高齢になると、認知症という病気にかかるリスクがだんだんと高くなっていきます。それでは認知症という病気になり、さらに他の病気にかかった際のケアにかかるさまざまな費用の中で、聞きなれない「 認知症ケア加算 」という費用について、読み解いていきたいと思います。
認知症ケア加算とは、どういう加算でしょうか?
認知症になったら・・・
認知症という病気になると、通常の生活を送る上で、さまざまな支障をきたすことになります。
物忘れなどに例えられますが、代表的な認知症の症状をあげると、何度も同じ話を繰り返す、自分がいる場所が解らなくなり、やみくもにどこかへ行こうとして歩き回る「徘徊」、近親者に「お金を盗られた」や「物を盗られた」などと思い込む「被害妄想」など。
さらに重度化すれば、自分が誰なのか、ここがどこなのか、身内の名前なども忘れ、食事の仕方や排泄の仕方まで忘れてしまい、日常生活を正常に送ることは困難になってしまいます。
どういうケアが必要なのか?
認知症はとても特異な症状であり、健常者には思いもよらない行動で周りを翻弄してしまいますので、専門家による特別なケアが必要になります。専門家の職種としては、医師、看護師、介護士などが代表としてあげられます。
ケアの内容としては、認知症の症状に深く理解がある専門職により、伝えたい事が正確に言葉にできない方の症状や不安などを洞察して寄り添う事ができ、ゆったりとした対応で決して本人を否定するようなことをしない、言わないといったケアが必要になります。
認知症ケア加算とは、どういう目的の加算なのか?
主に、入院した際に、その主な費用とは別に「加算」として付いてくるのが「認知症ケア加算」です。
基本的な考え方として、身体疾患の為に入院した認知症患者に対する病棟における対応力、(主にコミュニケーション方法など)とケアの質の向上を図る為、病棟での取組や多職種チーム(医師、看護師、精神保健衛生士など)による介入を評価する、といったケアが実施された場合に、認知症ケア加算が加算されます。
「認知症ケア加算」の利点
認知症の対応は、間違ってしまうと症状を悪化させてしまう危険性があります。
認知症の知識を要した多職種の専門職が適切なケアを行うと、症状の緩和や、進行を遅らせることも可能であるとされる為、重度化の予防や、患者の疾患の早期治療の為に位置付けられている加算となります。
(例えば、自分の症状を正確に医師に伝えられない認知症の患者の訴えを読み取り、症状の把握をするなどの知識を要した医師や看護師が常駐しているなど。)
さらに加算を取る為にはさまざまな基準や要件が設けられており、誰でも取れるという訳ではなく、一定の条件を満たした病院ではないと加算の取得はできません。
ですので、費用の請求時に認知症ケア加算と明細書などに記載されている場合は、認知症専門のケアを行なっているという事になります。
認知症ケア加算にかかる費用は?
認知症ケア加算は4種類あります。
認知症ケア加算1イでは、14日以内の期間の入院で1日あたり150円の加算となります。15日以上になれば認知症ケア加算1ロと種類が変わり1日あたり30円の加算になります。
認知症ケア加算2イは、14日以内の期間の入院で1日あたり30円、認知症ケア加算2ロは、15日以上で1あたり10円の加算額となっています。
加算をつける為の算定の条件が厳しいほど高額になりますが、その分、退院後の必要なケアについて患者の家族を交えて支援の方法を検討するなど、内容も手厚くなります。
まとめ
認知症ケア加算とは、どういう加算でしょうか?
認知症になったら・・・
どういうケアが必要なのか?
認知症ケア加算とは、どういう目的の加算なのか?
「認知症ケア加算」の利点。
認知症ケア加算にかかる費用は?