、歯にかかる大きな力を一点で保持し、身体の負担を軽減します。症状が劇的に改善する人もいます。下顎のズレも不定愁訴の原因になります。
日中は昼用マウスピースを下顎に装着し、身体の歪みをとります。口が開くようになったり、顎の音が小さくなったりします。
夜用スプリントを使用しても食いしばる人は、枕の高さを自分に合う高さで寝ると食いしばりがなくなります。枕の高さなどが身体に合っていないと、身体のバランスが崩れ、ストレスから食いしばりになります。
息が一番吸いやすい高さ、一番目線が天井と直角に向く高さ、唾が飲みやすい位置、膝を抱えたとき一番曲がる位置が、自分に合う枕の高さです。
食事は常に前歯を意識し前で噛むように意識すると、開かない口が開き、肩・首こりも改善されます。
食いしばりの原因
食いしばりを引き起こす主な原因は次のとおりです。
奥歯だけで噛んで前歯を使わない
奥歯だけで噛む習慣が身につき、奥歯の筋肉の緊張から、就寝に食いしばりが起こります。
不正咬合
下前歯に上前歯が深く被さっている過蓋咬合、上前歯より下前歯が前に出ている反対咬合、歯並びが悪い叢生、前歯の噛み合わせが開いている状態の開咬などがあります。
身体に合わない金属
身体に合わない歯科金属は、食いしばりやすくなり、アレルギーなど全身症状の原因になります。
精神的・生活要因
人間関係にかかわるストレスは食いしばりの原因です。職場や生活でのパソコンなどの操作時、無意識に食いしばりをする場合があります。
食いしばりの症状
食いしばりの症状には、知覚過敏、歯痛、咬合痛、歯の破折、詰め物・被せ物が壊れる、虫歯・歯周病が起こりやすい、口内炎・口角炎・舌の痛みが起きやすい、顎関節症、頭痛・めまい・腰痛・アレルギー・慢性疲労・睡眠障害などの全身症状がみられます。
食いしばりの口中状態
食いしばりの口中状態は、歯の根元が削れるくさび状欠損、上顎にコブができる口蓋骨隆起、下顎にコブができる下顎骨隆起、舌に波を打った歯形がつく舌圧痕、頬横に一本スジができる頬圧痕、歯が削れる咬耗、過蓋咬合・反対咬合・叢生・開咬などの不正咬合がみられます。
まとめ
食いしばりによる頭痛の改善方法は?
食いしばりとは
食いしばりの原因
食いしばりの症状
食いしばりの口中状態