認知症と聞くと1度発症してしまったら、なかなか治療法がないイメージを持っている方も多いかもしれません。アルツハイマー型認知症は認知症の代表的な1つの病気ですが、未だに原因も特定されていないため、これといった治療方法が確立されていません。
しかし症状を遅らせるための認知症薬は増えてきています。今回は 認知症 の代表的な4つの 薬 、というテーマでお伝えいたします。
認知症の代表的な4つの薬
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認知症ってなに?
認知症とは、日常生活を過ごすために必要なあらゆる能力が低下してしまう病気です。脳機能が低下することで、記憶障害・言語障害・身体障害など様々な障害を患ってしまいます。
認知症といっても原因や症状によりアルツハイマー型認知症・レビー小体型認知症・脳血管性認知症など種類が分かれることも特徴です。
最も患者数が多くポピュラーな病気はアルツハイマー型認知症で、認知症の中でも6割以上を占めています。
アルツハイマー病で最も利用される!アリセプト
アリセプトはエーザイ株式会社によって開発・販売が行われているアルツハイマー型認知症とレビー小体型認知症の症状緩和を目的にした薬です。認知症の治療薬としては歴史ある薬であり、国内外で広く利用されています。
1999年に発売開始されたときに適応されていたのはアルツハイマー型認知症のみだったアリセプトですが、臨床試験によりレビー小体型認知症にも効果があると認められました。これにより、2014年からアリセプトはレビー小体型認知症にも適用され始めました。
中度以上のアルツハイマーに!メマリー
メマリーは第一三共株式会社により開発が行われ、2011年から販売が行われています。中度以上のアルツハイマー病の症状緩和をする薬です。
メマリーの特徴は、脳内に異常に発生しているグルタミン酸の放出を減らすことにあります。これにより脳神経細胞の損傷を抑えることが可能になります。
同じ認知症の薬でもアリセプトとは効能は異なるため、アリセプトとメマリーは併用することもできます。
アセチルコリンを分解!レミニール
レミニールはヤンセンファーマ株式会社により開発・販売が行われているアルツハイマー型認知症向けの治療薬です。
アルツハイマー型認知症が悪化する1つの原因は、思考や記憶に関わるアセチルコリン系の神経の機能低下により起こります。レミニールは脳内におけるアセチルコリンを増やすため、アセチルコリンエステラーゼの役割を阻害するための薬として利用されています。
そして神経の働きを高めるためにアセチルコリン受容体は、アロステリック部位と結合していきます。こうした機能でアルツハイマー型認知症の記憶能力や判断力の低下を防ぐのがレミニールです。
アルツハイマー型認知症向け貼り薬!リバスタッチパッチ・イクセロンパッチ
リバスタッチパッチ・イクセロンパッチは、貼り薬として利用されているアルツハイマー型認知症向けの治療薬です。ノバルティスファーマ株式会社により販売が行われています。
認知症患者さんの1つの問題は、飲み込む力が衰えてしまっている人・飲み薬を吐き出してしまう人・薬を飲むこと自体に抵抗がある人がいることです。リバスタッチパッチ・イクセロンパッチは飲み薬の問題をクリアすることに成功した貼り薬です。
レミニールと同様に、アセチルコリンを増やすことで認知機能低下を防ぐことを目的にした治療薬です。アセチルコリンを分解する、アセチルコリンエステラーゼを阻害することによりアセチルコリンを増やし、認知機能の低下を防ぎます。
まとめ
認知症の代表的な4つの薬
認知症ってなに?
アルツハイマー病で最も利用される!アリセプト
中度以上のアルツハイマーに!メマリー
アセチルコリンを分解!レミニール
アルツハイマー型認知症向け貼り薬!リバスタッチパッチ・イクセロンパッチ