血管性疾患の中でも最も多く認められる疾患は脳梗塞です。脳梗塞とは、脳内の血管がつまる、または脳内の血流が滞る神経症状です。脳内の血流が滞ることにより脳組織が壊死してしまいます。すると壊死した部位により麻痺や障害があらわれます。
脳梗塞は早期発見により発症を食い止めることのできる疾患ですので、 脳梗塞 の 前兆 を見逃さないようにしましょう。
早期発見が重要 脳梗塞の前兆症状
脳梗塞(のうこうそく)とは
脳梗塞とは脳の血管が詰まる、または何らかの原因により脳の血のめぐりが低下し、脳組織に必要な酸素や栄養がいきわたらず脳組織が壊死(梗塞)してしまう状態をあらわします。一般的に発症から3時間~6時間を経て脳組織が壊死すると言われています。
脳梗塞は、血栓といわれる血液のかたまりが脳内の血管でつまることにより発生します。前兆症状として、一過性脳虚血発作があらわれるケースもありますので、前兆症状があらわれた場合には、速やかに医療機関を受診し治療を開始しましょう。
一過性脳虚血発作(いっかせいのうきょけつほっさ)
脳内の血流の流れが悪くなる脳虚血(のうきょけつ)状態に陥ることにより、さまざまな神経症状が発現します。数分~24時間以内に症状は消失すますが、その後脳梗塞に移行する確率が非常に高いことから注意が必要です。
最も多いケースは20分以内に症状が回復するケースです。すぐに良くなったからと放置しないことが大切です。一過性脳虚血発作は、脳梗塞をおこす警告症状でもありますので注意しましょう。
運動障害
- 体の片方の手足に麻痺があらわれる
- 顔に麻痺があらわれる
- 突然手の力が抜け、持っている物を落とす
感覚障害
- 片方の手足がしびれる
- 片方の手足の感じ方が鈍くなる
言語障害
- 呂律がまわらない
- 考えても、言葉が出てこない
- 聞こえているのに言葉の意味がわからなくなることがある
平衡障害
- まっすぐ歩くことができない
- 立つことや歩くことができない
一過性黒内障(いっかいせいこくないしょう)
- 片方の目がみえにくくなる
- 片方の目が突然見えなくなる
同名性半盲(どうめいせいはんもう)
- 両目とも視野の半分が欠ける
嚥下障害(えんげしょうがい)
- 食べ物や水が飲み込みにくい
- むせやすい
一過性脳虚血発作以外の前兆症状
一過性脳虚血発作の症状があらわれていない場合でも、何かおかしいと感じる前兆症状があります。多くは、運動障害、感覚障害、言語障害、平衡障害、視野障害、嚥下障害に関わるものです。以下の症状があらわれます。
- 前触れもなく頭痛や肩こりが起こる
- 何もない場所でつまずく、足がもつれる
- 指先がうまく使えず、字が下手になる
- 簡単な計算ができなくなる
- 記憶が飛ぶ
- 物忘れをする
- 意識が遠くなる
- 呂律が回らなくなる
- 顔や唇、手足がしびれる
- 食べ物が飲み込みづらい
- 物が二重に見える、視野が欠ける
前兆症状があらわれたら?
脳内の血管がつまっている時間が短ければ、まだ脳は壊死していません。ですので、血流の再開とともに症状も消失します。
ですが、病院へ行かず症状を放置してしまうと脳梗塞の発作を起こす可能性が非常に高くなります。一過性脳虚血発作を起こした場合は、できるだけ早く神経内科か脳神経外科を受診し適切な治療を受けましょう。
また、一過性脳虚血発作ではなくとも、突然の頭痛を感じた場合や体や顔にしびれやふるえを感じた場合にもすぐに医療機関を受診するようにしましょう。
80歳を超える方の15%が「隠れ脳梗塞」と言われています。「いつもと何か違う。」と、感覚に異常を感じたら、それは発作の前触れかもしれません。
まとめ
早期発見が重要 脳梗塞の前兆症状
脳梗塞(のうこうそく)とは
一過性脳虚血発作(いっかせいのうきょけつほっさ)
一過性脳虚血発作以外の前兆症状
前兆症状があらわれたら?