「めまいの原因にはどんなものがあるの?(前編)」では、耳の原因によって引き起こされるめまいについてご紹介致しました。後編では、脳の 原因 によって引き起こされる めまい についてご紹介致します。
脳梗塞などの一刻を争う症状の場合もありますので注意しましょう。
めまいの原因にはどんなものがあるの?(後編)
脳が原因のめまいとは?
脳が原因で起こるめまいの特徴は、物が二重に見えたり、手足や顔がしびれる、力が入らない、手がふるえる、嘔吐などの症状があることです。
耳が原因のめまいと違って耳鳴りや難聴、耳閉感を伴わず、めまいは軽いこともありますが、重大な病気である場合が多くありますので、一刻も早く医療機関を受診する必要があります。
めまいが起こる脳の病気にはどんなものがある?
めまいが起こる脳の病気には、以下のようなものがあります。
脳梗塞・脳出血
脳梗塞は脳への血流が止まることで壊死することであり、脳出血は脳の血管が破裂して出血することですが、いずれも脳の機能が失われることによって、めまいの他、頭痛や吐き気、麻痺、痺れなどを生じることが多いので、こういった症状があるときには注意しましょう。
脳の中でも平衡機能をつかさどる脳幹に障害が起こると強い回転性のめまいを生じることが多く、大脳皮質の障害では揺れるような感覚のめまいを起こすことが多くあります。
脳出血では時間の経過と共に脳圧が高まり、頭痛や意識低下、意識消失を伴うことも多くありますので、一刻も早い治療が必要です。
椎骨脳底動脈循環不全
椎骨脳底動脈循環不全とは、脳幹や小脳といった生命を維持するために重要な役割を果たしている部分に血液を送っている動脈の血流が悪くなる病気です。
動脈の狭窄や椎骨の変形による圧迫などの原因によって血流が悪くなり、めまいの他に手足の痺れや麻痺が起こります。
その他
その他にも、てんかんや脳腫瘍など、めまいを生じる脳の病気がありますが、めまいの他にも痙攣やしびれ、麻痺、嘔吐、意識消失など、脳の病気を疑わせるような症状があるときには早めに医療機関を受診しましょう。
高齢者に多いめまい
加齢と共に全身の機能が衰えて行きますので、高齢者はめまいを起こす要因をたくさん持っていると言えます。高齢者に多い、めまいの原因となる要因を以下に紹介します。
- 起立性低血圧
- 平行機能をつかさどる内耳や前庭神経などの劣化や変性
- 脳梗塞
- 高血圧
- 動脈硬化による脳への血流不足
- 貧血
- 糖尿病による神経障害
- 脱水
なかでも特に多いのが起立性低血圧によるめまいだと言われています。加齢によって血圧を一定に保つ機能が低下してしまいますので、心臓から最も遠い位置にある大脳皮質の頭頂葉に血液が届かなくなるために起こります。
これらの病気や加齢による変化がめまいの原因になる他、高齢者は様々な病気を抱えていることも多く、それらの病気や服用している薬が複雑に影響しあってめまいを起こす場合もあります。
早期に治療しないと命に係る重大な病気もありますので、軽いめまいだからと油断せず、早期に医師の診断を受けることをおすすめします。
まとめ
めまいの原因にはどんなものがあるの?(後編)
脳が原因のめまいとは?
めまいが起こる脳の病気にはどんなものがある?
高齢者に多いめまい