私たちの周りにはくも膜下出血により命を落とした方や命は助かったものの後遺症があらわれた方、さほど後遺症もなく日常生活を送れるまで回復された方、さまざまなケースがみられます。ですが、その命運をわけたものはいったい何だったのでしょうか?
くも膜下出血は、脳卒中の中でも発症と同時に死亡する危険性のある恐ろしい病です。1分、1秒が命を左右するため症状があらわれた場合には早急な対応が必要となります。
今回は くも膜下出血 の 症状 についてご紹介します。
突然死にもつながるくも膜下出血の症状を知っておこう!
くも膜下出血の原因
くも膜下出血は、脳を覆う硬膜(こうまく)、軟膜(なんまく)、くも膜の3枚の膜の内、くも膜の下に出血が起きることをあらわします。この出血は、脳の動脈がコブのような動脈瘤(どうみゃくりゅう)となり破裂する脳動脈瘤破裂(のうどうみゃくりゅうはれつ)により起こるものです。
その他、生まれつき持っている脳動静脈奇形(のうどうじょうみゃくきけい)というものが破裂し、出血するケースもあります。頭部外傷など、頭に怪我を負うことにより出血する場合もあります。
くも膜下出血の症状
頭痛
特徴的な症状として、「ハンマーで叩かれたような激しい頭痛」や「バッドで殴られたような激しい頭痛」と表現されるように、今まで経験したことのないような強い頭痛に襲われます。
頭全体に頭痛を感じる場合もありますし、前頭部、後頭部に頭痛を感じることもあります。時に頭痛は、はじめに軽い頭痛がおき、続いて強い頭痛がおきる場合もあります。
激しい頭痛と同時に、吐き気や嘔吐、けいれん、意識障害があらわれます。重症の場合は意識障害や呼吸障害が強く昏睡状態に陥ることもあります。
吐き気
くも膜下出血は頭痛と同時に吐き気を感じ、嘔吐することもあります。
意識障害
くも膜下出血での意識障害は、数分~10分程度意識を失うことが多いです。出血量が少ない場合は意識を失わないこともありますが、重症の場合は意識を回復しないこともあります。
項部硬直(こうぶこうちょく)
項部硬直とは、うなじが凝るような症状です。うなじを中心とし首の付け根から肩にかけ痛みを感じ、硬く張るような感覚です。症状は、発作の数時間後あらわれます。出血量が少ない場合には、項部硬直はあらわれないこともあります。
発症した場合
経験したことのないような激しい頭痛に襲われた場合は迷わず救急車を呼びましょう。たとえ意識障害がない場合や意識がすぐに回復したとしても突然急変する恐れがあります。
救急車の到着まで時間のかかる場合は、周りの人が車を運転し病院へ搬送するようにしましょう。この場合、患者さんを座席に対し横向きに寝かせ運ぶようにしましょう。
また、救急車を待つ間には意識があるのか確認をし、ネクタイやベルトをゆるめ寝かせましょう。吐いたもので窒息しないように必ず横向きに寝かせるよう注意しましょう。
くも膜下出血は、1分1秒を争う発作です。一刻も早く救急車を呼び、応急処置を施し医療機関へ搬送することが命や予後を左右します。
こんな人は注意が必要です
くも膜下出血は、血縁内で起きることの多い病です。血縁者の中に脳卒中(脳出血、くも膜下出血、脳梗塞)を経験した方がいる場合には特に注意しましょう。
血圧の高い方は、動脈瘤にかかる圧力も高くなるため動脈瘤破裂の危険性が高くなります。特に、血圧の乱高下がみられる場合は数日後、くも膜下出血を起こす危険性がありますので注意が必要です。
まとめ
突然死にもつながるくも膜下出血の症状を知っておこう!
くも膜下出血の原因
くも膜下出血の症状
発症した場合
こんな人は注意が必要です