めまい (眩暈)は当て字で目舞いと書きます。文字通り目が舞うような感じですので、こう呼ばれます。目舞いの表現として、ぐるぐる、ふわふわ、くらくら、ゆらゆら、ふらふら、などの言葉がありますが、誰でもこんな体験は1度や2度はあるでしょう。今回はこのめまいについてのお話しです。
めまいは人間の平衡感覚の異常を知らせるサインです
めまいは平衡感覚の障害です
めまいという症状の表現はいろいろあることが分かりました。だれでも経験があるでしょう。めまいを訴える人は厚生労働省の調査によると約240万人にものぼるようです。非常に身近な障害です。
上記のようなめまい特有の症状は、ほとんど人間の平衡感覚に何か問題がありますよ!という体の異常を知らせるサインという風に見ることができます。
もともと人間の体は、体内のいろいろな機能や器官、臓器などが異常をきたすと、その器官、臓器特有の異常サインを出す仕組みになっています。
例えば、胃潰瘍になると上腹部が痛くなる、風邪をひくと寒気がして体が震える、というような症状が出ます。めまいもそれらと同じ異常信号ですのでどこかでトラブルが起きているわけです。
めまいは何故起こるのか、その平衡感覚の仕組み
めまいの原因を理解するために、体の平衡をつかさどる器官を知らなくてはなりません。その器官は次のようなものがありこのどこかの器官に障害があると、めまいという症状になってあらわれます。
三半規管
体の動きをとらえる器官で体の回転の動きをとらえる機能を持っています。ここが障害を受けると体が回転するようなめまいが起きます。
耳石器
加速度や重力をとらえる器官でここが障害を起こすとふわふわするような感覚のめまいとなります。
前庭神経
三半規管と耳石器でとらえた体の信号は、前庭神経で脳幹に伝えます。この前庭神経が障害を受けると強い回転性のめまいが起こります。
脳幹
ここは体の位置関係、平衡をつかさどる神経が集まっている重要な部分です。ここが何らかの異常をきたすと、ぐるぐる回転するめまいが起こります。
視床、大脳皮質
脳幹からの情報は視床、そして大脳皮質へ伝わっていきます。ここの部分で障害を受けるとふわふわするようなめまいが起こります。
めまいの症状、病気について
日常生活の中で、比較的よく起こりうるめまいという症状や病気について、もう少し学習しておきましょう。
めまいの症状、病気で60%以上の患者さんに該当するのが、良性発作性頭位めまい症という難しい名前の病気とメニエール病です。
良性発作性頭位めまい症
耳が原因で起こるめまいの中で最も多い症状で、寝がえりをうつ、寝ていて急に起き上がる、座っていて急に振り向く、などのように頭の位置を急に変えたときにめまいの症状が出ます。
30秒から1分ほどの回転性のぐるぐる周りが回るような一過性の症状ですのでまもなくおさまります。耳石器のトラブルですから耳鳴りや難聴はともないません。
メニエール病
めまいといえばメニエール病といわれるほど有名な耳の病気です。しかし意外とそれほど多くはありませんが難病に指定されているやっかいな病気です。繰り返すと耳鳴りや難聴をともない、めまいは治っても耳鳴りや難聴がいつまでも残り、完治が難しいようです。
メニエール病も内耳の病気で周りがぐるぐる回る回転性のめまいがあらわれます。突然発症する場合が多く、めまいと同時に片方の耳に耳鳴りや耳の閉塞感(詰まった感じ)を感じ、難聴となります。大体30分くらいめまいが続き、やがておさまってきますが耳鳴りと難聴は残ります。
突発性難聴と脳梗塞は緊急を要します
突発性難聴
突然耳が詰まり、耳鳴りがして聞こえにくくなりめまいがあらわれます。発作は1回だけです。内耳動脈のつまりによる酸欠が原因のようです。
できるだけ早く病院に行き治療を受けなければなりません。時間との闘いとなります。時間が経つと回復率が急激に下がってきていつまでも障害が残るという結果になります。
脳梗塞
脳血管系の障害です。大至急医療機関で診察を受けてください。血流が滞ることによって突然めまいが起きます。めまいと共に手足がしびれる、ろれつが回らない、意識障害がある、ものが二重に見える、などの症状が出ます。
その他の症状、病気
他にも患者数は少ないですが、悪性発作性頭位めまい症、前庭神経炎、頭頸部の歪み、首のこり、薬剤性めまい、などがあります。
めまいは人間の平衡感覚の異常を知らせるサインです。
まとめ
めまいは人間の平衡感覚の異常を知らせるサインです
めまいは平衡感覚の障害です
めまいは何故起こるのか、その平衡感覚の仕組み
めまいの症状、病気について
突発性難聴と脳梗塞は緊急を要します
その他の症状、病気