味がわかりにくい、何も食べていないのに苦味を感じるなどの症状が出る味覚障害ですが、この十数年で急激な増加傾向にあると言われています。 味覚障害 の原因は突発性のものや慢性的なものまで、非常に多岐にわたります。
しっかり 原因 を確認し、それぞれの原因に合った治療を行いましょう。
味覚障害の原因は?原因に合った治療をしよう
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最も多い原因は亜鉛不足
味を感じる味覚受容器を味蕾(みらい)といいます。味蕾は舌の上だけでなく、のどの粘膜、上あごの天井部分にも存在し、その数は7,000個~10,000個もあると言われています。この味蕾細胞は10日程で新しい細胞に変わりますが、その際に亜鉛を必要とします。
偏った食生活などで亜鉛が不足していると、うまく細胞分裂ができず味覚障害の原因となってしまいます。亜鉛は摂取しても吸収されにくいミネラルのため、サプリを活用するのもいいでしょう。
またインスタント食品、清涼飲料水などの加工食品には「リン塩酸(Na)」「乳化剤」など、亜鉛の吸収を阻害するポリリン酸やフィチン酸が含まれている場合が多いので、便利ではありますがあまり多用しないようにしましょう。
薬の副作用が原因かも?
鎮痛剤、解熱剤、降圧剤、抗生剤、向精神薬、抗アレルギー薬、抗がん剤など、味覚障害の原因になる薬は200種類を超えると言われています。
薬の副作用で亜鉛が排出されたり、唾液が減少したりするためです。薬の服用を止めることはむずかしい場合は、かかりつけ医に相談し薬を変える、量を調整するなどの対応をしましょう。
加齢のせい?味蕾が減少・萎縮している?
味蕾は加齢とともに数が減ったり、萎縮したりします。そのため味覚障害では高齢の患者が約半数を占めており、今後も患者数の増加が予想されています。
加齢に伴う生理現象でもあるため有効な薬はありませんが、高齢者の場合、慢性的な亜鉛不足や常用する薬の副作用が原因である場合が多いようです。亜鉛製剤を服用する、常用している薬の種類や量を調整するなど医療機関で相談してみましょう。
ドライマウス(口腔乾燥症)で口の中が乾いていませんか?
ドライマウスは唾液が減少し口内が乾燥する病気ですが、唾液が少ないと味も感じにくくなってしまいます。シェーグレン症候群という病気で引き起こされることもありますが、それ以外にもいくつか原因があります。
よく噛まないことや、ストレスでの自律神経の変調によっても唾液は減少します。また降圧剤や抗うつ剤でも唾液が減ってドライマウス、味覚障害を発症してしまうことがあります。
舌の表面は大丈夫?カンジダ症かも?
舌の表面は食べかすや細菌の残骸などが堆積した「舌苔(ぜったい)」で薄く覆われています。ストレスや疲労などで舌苔が厚くなり、表面が大量の舌苔で覆われてしまうと味を感じにくくなります。
多すぎる舌苔は味覚障害だけでなく口臭の原因にもなりますので、舌専用ブラシでケアしてあげましょう。
また、舌の表面に斑点や白い苔、粘膜が赤くなるなどの口腔カンジダ症でも味覚障害になってしまうことがあります。舌の表面に異常がある場合には病院で診てもらいましょう。
鼻づまりでも味覚障害
風邪などで鼻がつまっていると臭いを感じず、味覚も感じにくくなってしまいます。この場合は嗅覚の低下で風味が感じられないだけで、味覚が低下しているわけではありません。まずは風邪を治しましょう。
稀に脳障害が原因のことも!
苦味を甘く感じてしまう、まったく味を感じない、嘔吐や頭痛を伴うなど、極端な症状の場合は脳障害が原因になっていることもあります。脳梗塞や味覚を感じる器官の異常かもしれませんので、医療機関でしっかり確認してもらってください。
原因不明のこともある!しっかり受診を
さまざまな原因で発症する味覚障害ですが、受診しても原因がわからないこともあります。原因不明でも亜鉛を摂取することで改善する場合もあるようです。
まずは原因を確認することが重要ですので、味覚検査ができる耳鼻咽喉科や味覚専門外来での受診をおすすめします。原因によって口腔外科、内科、歯科、心療内科、精神科などでの治療が必要ですので、原因に合った治療を行いましょう。
まとめ
味覚障害の原因は?原因に合った治療をしよう
最も多い原因は亜鉛不足
薬の副作用が原因かも?
加齢のせい?味蕾が減少・萎縮している?
ドライマウス(口腔乾燥症)で口の中が乾いていませんか?
舌の表面は大丈夫?カンジダ症かも?
鼻づまりでも味覚障害
稀に脳障害が原因のことも!
原因不明のこともある!しっかり受診を