自分の親、身内が認知症になってしまったら介護生活は大変です。そして認知症介護の悩みが引き起こす問題は深刻です。そのため認知症について、国をあげて対策がなされています。その中で「認知症ケアパス」があります。
今回は、「 認知症 ケアパス 」についてご紹介します。
困ったときの糸口に。「認知症ケアパス」をご存知ですか?
認知症ケアパスの意味とは?
ケアパスは、簡単に言うと「仕組み」です。認知症ケアパスは認知症の方を中心におき、医療、地域、介護が連携している仕組みを表しています。
インターネットで「お住まいの市区町村 認知症ケアパス」と検索すれば、該当する市区町村が打ち出しているケアパスがみつかります。区役所の福祉課などでは、パンフレットにして配布しています。
認知症ケアパスがなぜ必要なのか?
ケアパスができる前、介護する方は相談先もわからない、この認知症の症状だとどこが利用できる?どんな施設が自分の住む地域にあるのか?質問するにしても自分で調べないことにはわからなかったのです。介護を始めると生活がかわります。介護者に方そのような時間や余裕がないのが現実です。
認知症と診断されてから、本人はもちろん、介護にあたる家族の方は大変な毎日が始まります。誰もが認知症介護の仕組みに詳しいわけではありません。介護関係者でもない人からすれば何からすればいいのかわからないのが当然です。
それを解消するためにできたのが「認知症ケアパス」なのです。お住まいの地域の認知症の介護に取り組む組織図がわかりやすく図解されています。
認知症ケアパスに書かれていることは?
認知症ケアパスの目的の1つに、「連携」があります。認知症の介護生活には、大きく分けて「医療」「介護サービス」「地域」が係わっています。それらを連携させることにより、安心、安全な介護生活が実現できます。
2015年に策定した、新オレンジプランでも認知症を含む介護は、家族だけでなく地域で取り組む流れになっています。
「医療」では、その地域で受けられる医療機関を目的別に示しています。たとえば、「かかりつけ医」「認知症専門医・認知症サポート医」は区別されています。「訪問看護、訪問歯科、往診」もあります。
「介護サービス」では、「訪問介護」「各種ホーム」「認知症対応デイサービス、デイケア」他など、介護生活で利用できる事柄が示されています。
「地域」では、「民生委員」「認知症サポーター」「認知症カフェ」「老人福祉センター」が示されています。
2000年に介護保険が施行された当時も、各機関との連携の必要は言われていましたが、現実は、今ほど充実したものではありませんでした。認知症ケアパスの図解により、認知症になった場合に利用できることが一目瞭然でわかるのです。そのことによって連携ができます。
ケアパスは、困ったことの解消する糸口
例えば、自分の親に認知症の傾向が出たとします。認知症は、完治しませんが早期診断により投薬、指導により進行を遅らせる対応ができます。お住まいの地域の認知症ケアパスをみると、認知症専門医の存在がわかります。
高齢の方には、かかりつけの病院があり厚い信頼や義理固さがあります。かかりつけ医で認知症の診断ができないわけではありませんが、認知症の専門医ではない場合が多いのです。
この先、認知症に対しての治療を考えると専門医の受診・診断をおすすめします。医療機関の使い分けが必要であるとわかります。
病院のつきそいを例にあげます。つきそいは、ほぼ半日かかります。それまで介護する人が、仕事を休んでつきそい受診していました。ケアパスが示す医療機関では、訪問歯科、訪問看護、往診ができます。
訪問介護を利用していれば、ヘルパーによる病院のつきそいも介護計画に加えてもらえます。できることを知ることで、介護のために仕事を休むことが減るのです。これは、介護をする人にとって大切なことです。
「こんなこと頼めるのだろうか?」の答えの糸口をケアパスは、示してくれるのです。
認知症ケアパスの活用への期待
日本で介護保険が施行されてから、はや十数年経過します。昔、認知症は痴呆症と言われ、施設も今のようにない時代は、自宅で妻や、子の配偶者である女性が介護するのが当たり前でした。今は、女性も仕事を持つことが多く家族だけで介護する時代ではありません。
認知症に限りませんが介護と社会背景は深く関係しています。
わからないことがわかる、何ができるかわかりやすくなることで、介護の負担を軽減できることは大きな進歩です。ケアパスは、介護サービスの充実をはかり変化していきます。認知症ケアパスは、今後の認知症・在宅介護の行方を左右するともいわれています。
まとめ
困ったときの糸口に。「認知症ケアパス」をご存知ですか?
認知症ケアパスの意味とは?
認知症ケアパスがなぜ必要なのか?
認知症ケアパスに書かれていることは
ケアパスは、困ったことの解消する糸口
認知症ケアパスの活用への期待