「意外と知らない?~めまいとめまい外来について~(前編)」では、めまいを起因とする疾患についてご紹介いたしました。後編では高齢者に多い老人性めまいについてご紹介いたします。
その他、 めまい が起きた場合、耳鼻科外来か神経内科外来、どちらの 外来 を受診したほうがよいのかご説明いたします。
意外と知らない?~めまいとめまい外来について~(後編)
高齢者に多い老人性めまい
高齢者のめまいは、回転性、動揺性、立ちくらみ(眼前暗黒感)の3つの症状が起こるので、めまいから病気を割り出すことがとても難しいといわれています。
加齢による内耳や前庭神経、大脳皮質などの変性により平衡感覚の衰えによって生じるめまいもあれば、血圧を調整機能が衰え、血圧の変動が激しくなったりすることでめまいが起こることもあります。
さらに、高血圧症や糖尿病などの病気が起こりやすくなるため、投薬による副作用としてもめまいが起こることもあります。
他にも、脱水症状によって起こるめまいなど高齢者のめまいは環境によるものなのか、病気によるものなのか、突発的に起こったものなのか判断が中々つきにくいのです。
例えば、高齢者の場合、難聴が起こっていても、回転性めまいによる難聴なのか、加齢に伴う難聴なのかの判断がしにくいといいます。そのため、普段からの投薬や来院暦などを慎重に、複合的にみることが必要になります。
そこで、めまい外来での検査が重要になってくるのです。
めまいの外来~耳鼻科?それとも神経内科?
日常的にめまいに悩まされた場合、まず内科で問診によって症状を切り分けます。
このとき、病状や生活環境を問診表に書き、耳による異常なのか、それとも脳による異常によって疑われる症状なのかを切り分け、耳の場合は耳鼻科へ、耳鼻科で症状がわからなければ、神経内科で検査を受けることになります。
耳鼻科での検査
耳鼻科での検査には、主に難聴が起こってないかの聴力検査、外を見えない状態で目の動きを見る眼振検査、耳に水を入れて目の動きを見る温度眼振検査、身体のバランスを見るために、片足か両足で立って目を閉じたときと開いたときの身体のふらつきを見る体平衡検査などがあります。
ここで、耳が原因で起こるめまいの場合、切り分けとして耳鼻科での治療が必要になってくるというわけです。
神経内科での検査
神経内科での検査は、主に感覚、運動機能、刺激に対する反応を調べ、脳のどこに原因があるのかを絞り込みます。
MRI検査では、磁気を利用して脳を調べ、脳梗塞が起こっていないかなどを調べます。MRA検査ではMRI検査と同じように脳を調べますが、脳の血管に異常がないかを調べ、脳の血管が細くなっていないかを見ます。
脳波検査は、てんかん性によるめまいが起こっていないかを調べる検査です。脳の検査の場合、直接脳の状態を見ることで病状や異常を見ていきます。脳によるめまいが見つかった場合は、神経内科での治療や場合によって外科的な手術も必要になってきます。
治療方法の種類
めまいの治療方法ですが、投薬によるものと外科的な処置をとるものの2種類があります。
投薬として、抗めまい薬はメニエール病や前庭神経炎などの症状を和らげる作用があります。
また、めまいによる吐き気を抑える吐き気止め、ストレスからくるめまいを和らげる抗不安薬などがあり、症状や診断された病状にあわせた投薬が行われます。
投薬治療によって、症状が改善しない場合は、めまいの原因となる神経の除去(脳血栓や腫瘍)耳に薬を注入する処置などが行われます。
高齢化に伴い、めまいによる病気の切り分けが難しくなってきているといいます。これからも、こういった症状を把握し、精密な検査を行うことがとても重要になってくることは間違いありません。
ただ単に、何となくめまいがあるけれど、休んでいれば大丈夫だからと放っておくと、手遅れになることがあります。病院に行くことはとても面倒だし、検査は何だか怖いと思わず、めまいが常習的に起こるなら、ぜひ一度かかっておきましょう。
もし、検査に抵抗がある場合でも、現在では、めまい外来についての検査内容や外来などの病院もホームページで掲載していますので、検査について把握してから行くことをおすすめします。
まとめ
意外と知らない?~めまいとめまい外来について~(後編)
高齢者に多い老人性めまい
めまいの外来~耳鼻科?それとも神経内科?
耳鼻科での検査
神経内科での検査
治療方法の種類