認知症には様々な型があります。脳は其々の部位で司っている事が異なる為、一言で認知症と言っても、型によって症状や進行の仕方が異なります。今回は 脳血管性認知症 の特徴として、進行の仕方・なり難くする予防法等についてお話しします。
脳血管性認知症の特徴
脳血管性認知症の発症の仕方
脳血管性認知症は脳梗塞や脳出血、くも膜下出血といった脳血管障害、いわゆる脳卒中に代表する、脳の血管に関わる大病の後遺症として現れます。これらの疾患は脳の血管に多大なダメージを与え、周辺部位が壊死します。それにより、脳が萎縮したのと同様の状況が生まれる為です。
脳血管性認知症の進行の仕方
他の型の認知症と比較して、脳血管性認知症の進行の仕方で特異的なのは、同じ状態が続いた後に一気に進行し、又同じ状態が続くという点です。この一気に進行する時は脳内でラクナ梗塞等の梗塞が起こっています。
新たな梗塞が起こる事で進行する為、緩徐ではなく一気に進行するのです。縦線が認知や日常生活動作上の自立度・横線が時間の経過の折れ線グラフで描くと、階段状になっています。因みに、これがアルツハイマー型の場合は緩徐な右肩下がりの線を描きます。
脳血管性認知症の予防
脳血管性認知症は発症の仕方の特性上、脳血管障害を予防する事で発症を防ぐ事になります。加齢とそれに伴う動脈硬化が非常に危険ですが、老化現象は残念ながら、自然の摂理で防ぎようがなく致し方がありません。
しかし、この2つ以外の危険因子を極力避ける事で、リスクヘッジをするのとしないのとでは予防の可否に大きな影響を及ぼします。そこで具体的には、どの様な事を避ければ良いのか書いておきます。
喫煙、多量の飲酒・高血圧・ストレス等が最も身近な危険因子ですが、どれをとっても普段の生活習慣や食生活を改める事で危険因子を避ける、或いはある程度減らす事が可能なものばかりです。
どんな人に多い病気か
脳血管性認知症は女性よりも男性に多いです。これは現在の高齢者の方が働き盛りだった頃の社会的背景も関係してきます。男女で比較すると喫煙は男性の方が人目も厳しくなく、飲酒についても同様で、加えて上司や取引先を相手にした仕事関係で勧められれば断り切れずに飲まざるを得ない事もあったでしょう。
営業等の外回りの場合は昼食も外食となり、内勤でも家から昼食を持参していなければ、コンビニ弁当や外食となり、塩分の過剰摂取が積み重なります。
因みにアルツハイマー型認知症と比較すると、逆で男性の方が少なく女性の方が多いです。
脳血管性認知症と伴う可能性が高い症状
発症の仕方でも書きましたが脳血管性認知症は脳血管障害によって引き起こされます。その為脳血管障害の後遺症が伴っている例が珍しくありません。後々のリハビリテーションによって軽快するものもあれば、機能的に不可逆性の症状であるものもあり、伴う症状の予後は様々です。
では、具体的にはどのような症状が伴う事が多いのかを少し書いておきます。
麻痺、失語症、視空間失認が代表例です。右半身或いは左半身、若しくは上半身のみ、下半身のみの麻痺を片麻痺といいますが、自身で動かせなくなります。
力が入らず重力に逆らう事が出来ない為、垂れた様に見えます。中には不完全麻痺といい、健常ではないものの麻痺とまではいかないという方もいらっしゃいます。
失語症には2種類あり、脳血管障害によって脳の運動野が障害された事による失語症の場合、周囲の言っている事は理解できる失語症になります。
対して言語野が障害されたことによる失語症の場合は、周囲の言っている事も理解出来ない失語症になる為、この場合は意志疎通が無理、或いは非常に困難になります。
視空間失認とは視覚に障害が無いにも関わらず、目で見た対象物を見る事は出来ていますが、認知出来なくなる症状です。
これらは脳血管性認知症に限った症状ではありませんが、発症の特性上脳血管性認知症に伴いやすいです。
まとめ
脳血管性認知症の特徴
脳血管性認知症の発症の仕方
脳血管性認知症の進行の仕方
脳血管性認知症の予防
どんな人に多い病気か
脳血管性認知症と伴う可能性が高い症状