脳卒中の中でも7割を占めると言われている脳梗塞ですが、主に動脈硬化による血管の詰まりから発症することの多い疾患です。血管が詰まると、それより先に血液が流れなくなり酸素や栄養を運べず、その部位の脳組織が壊死しまうことから手足の麻痺や言語障害などがあらわれます。
とても恐ろしい疾患ですが、今回は 脳梗塞 を 予防 する方法をご紹介します。
脳梗塞の予防をしましょう
脳梗塞の種類
脳梗塞は、「アテローム血栓性脳梗塞」や「心原性脳梗塞」、「ラクナ梗塞」と3種類にわけることができます。近年、脳梗塞の予防的立場から、また脳梗塞の迅速な治療のため、脳梗塞を3つに分類することが多くなりました。
現代の日本では、以前はラクナ梗塞が全体の約半数を占めていたのに対し、アテローム血栓性脳梗塞や心原性脳梗塞が増え始めている傾向がみられます。
アテローム血栓性脳梗塞
加齢や高血圧、糖尿病、脂質異常症、肥満、喫煙などにより脳や頸部の太い血管に動脈硬化が起こり、血流が悪くなる、血管が詰まる、または血栓がはがれ流れてゆき脳の先端の血管が詰まってしまう状態です。
心原性脳梗塞(しんげんせいのうこうそく)
心疾患、主に心房細動(しんぼうさいどう)や心臓弁膜症(しんぞうべんまくしょう)、心筋梗塞(しんきんこうそく)を患っている場合、心臓のなかに血栓が形成されやすいという特徴があります。その血栓が血流にのって流れ、脳の血管で詰まってしまう状態です。
ラクナ梗塞
主に加齢や高血圧などが原因となり脳の深部にある細い動脈が詰まってしまうことにより起きる小さな脳梗塞です。大きいな発作はありませんが、感覚障害やしびれなどの症状は少しずつ進行してゆきます。
また、ラクナ梗塞では梗塞する部分が小さいことから症状があらわれない場合もあります。そのため「隠れ脳梗塞」とも呼ばれます。小さな脳梗塞が脳のいろいろなところに発生し、症状が進行してゆきます。これを「多発性脳梗塞」と言います。
生活習慣を見直す
脳梗塞の主な原因は動脈硬化です。その動脈硬化の危険因子である高血圧や糖尿病、脂質異常症がある場合は、医師による適切な治療を受けることが大切です。また、心臓に疾患がある場合も、血栓ができやすいという特徴を持つためきちんと治療を受けましょう。
適切な食生活を心がけ、適度な運動を行うことにより体重の増加を防ぐこともできます。脳梗塞は、生活習慣病と呼ばれ、運動や食生活の改善により予防をはかることのできる疾患です。
青魚を食べよう
脳梗塞の予防には青魚が一番です。魚の油にはEPA(エイコサペンタエン酸)が含まれます。EPAには、コレステロールや中性脂肪を減らす作用があり、動脈硬化の予防を期待することができます。
また、魚の油にはDHA(ドコサヘキサエン酸)が含まれ、同様にコレステロールや中性脂肪を減らす作用があります。さらに、DHAには、学習能力や情報伝達能力を含む脳機能の改善に役立つことは昔から知られていますが、物忘れを予防する効果も期待できます。
EPAやDHAを多く含む青魚は、マグロやサンマ、イワシ、ブリ、サバなどがあげられます。
その他、魚介類や動物の内臓に多く含むタウリンにも血圧やコレステロールを下げる作用があります。タウリンを多く含む食物には、アサリやカキ、アワビ、タコ、ズワイガニ、するめイカなどがあげられます。
魚介類は、動脈硬化の危険因子となる高血圧や脂質異常症に良いと言われる成分を多く含む食材ですので積極的に食すと良いでしょう。
血液をサラサラにする
ドロドロした血液ですと血の固まり(血栓)を形成しやすいので、血液をなるべくサラサラな状態にすることが望ましいです。
血液をサラサラにする作用のある食材には、青魚に含まれるEPAや梅やレモンに含まれるクエン酸があげられます。また、納豆に含まれる納豆キナーゼという酵素は血栓を溶かし、血液をサラサラな状態にする作用があります。
その他、夏の暑い日には、脱水になりやすく血液が濃くなりドロドロしてしまいますので、血の固まり(血栓)が形成されにくいよう、こまめな水分補給を心がけましょう。
まとめ
脳梗塞の予防をしましょう
脳梗塞の種類
アテローム血栓性脳梗塞
心原性脳梗塞(しんげんせいのうこうそく)
ラクナ梗塞
生活習慣を見直す
青魚を食べよう
血液をサラサラにする