細菌感染が原因の ものもらい には、麦粒腫、化膿性霰粒腫があります。これらのものもらいには、抗菌作用があり使いきりの 目薬 を選定します。クラビット、ガチフロ、ベガモックスなどの目薬は、麦粒腫、化膿性霰粒腫などに効果があります。
市販目薬には、サルファ剤が配合されたロート抗菌目薬、抗菌アイリス、テイアーレ抗菌目薬などがあります。
早く治したいものもらいの目薬は?
ものもらい
菌の繁殖や分泌腺のつまりでまぶたに炎症が起きたものをものもらいといいます。まぶたのフチや内側に細菌が感染して起こる急性化膿性炎症です。
このものもらいは生活習慣の見直しなどで予防することが可能で、初期治療で簡単に治癒します。一般的にものもらいの種類によって治療方法・期間が異なります。
今回は、ものもらい用の目薬についてお話します。
クラビット(主成分レボフロキサシン)、ガチフロ(ガチフロキサシン)、ベガモックス(モキシフロキサシン)などの目薬は、麦粒腫、化膿性霰粒腫、細菌性結膜炎、眼瞼炎、角膜炎などに効果がある抗菌目薬です。
これらの目薬(点眼液)は細菌感染に使用されるニューキノロン系抗菌目薬です。モキシフロキサシンは抗菌内服薬のアベロックスと同様です。同抗菌目薬の使用期間は、耐性菌の発現を防ぐため、治療上必要最小限の期間とします。
クラビット点眼液は使用頻度が高いため耐性菌が問題でしたが、抗菌剤濃度を安全範囲で最大限に高くした点眼液は高い効果が得られ、耐性菌の問題もクリアできることが示唆されています。
最近では、高濃度抗菌目薬のクラビット点眼液1.5%が発売されています。
市販の目薬で比較的多く使用されている抗菌成分にスルファメトキサゾールがあります。これはサルファ剤で、細菌のDNA合成を阻害し抗菌作用を呈します。
強い抗菌力を持ちサルファ剤が配合されたロート抗菌目薬i、角膜の乾燥を防ぐ成分も配合された抗菌アイリスa、使いきりタイプのテイアーレ抗菌目薬などがあります。
ものもらいの種類と原因・症状
ものもらいには麦粒腫、霰粒腫と化膿性霰粒腫があります。細菌(黄色ブドウ球菌など)が付着し炎症を起こしたものが麦粒腫で、マイボーム腺に油などの分泌物が溜まり炎症を起こしたものが霰粒腫です。
麦粒腫の症状は、痛みがあり、赤く腫れます。膿が溜まり、目やに、かゆみやゴロゴロとした異物感などもあらわれます。大きな炎症になると強い痛みが発現し、まぶた全体が腫れることがあります。
霰粒腫は目のこすりやアイメークで分泌腺を刺激したときなどに発現し、その症状はまぶたのふちなどに少し硬いしこりが発生するのが特徴です。
霰粒腫に細菌感染が併発したものが化膿性霰粒腫です。症状は麦粒腫と同様です。炎症を放置すると、皮膚のただれや壊死ずる場合があります。
ものもらいの治療
ものもらいの症状で、痛みや腫れが酷い、まぶたのふちなどに膿ができている、市販の目薬で症状が改善しない、症状が長引くなどの場合は受診・治療が必要です。
麦粒腫は細菌感染のため、抗生物質や抗生剤の目薬・内服薬での治療を行います。膿が溜まっている場合は切開手術が施行されるときがあります。霰粒腫は抗炎症剤の薬で治療します。化膿性霰粒腫は抗生物質や抗菌剤などが使用されます。
ものもらいの早期治癒には抗菌目薬による治療のほか、体の疲れやストレスの回避などで免疫力をあげたり、ビタミンAや発酵食品などを積極的に摂るように心がけたいものです。
クラビット点眼液1.5%
高濃度抗菌目薬クラビット点眼液1.5%の臨床試験では、ものもらいや細菌性結膜炎の原因菌(ブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌など)への有効率は100%です。
その効果は、ブドウ球菌属100(98/98)、レンサ球菌属100(10/10)、肺炎球菌100(25/25)、コリネバクテリウム100(79/79)、エンテロバクター属100(2/2)、セラチア属100(2/2)、プロテウス属100(2/2)、インフルエンザ菌100(17/17)、アクネ菌100(13/13)です。
まとめ
早く治したいものもらいの目薬は?
ものもらい
ものもらいの種類と原因・症状
ものもらいの治療
クラビット点眼液1.5%