認知症カフェってご存知ですか?認知症という言葉は知られていても、認知症の方を取り巻く環境についてはあまり知られていません。認知症カフェは、認知症の方だけのものではないようです。
今話題の 認知症 カフェ とは、一体どのようなものでしょうか?
認知症カフェってどんなところ?
日本で認知症カフェが出来たいきさつ
1997年認知症対策の先進国・オランダで導入されたアルツハイマーカフェ。オランダ国内では、200ヶ所以上もあります。オランダのアルツハイマーカフェがなぜ日本で取り入れられるようになったのでしょうか?
それは、2005年に発足された「オレンジプラン」に関係があります。オレンジプランとは、厚生労働省がすすめている「認知症施策推進5か年計画(平成25年~29年計画」」の愛称です。
認知症は、65歳以上の方で4人に1人発症するといわれています。団塊の世代が高齢者になるので、その数は爆発的に増加します。すでに社会問題になっている認知症に対して厚生労働省があらゆる面での対策をたてたのがオレンジプランです。
内容は、認知症の早期発見の推進、医療・介護サービスの人材育成などありますが、その中に「地域での日常生活・家族支援の強化」があります。その一環となるのが認知症カフェです。
普通のカフェとどう違うの?
認知症カフェは、店舗営業ではなく介護関係施設が月数回ペースで行うカフェです。訪れるのは認知症の方とその家族、サポートしてくれる地域住民の方、介護関係者です。
カフェですから、お茶と軽食を楽しめます。カフェの形態は運営方針によって異なりますが、認知症の方がカフェの作業に参加するところもあります。もちろん、作業にはサポートがついています。
喫茶ができる場所はたくさんあるのに、どうして認知症カフェが必要なのでしょうか?それは、認知症の方とその家族の方が認知症カフェに来ることには、理由と目的があるのです。
認知症に理解のある場所が出来た!
通常、認知症の方の外出には付き添い、見守りが必要になります。認知症の方の言動は、ときに他人の目をあつめてしまいます。家族の方は、その他人の目を気にしてしまいます。認知症に理解のない方の言葉に、認知症の方も家族の方も傷ついてしまうこともあります。
認知症の方の付き添いは体力、気力の必要な介護であり、家族の方はとても疲れます。そうなると外出を控えがちになってしまいます。それは当人にも家族の方にも良いことではありません。
認知症カフェはその名のとおり、認知症に理解のある場所です。認知症カフェでは、家族の方が気になる他人の目は、「見守る目」になるのです。
認知症の方も、その家族の方を支援する場所、双方へのサポートを掲げた場所は今までありませんでした。相談窓口はありましたが、認知症の家族の方が悩みを相談するときは、かなり行き詰まった場合が多いのです。
安心して外出ができる場所、家族が認知症であることが、オープンにできる場所が認知症カフェなのです。上に介護職の人に日常会話のながれで相談ができるというのは、とても有意義な支援なのです。
認知症への理解と支援を身近なものに
認知症になっても今まで慣れ親しんだ場所で暮らしたい。認知症になった方はそう思っています。一昔前は、認知症になると施設に入所というイメージがありますが環境、生活を変えることは、混乱を起こし認知症が進んでしまう場合もあります。
そもそも介護は、施設に入ったらそれで終わりではありません。そして今の段階で、その施設が圧倒的に足りません。さまざまな状況や今後の予測から、高齢者になるほとんどの方は在宅介護にならざるを得ないのです。そうなると、地域で行う認知症への支援・対策が必要になったのです。
認知症は、誰もがなる可能性があります。けれど早期発見が出来るのです。認知症を治すことはできませんが、進行を遅らせることは可能です。
認知症について地域の人の理解は、「手厚いサポートで共に暮らす地域社会=安心できる老後」になっていくことが理想であり、今後の認知症の方の増加を考えると必要なことなのです。認知症カフェは、その役割を大きく担っています。
まとめ
認知症カフェってどんなところ?
日本で認知症カフェが出来たいきさつ
普通のカフェとどう違うの?
認知症に理解のある場所が出来た!
認知症の方とその家族の方に必要な支援
認知症への理解と支援を身近なものに