誰にでも起こる「物忘れ」という症状ですが、頻繁に起こると心配になってきます。「年だから」と見過ごしても特に心配のないものと、実は病気が隠れている場合があります。
物忘れ が激しくなってきたら疑うべき 病気 とその対処法を知って役立てましょう。
その物忘れは危険?原因となる病気を知りましょう
物忘れはどうして起きるのでしょう?
一般的によく知られている原因は「脳の老化」です。誰にでも起こる当たり前の症状で、いわゆる「年のせい」です。
脳の老化は20代の頃から徐々に進行して行くのですが、記憶力や判断力、適応力も低下してくる年代に仕事を引退するなどして刺激が少なくなることが重なり、60代頃より物忘れが起こりやすくなります。これは、心配する必要のない物忘れです。
注意が必要な物忘れの原因としては、ストレス、睡眠不足、病気などが考えられます。人間の記憶は脳の中の海馬という部分が担当していますが、この海馬はとてもデリケートで壊れやすい性質を持っています。
酸素不足や強いストレスにさらされると細胞が死滅したり異常が出るなどして、正常な記憶を保てなくなるのです。
物忘れが激しくなってきたら疑うべき病気は?
一般的に高齢になり出現する病気としてよく知られている認知症ですが、物忘れの原因として考えられる要因のひとつです。アルツハイマー型認知症は、異常なたんぱく質が脳にたまって神経細胞が死んでしまい、脳が萎縮して起こります。海馬から萎縮が始まるため、物忘れが激しくなります。
また、脳梗塞が原因になることも考えられます。脳内の血管が詰まり、細胞が死滅することによって、ダメージを受ける場所によっては、一気に物忘れが激しくなります。認知症よりも急激に物忘れ症状が進むのが一般的です。
うつ病により、物忘れが激しくなる場合もあります。うつ病は脳の働きが低下する病気なので、思考停止を起こしたり、記憶障害が発現したりします。また抗うつ剤などの薬による副作用で頭がぼーっとする症状が出ることがあり、物忘れにつながります。
特徴的な物忘れは認知症のサインの可能性
物忘れは誰にでもある症状ですが、認知症になるとその物忘れにも特徴が現れます。最近物忘れが激しくなったと思う場合は、次の点に注意してみてください。
- 同じ話を何度も話すようになった。(同じ会話の中で2度3度と繰り返す)
- 同じ話を何度も聞き返すようになった。( 〃 )
- 今、切った電話の相手がわからなくなった。また話の内容を覚えていない。
- 財布や鍵、通帳といった大事なものをどこにしまったかわからなくなった。またそれを誰かが盗ったと思い込むことがある。
- 約束をしたことを忘れている(時間や日にちの間違いだけでなく、約束したことそのものを忘れている)
- よく知っている家族や友人の名前を忘れている。
物忘れは海馬という記憶の引き出しからうまく記憶を取り出せない状態ですが、認知症になると、その海馬の引き出しにそもそも記憶が入っていない状態になります。
ですから、つい先ほどの会話や出来事を覚えていなかったりすることが出てきます。上記のような症状があれば、早い受診をおすすめします。
物忘れが気になる場合の病院受診は何科が適当?
正常な物忘れ(脳の老化)の場合は心配も受診も必要ありません。人間の体にとって当たり前の状態だからです。
同じことを何度も繰り返し尋ねたり、言ったりするとか置き忘れやしまい忘れが増え、またそれを盗られたと騒いだりするようなことがあれば、病気を疑う必要があります。認知症の場合は早期発見、早期治療で進行を遅らせることが可能なので、気づいたタイミングで受診をするのが大切です。
受診する科としては、脳神経外科・神経科・神経内科などが一般的です。
病院によっては物忘れ外来や老年科といった専門性の高い科がある場合もあります。ただし、予約制になっていることが多いため、事前に電話問い合わせをすると良いでしょう。
また、近くにそういった診療科がない場合やわからない場合は、住んでいる地域の保健所や保健センターに問い合わせると対応してくれます。
気になりだしたら早期に受診し、ストレスなく安心して生活することが物忘れ防止にもつながります。
まとめ
その物忘れは危険?原因となる病気を知りましょう
物忘れはどうして起きるのでしょう?
物忘れが激しくなってきたら疑うべき病気は?
特徴的な物忘れは認知症のサインの可能性
物忘れが気になる場合の病院受診は何科が適当?