認知症の症状は、それまでの日常生活を変えてしまいます。生きていくのに栄養を取るためだけではなく生活の楽しみである食事も変わっていくようです。認知症を疑うきっかけに食事の変化がみられる場合があります。
認知症 と 食事 の関係はどのようなものでしょうか。
認知症になると食事も変わる?
認知症が引き起こす食事の障害
認知症は、代表的なものに記憶障害がありますが、さまざまな障害を起こします。言葉が理解できなくなる失語、意味ある動作ができない失行、ものが認識できない失認、計画を立てて作業する実行機能の障害があります。
認知症で食事に関係する障害は、意味ある動作ができない失行、ものが認識できない失認、計画を立てて作業する実行機能の障害が当てはまります。物忘れだけが認知症の症状ではないのです。
食事は、毎日行うものです。認知症になると目立って気になる行動をおこします。その行動とはどのようなものでしょうか。
認知症になると食べ過ぎる?
認知症の方の食事で、よく言われるのが日に何度も食事をすることです。これは、食べたかどうかわからなくなる記憶障害です。認知症でない方は、食べたかどうかわからない場合ということはありませんが、お腹のすき具合で判断します。
認知症の方は食べたかどうかわからなければ、とりあえず食べるという選択をします。そのとりあえず食べてしまうことで「過食」になってしまうのです。過食から、周囲の方が認知症を疑うきっかけになることがあります。
過食は健康上よくないことです。認知症になる高齢者の方に持病がある場合に過食は病気の悪化にもつながります。
食事に関する認知症の症状は「過食」だけではありません。「食べなくなる」こともあります。食事の拒否です。食事の拒否にはその影に理由があります。
例えば服用している薬の副作用、口腔内のトラブルの場合があります。噛んで飲み込む動作を理解できなくなる。認知症になったからといって何もわからないことはなく、食事で嫌な思いをしたことも食べなくなる理由になります。
認知症の方でない場合は自ら説明し、なんらかの意思表示できますが認知症になるとそれが困難になるのです。そのため周囲が原因を探る必要があります。認知症が進めば、食べ物であることが認識できずに飲み込まない場合もあります。
あっと言う間に食べてしまう
認知症になると、食事のスピードが変わります。昔より早食いになる傾向があります。自分に合った一口の大きさもわからなくなり早食いをするので、のどが詰まりやすくなる食事の仕方です。
早食いは、咀嚼(そしゃく・かみくだくこと)が十分でないため飲み込みづらく誤嚥(ごえん)をおこします。誤嚥するとむせこみます。むせこむと本来喉から食道機能に行くはずの食物が肺に行ってしまいます。誤嚥性肺炎は、咳をしても気道に入った食べ物を排除できなくておこります。
食べ物を認識できなくなると、食べ物でないものを口にします。この状態を「異食(いしょく)」この辺になるとかなり認知症が進んでいます。
食事の用意ができないときは?
何十年も料理をしてきた女性が認知症になると、計画を立てて作業する実行機能障害により料理ができなくなることがあります。
料理をしようと台所に立っても、何をしたらいいかわからなくなるのです。今までずっと使ってきた調理器具を見ても使い方、そのもの自体がわからなくなるのです。料理の途中で料理をしていることを忘れてしまうこともあります。
たとえばお鍋を火にかけっぱなしにしてしまう。そのため火事をおこしてしまいます。
食事が満足にできないことは、とてもショックなことです。とはいっても、急にできる事をふくむすべてのことまで取り上げてしまうこと良くありません。症状におうじて今出来ないことを助けて、今、本人にできることをしていくことが大事です。
まとめ
認知症になると食事も変わる?
認知症が引き起こす食事の障害
認知症になると食べ過ぎる?
あっと言う間に食べてしまう
食事の用意ができないときは?