くも膜下出血という病名を耳にされることは多いでしょう。これは頭蓋骨の内側にあるくも膜と軟膜の隙間である、くも膜下腔に出血を起こした状態です。直接的な 原因 は、脳動脈瘤の破裂によるものがほとんどです。では、 くも膜下出血 を起こさないためにはどうすれば良いのでしょう。
今回は、くも膜下出血を予防するため生活習慣についてご説明します。
くも膜下出血に至る原因と予防法
高血圧は血管破裂のリスクを高める
病院では収縮期血圧が140mmHg以上もしくは、拡張期血圧が90mmHg以上であると高血圧と診断されます。高血圧だから直ぐに重い病気になるということではありませんが、血圧が高い人ほど血管系の病気にかかりやすく死亡率も高くなるというデーターがあります。
たかが高血圧、されど高血圧です。放置すると血管に異常をきたし、動脈瘤や動脈閉塞症などの原因になる恐れがあるのです。つまり、高血圧はくも膜下出血の原因となる動脈瘤の破裂を引き起こす因子になる可能性があるということです。
血圧は日々変わりますので、家庭用の血圧計などでこまめにチェックすることをおすすめします。高血圧の兆候がある場合は、早めに医師の診断を受けて適切な対処をすることが大切です。
また、主治医を決めて定期的な検診をすることで、くも膜下出血の原因となる動脈瘤を早期に発見し破裂を未然に防ぐことができます。
塩分の取り過ぎに注意
高血圧の原因として、塩分の取り過ぎがあります。これはよく言われることですが、では何故塩分の取り過ぎが良くないのでしょうか。腎臓には尿中へナトリウムを排泄する機能があるのですが、塩分の取り過ぎはその機能を上回ってしまうのです。
その結果、血液中にナトリウムが貯まり、循環血流量が増加して血圧が上がるのです。ですので、日々の食生活で減塩を心がけるのは、くも膜下出血の予防につながるということになります。
喫煙は百害あって一利なし
タバコにはニコチンが含まれていますが、このニコチンが血圧を上げる原因になるのです。そして、動脈硬化を引き起こす原因にもなります。脳卒中治療ガイドライン2009においても、喫煙はくも膜下出血の危険因子とされていますので禁煙を心がけましょう。
お酒は程々に
お酒は百薬の長、個人差はあるものの適量ならば問題ないでしょう。しかし、何事もそうですが、程々を超えると悪影響が現れます。喫煙と同様に、お酒の飲み過ぎはくも膜下出血の危険因子とされています。
精神的ストレスは高血圧症の原因になる
頻繁に精神的ストレスがあると、血管が収縮し血圧が上がります。これは、ストレスによって交感神経の緊張状態が続いてしまうからです。なかなか難しいことですが、ストレスを溜め込まないように、上手に解消することが大切です。
肥満じゃないからといって安心はできない
コレステロール値や肥満と、くも膜下出血の因果関係は明らかになっていません。ということは、肥満じゃないから大丈夫ではないということです。
かえって、ヤセ型の人のほうがくも膜下出血を引き起こしやすいという報告もあるくらいです。ヤセ型で、ヘビースモーカーとか高血圧の人は要注意です。
くも膜下出血の症状
頭をハンマーで殴られたような激しい頭痛が現れるのがほとんどです。そして数日間、頭痛が続くことがあります。しかし出血が少ない場合は、痛みがないこともあります。頭痛とともに、吐き気を感じて嘔吐することがあります。
また意識がもうろうとするとか、場合によっては意識を失うことがあります。もしそういった症状が現れたら、直ぐに救急車を要請して病院で処置してもらうことが重要です。かりに症状が軽くても再び出血する可能性があるので、放置しないで医療機関で診てもらう方が良いでしょう。
くも膜下出血は死に至るケースが多く、命を取り留めても後遺症が残る可能性の高い病気です。絶対といえる予防法はありませんが、日々の生活で予防できることもあります。喫煙や多量の飲酒を控え、健康管理を怠らないことが大切です。そして、定期的な検診をすることをおすすめします。
まとめ
くも膜下出血に至る原因と予防法
高血圧は血管破裂のリスクを高める
塩分の取り過ぎに注意
喫煙は百害あって一利なし
お酒は程々に
精神的ストレスは高血圧症の原因になる
肥満じゃないからといって安心はできない
くも膜下出血の症状