長時間の座位や立位などの特定の条件が 原因 で体調不良や失神を繰り返し起こしてしまう 迷走神経反射 という病気があります。安易に考えているといつか転倒や骨折などの受傷リスクもあるという事をご存知でしょうか。
自律神経が生理的反応を起こしたのに過剰反応を起こしてしまうことで起きる迷走神経反射についてご説明いたします。
緊張やストレスが原因で起こる迷走神経反射とは
迷走神経反射が起きる仕組み
迷走神経は、心臓や血管・頚部・胸部・腹部の一部を支配していて、自律神経の一つの副交感神経と同じ働きをしています。何らかの原因によって、心臓へ戻る血流量(静脈還流量)が低下することにより、身体へ血液を送り出す左心室の容積が減少します。
身体を維持するために必要な血液を送り出そうと、もう一つの自律神経の交感神経が活発になり心拍数が増加させるように働きます。交感神経が優位になると、迷走神経を通して中枢神経が刺激されます。
最終的に自律神経のバランスが乱れ、交感神経の働きが低下、迷走神経が活性化することで心拍数が低下、血管拡張による血圧低下となり迷走神経反射が起こるのです。迷走神経反射は神経反射性失神とも呼ばれます。
迷走神経反射が起きる原因とは
迷走神経反射を起こす原因はさまざまです。
長い時間の立位や座位・運動や排泄・食事中や食後・咳・採血や注射・怒りやショックなど強く感情的になった時・強い痛みを伴ったときなどに、迷走神経反射が起こることがあります。意外かもしれませんが、人酔いや満員電車で気分が悪くなるのも迷走神経反射です。
失神などの症状が起きた場合に、中には痙攣を伴われる方もおられるようですが、迷走神経反射の場合はほとんどの方は問題がありません。失神時の転倒による骨折などの受傷に注意する必要があります。高齢者の場合は、尻もちをついただけで骨折することがあります。
原因を踏まえ迷走神経反射の予兆をつかむ
迷走神経反射には予兆となる前駆症状があります。自律神経の乱れが原因で起きますので、原因や誘因が合わされば誰もがなり得ると言えるでしょう。自律神経は整える努力はできても、神経ですので鍛えることはできません。
予兆としては、視野のぼやけ・気分の悪さやめまい・吐き気・血の気が引く・悪寒。腹部不快感・あくびがやたら出る・急な眠気などです。迷走神経反射の予兆を感じたら、すぐに安全な場所で横になり休息をとることが大切です。
採血など特定の条件で迷走神経反射が起きることがわかっている場合には、事前に申し出るなど申告することも大切です。
迷走神経反射は原因と誘因が重なると起きやすくなる?
迷走神経反射が起きやすい原因と誘因が重なると起きやすいと言われています。誘因とは、脱水状態や発熱・疼痛時、睡眠不足や過労があるときです。日頃から、規則正しい生活を心がけることは大切です。
昼夜逆転など乱れがちになっているときは、できるだけ早くに改善できるように対処することですが、その渦中では迷走神経反射に注意も必要です。必要に応じて受診や休息を十分に取り入れるようにして誘因を取り除く努力が必要です。
迷走神経反射が原因の失神や症状なのか?
失神などの迷走神経反射のときに現れる症状は本当に迷走神経反射でしょうか?万が一、まだ受診をされていないという方がおられましたら早めの受診をおすすめします。他の病気が潜んでいることもあるので注意する必要があります。
頻回に症状が出る、失神してしまう場合には治療が必要となることもあります。迷走神経反射かどうかを調べたい場合には、循環器内科に受診されるといいでしょう。
迷走神経が、心臓や血管系などを支配する神経だからです。迷走神経反射が原因で起きている症状であるならば、応じた対応が可能です。
まとめ
緊張やストレスが原因で起こる迷走神経反射とは
迷走神経反射が起きる仕組み
迷走神経反射が起きる原因とは
原因を踏まえ迷走神経反射の予兆をつかむ
迷走神経反射は原因と誘因が重なると起きやすくなる?
迷走神経反射が原因の失神や症状なのか?