心臓は、こぶし大の大きさで心筋といわれる筋肉でできています。この心臓が収縮を繰り返すことで身体全体に血液を循環させています。そこで重要な役割を果たしているのが冠状動脈で、酸素や栄養を心臓筋肉に送っています。
この環状動脈の太さは3~4ミリぐらいで、これの内腔が狭くなると心筋に届く酸素や栄養の供給が不足し、胸が苦しいなどの症状を現わすのが狭心症です。
さらに、内腔が脂肪の沈着によるアテロームなどで閉塞した状態になると、血液が心筋に流れなくなり心筋の一部が死んでしまいます。これが心筋梗塞です。
今回は、 狭心症 におる 検査 の必要性をご紹介します。
狭心症には定期検査が大事ですよ(前編)
狭心症はどんな病気なの?
狭心症は、普段は何ともないのだが、ある時突然、胸部絞扼感(胸が締め付けられる)、胸部圧迫感(胸が強く押さえつけられる)、胸部灼熱感(胸が焼け付く)、胸痛(胸の奥が痛む)などの症状を発作的に起こす病気です。
そして、このような症状をまとめて狭心症状、あるいは狭心症発作と呼んでいます。
狭心症の原因って、何?
心筋は、冠状動脈を通じて酸素、栄養をふくむ血液の供給を受けていますが、この血流は運動などの負荷がかかると、冠状動脈の細血管が拡がることで増え、恒常的に心筋がその働きを出来るように必要な酸素や栄養が供給されています。
ところが、環状動脈の内腔が動脈硬化や血栓によって狭くなると、血流の増加が起こらなくなります。
例えば、狭窄が軽い場合は激しい運動をした時や、狭窄が強い場合は少しの運動だけで冠状動脈を流れる血流は不足するため、いわゆる心筋虚血の状態になり、必要な酸素や栄養も不足します。これが、狭心症のもっとも多い原因になります。
その他にも攣縮といって、冠状動脈が痙攣することがあります。これは冠動脈硬化による狭窄部分に起こりますが、正常な部分にも起きることが多く、安静時、特に明け方の睡眠中に出現することがあります。この攣縮を起こすと、狭窄下部分で起きた症状と同じ症状を現わします。
狭心症のタイプと症状
狭心症は発作的に起こります。その典型的なものが胸部絞扼感などの症状ですが、どんな特徴があるのでしょうか。起こる場所は胸骨の奥のことが多く、左肩から左腕のかけて不快な痛みを感じます。そして、症状は突然起きますが、数分後には治まります。
狭心症にも何種類かありまして、その中に一つ労作性狭心症は文字通り労作時に起こります。例えば、足早に動いている時や、階段、坂道を上る時、あるいは興奮している時に、先程の胸部絞扼感(胸が締め付けられる)、胸部圧迫感(胸が強く押さえつけられる)、胸部灼熱感(胸が焼け付く)、胸痛(胸の奥が痛む)などが症状としてでてきます。
痛みは胸痛だけではなく放散痛として、左肩から腕、顎まで、そして、胃の痛みと錯覚するようにみずおちが痛む場合もあります。時間にすると数十秒から長くて15分程度で、少し安静にしていると、直に治まります。
安静時狭心症は、特別の誘引なしに起こる狭心症の発作で、労作性の狭心症に比べると、症状は強く、持続時間も長い傾向にあります。夜間や明け方に発作を起こす場合が多いです。
安定狭心症は発作の起こり方がほぼ一定で、労作性狭心症の大部分と安静狭心症の一部がこれに入ります。
異型狭心症は運動中ではなく安静時に冠状動脈の攣縮がもとで起こります。症状は労作性狭心症と同じようなもので、冠状動脈が動脈硬化を起こし、狭窄部分を一時的に作り出したようなものになります。発作中に心電図に波形の変化が見られます。
不安定狭心症は狭心症の症が安定していたにも関わらず、突然、発作の回数が増えたり、痛みが生じたりします。特に、安静時や少しの動きで発作が起きるなどの変化が著しい場合は、心筋梗塞に移行する場合がありますので注意を必要とします。
後編では、狭心症の原因や検査方法、治療についてご紹介します。
狭心症には定期検査が大事ですよ(前編)
狭心症はどんな病気なの?
狭心症の原因って、何?
狭心症のタイプと症状