「看取り」と聞いてどんなイメージを持たれるでしょうか。大切な家族の最期のときをどこでどのように見送るか、本人はもちろん、家族の思いも状況もさまざまで多様化してきています。
近年注目される「 看取り 」についてまとめました。
看取りってどういうこと?どんな形があるの?
そもそも「看取り」って何?
「看取り」とは病人や老人のそばでお世話をすること、また、その人の臨終に付き添うことを指します。家族だけに限らず、介護施設などで最期を迎える場合は「看取り介護」または単に「看取り」とも言い、最近は施設で家族とスタッフに看取られる方も増えています。
どんな看取りの形があるの?
昔は自宅で家族が最期までお世話をして見送るのが一般的でした。近年は自宅での看取りが減少し、病院をはじめ介護施設、診療所での看取りが増える傾向にあります。
病気で亡くなる場合、延命治療や緩和ケアの方法、本人や家族の意向によっても看取り場所の選択肢が変わってきます。また自宅での看取りの場合は亡くなった後のお清めも家族が行うことがあり、残された家族にも多少の心構えが必要です。
自宅での看取りは大変?
自宅での看取りは減少傾向にあります。「終末期までのお世話で家族の負担が大きい」、「容体が急変した場合に自宅では不安がある」、などが主な理由のようです。
本人が「住み慣れた我が家で最期を迎えたい」と希望する場合は、できる限り本人の希望に沿った形で最期を迎えられるよう、訪問医療や介護サービスなどを確認、検討しましょう。
定期的に医療ケアが必要な場合は訪問看護のサービスもありますので、医療機関と相談、検討してみるといいでしょう。
また亡くなった後のお清めを自分たちで行うか、葬祭業者にお願いできるかも確認しておくと、いざというときに慌てずに済みます。
一番多い!病院での看取り
日本で最も多いのは病院での看取りです。厚生労働省の調査では70%以上が病院で最期を迎えています。
容体の急変にも備えることができ、亡くなった後の処置も看護師が行ってくれるため、自宅に比べると家族の負担は少ないと言えます。現代では一般的な看取り場所と言えるでしょう。
介護施設での看取りも微増
自宅での看取りが減った分、微増傾向にあるのが介護施設です。延命治療を長くすることよりも平穏な最期を望む人が増えていること、また、介護施設の増加も一因と考えられます。
施設での看取りでは、終末期までの体や心のケアをスタッフが行ってくれること、常時医療機関への連絡体制が取れており、家族の負担が少ないこと、などがメリットとしてあげられます。
デメリットとしては、医療機関への連絡体制は取りつつも、常勤医や看護師が常駐しているわけではないため万全な医療体制とは言い切れないことがあります。
また、本人が施設での最期を望んでいても、容体が急変した際に家族が病院への搬送を望むこともあり、本人と家族の意思が異なる場合の対応が難しいのが現状です。
入所する前にあらかじめ本人の意向と施設の体制など、よく確認をしておくといいでしょう。
あらかじめ話し合っておきましょう
自分が亡くなる話はともかく、家族が亡くなる場合のことを想定して話し合うのは気が引けるかもしれません。家族の死は悲しいことですが、避けて通れない道です。先延ばしにせず、きちんと家族で話し合っておくことが大切です。
厚生労働省の調査では国民の56%がまったく話し合いをしていないことがわかっています。どのような治療を受けたいか、または受けたくないか、書面であらかじめ作成することに賛成する人は63%もいますが、実際に作成しておく人は3%しかいません。
特に病気の場合は延命治療、緩和ケアも含めてどのような最期を迎えたいかが看取りに大きくかかわってきます。本人の意思が確認できるうちに、どこでどのような最期を希望するかしっかりと考えて、家族間で共有しておきましょう。
それが本人も家族も納得できる、穏やかな看取りに繋がります。
まとめ
看取りってどういうこと?どんな形があるの?
そもそも「看取り」って何?
どんな看取りの形があるの?
自宅での看取りは大変?
一番多い!病院での看取り