めまい症とは「良性発作性頭位めまい」のことで頭の位置や体位を変えたことが原因で起こるめまいをさします。内耳になんらかの病気があるとおこるめまいですが、予後は良好な疾患です。
今回は めまい症 の原因から予後までを詳しく説明します。
めまい症の原因から症状・予後まで
めまい症の原因
人間の体のバランスを保っている器官は、内耳にある前庭です。前庭の働きと視覚や刺激と知覚が脳の中で合わさって体の安定とバランスを保っているのです。しかし、前庭に異常があるとめまいがおこります。これを前庭性めまいといいます。
一方、前庭の異常の他にも脳や頸椎の障害でもめまいはおこります。これは非前庭性めまいとよばれ、区別されています。「良性発作性頭位めまい」であるめまい症は、前庭性めまいに分類され、めまい全体の85%を占めるといわれています。
前庭の中には耳石という小さな石が集まっている部分があり、耳石は感覚細胞の上に生えている毛の上にのっています。頭の位置や傾きが変わると、耳石が動いて毛に「動いた」情報が伝わります。脳は情報を受け取り、体や頭が動いたことを察知します。
ところが、小さな耳石がはがれて三半規管の中に落ちてしまうことがあります。すると、頭が動くたびに三半規管の中で耳石が動いてしまい、リンパ液の流れをかき乱してしまうことになるのです。その結果、めまいを引き起こします。
めまい症の症状
めまいが起きた時は、良性なのか重大な病気によるめまいなのか判断する必要があります。めまいの激しさと病気の重大さは比例しないため、自己判断せず医療機関を受診するようにしましょう。
まず、前庭が原因によるめまいの場合は回転性のめまいを感じることが多いでしょう。自分が回っているように感じたり、天井や床や壁がぐるぐる回っているように感じたりします。吐き気や嘔吐を伴うことが多く、まっすぐに立っていることも難しくなります。
前庭性めまいの場合は、発作ときに眼球をみてみると、細かく揺れ動いている特徴があります。眼球の揺れは、内耳や前庭の異常でみられます。もしも回転性のめまいと同時に耳鳴りや難聴がある場合は、メニエール病など他の病気が考えられるため早めの診断が必要です。
また、耳鳴りや難聴はないが風邪をひいたあとに回転性のめまいの症状が出た場合は、前庭神経炎の可能性があります。
めまい症がおきた時の対処方法
めまいの発作がおきた時は、自分で確認しておくことがあります。まず「いつ、何をしていた時にめまいがおきたか」です。めまい症の場合は、寝返りを打ったときや靴ひもを結んだときなど特定の動作や頭位をとったときにおこります。
そして一番確認しておきたいことが、めまいと同時にでていた症状です。耳鳴りや手足のまひがあったかを確認しましょう。めまい症の場合は1回のめまいは2分以内にはおさまります。無理に動こうとすると症状は強くなります。
吐き気や顔面蒼白になるため不安になりますが、落ち着いてじっとしていることが大事です。大きな音は耳に刺激を与えてしまうため、静かな暗い場所でめまいが治まるのを待ちましょう。めまいの症状が落ち着いてから受診することをおすすめします。
また高齢者や血圧が高い人でめまいと同時に「ろれつがまわらない」「体の片側に麻痺」がある場合は、脳こうそくの可能性が考えられるため大至急受診してください。
めまい症の治療
めまい症の原因は、三半規管に落ちた耳石です。そのため落ちた耳石を取り出すことが治療になります。救急外来では、落ちた耳石を三半規管の外に出すために、積極的に体を動かす治療が行われます。
めまい症の予後
めまい症は、ほとんどが2週間以内に後遺症を残さずに治ります。ただ、再発する可能性はある病気です。
まとめ
めまい症の原因から症状・予後まで
めまい症の原因
めまい症の症状
めまい症がおきた時の対処方法
めまい症の治療
めまい症の予後