水虫は皮膚科外来の10%程度といわれ、比較的一般的な病気です。 手 にあらわあれる 水虫 は医学的に手白癬(てはくせん)と称され、初期にはカサカサになったり、何となく皮膚が厚くなったような気がします。手の指の間、爪、中には指輪などの場所に菌の繁殖があります。
知っているようで意外と知らない手の水虫
手の水虫も皮膚糸状菌というカビが原因
手に関する水虫の解説をいたします。まず、水虫とはなにかというところから紐解かなくてはなりません。
一般的にいわれる水虫というと足にできる、皮膚がカサカサしポロポロと剥がれるか、患部がジクジクと湿った状態であるとか、またはそれに似た症状を示すときに使われることが多いでしょう。
それは間違いではありませんが、足に発症したそのような症状は広い意味の水虫の一例に過ぎません。足にできる場合は足白癬を原因にしたものがほとんどですが、白癬菌という菌は足以外にも感染します。
当然手にも感染するわけで、白癬菌は頭部や足や爪の間とか陰部にも症状はあらわれ、発症個所が特定の部位であるとは定めにくいのが特徴です。
白癬菌は皮膚糸状菌というカビが、人体(または動物)の皮膚の角層にとりついて繁殖していることをいいます。角層とは皮膚の空気に触れる部分です。
カビの一種ですから高温多湿という環境が大好きで、季節的には夏に症状が悪化して、冬の乾季になると比較的活動が緩慢になるという傾向があります。
日常生活にありふれた移る環境
水虫という病気は一般生活日常どこにでもある関係で、時間も場所も選ばず誰でも感染する可能性があります。
しかしその反面、移る可能性のある場所や人から遠のいていることだけで感染の確率はグッと低くなります。逆な言い方をすれば特別な予防もないといっても言い過ぎではありません。
しかしながら体の中で手という部分は常に露出しており、日常生活では使う頻度がたくさんあります。それだけに手に移らないようにするにはいくつかの注意をしなければなりません。
いうまでもなく足の水虫に感染しないことは大前提です。自分の足から感染するケースはかなりあります。
これは手だけに限ったことではありませんが、日中はよく(皮膚を)洗ったりお風呂でも念入りに洗い流すことという基本は大事なことです。
人間には手(以外の皮膚も)のバリア効果を持ち合わせています。きちんと洗えば肌本来の効果が発揮されます。
そして、最近の研究などでは白癬菌が皮膚にとりついても、およそ24時間以内に洗い流せばほとんど感染することはないということが医学的な常識になっています。
手の水虫は片手に発症する
手の水虫に関していえば誰かに移されたというケースより、自分自身の足などが原因であることが比較的多数です。
手の水虫は約8割が片手発症といわれます。つまり両手同時に感染するケースは稀だということです。片手の水虫は放置すれば両手に移り、やがては家族にも広がりかねません。初期症状ですぐに対応することは大切です。
また、手といっても手のひらばかりではなく、過去の症例をみると手の裏側から二の腕、あるいは折り曲げるときの窪みなどにも発症しています。
手の水虫の厄介なところは、すでに白癬菌が移っているのに初期では痛みやかゆみがあまり強くあらわれないというところです。
手の皮膚がカサカサしたり、若干の変色があっても単なる湿疹だとか手荒れが酷くなった程度に判断することもあります。
白癬菌の繁殖しやすい環境
手に水虫が移りにくい原因は、頻繁に洗うということがひとつあります。また足は靴下を履き靴も履きます。手は日常殆ど露出していて足の乾燥度と異なります。
しかし、お風呂のバスマットや台所の床敷きやトイレの足拭きマットには湿気が含まれていて、白癬菌が繁殖しやすい環境になっています。これらの場所を手で触れたりすると自分の足からの感染ではなく、直接的な感染原因になることもあります。
普段経験しない症状があらわれたりするときは、まず医師に診断を受けるのが賢明です。
ただし、手の水虫と診断されても原因が白癬菌ではなかったケースでは治療に誤差が生じて治らなかったり、逆に悪化したケースもありますから、自分自身でも治療の経過を注意深く見ていく必要があります。
まとめ
知っているようで意外と知らない手の水虫
手の水虫も皮膚糸状菌というカビが原因
日常生活にありふれた移る環境
手の水虫は片手に発症する
白癬菌の繁殖しやすい環境