脳卒中は現代の日本人に多く見られる病気の一つです。また、後遺症が残ることも多く、その後の人生が大きく左右されてしまう病気です。今回はそんな恐ろしい 脳卒中 の 前兆 について知ることで発症を未然に防ぐ方法をお伝えしたいと思います。
甘く見ると怖い!脳卒中の前兆
脳卒中とは?
「脳卒中」にはいくつか種類があり、大きく脳梗塞と脳出血に分けられます。
簡単に説明すると脳梗塞は脳の血管が詰まる病気であり、脳出血は脳の血管が破ける病気です。どちらの病気も脳の血管が障害される病気であり、脳梗塞でも、脳出血でも起こる症状はほとんど同様です。
脳卒中の後遺症の症状は様々であり、多くの患者が後遺症を持ちながら日常生活を送っておりベッド上で寝たきりになることもあります。
脳卒中の前兆
脳卒中の前兆は特に脳梗塞で起こりやすく、その前兆のことを一過性脳虚血発作(TIA)といいます。
脳梗塞患者の3~4割程度はこの一過性脳虚血発作を脳梗塞発症前に経験しているそうです。
脳卒中の前兆、一過性脳虚血発作とは?
脳に栄養を送る血管が一時的に血栓などにより詰まることで脳梗塞と同様の症状が現れますが、その血栓が解けて血管が開通することにより症状は消失します。
多くは数秒から30分程度で症状は消失する場合が多いとされています。すぐに症状が消失してしまうため、気にも留めない人が多く病院を受診する人も少ないようです。
しかし、先ほどもお話ししたように脳梗塞の前兆として一過性脳虚血発作が起こることがあるため早急に専門の病院を受診する必要があります。
よく起こる症状
それでは、一過性脳虚血発作で起こりやすい症状を以下に説明します。これらすべての症状が同時に起こるわけではなく、単独で起こることや、いくつかの症状が同時に起こることがあります。
体の左右どちらかが動きにくくなります
例えば右足に力が突然入りにくくなり倒れそうになることがあります。右手で箸を使おうとしたら落としてしまうなど症状が見られることもあります。
しゃべりにくくなります
ろれつが回らず言葉がはっきりしゃべりにくくなります。また言いたい言葉がなかなか出なくなることもあります。
目が見えにくくなることや、目が回ることがあります
片方の目が見えにくくなることや、視野が狭くなること、ぐるぐると目が回ることがあります。
体の左右どちらかがしびれる、感覚が鈍くなります
体の左右どちらかがしびれる感覚があったり、手袋をはめているように触っているものの感触がわかりにくくなったりすることがあります。
上記のような症状がよく見られる症状です。違う病気であっても似たような症状を呈することはあるようです。しかし、このような症状が複合的に起これば一過性脳虚血発作の可能性が高くなりますので注意が必要です。
一過性脳虚血発作と思ったら・・・・。
一過性脳虚血発作かもと思った場合、脳神経外科、神経内科が初診には適しています。
診察により一過性脳虚血発作が疑われる場合はすぐに検査と治療が行われます。症状が出現後早期の受診であればその後脳梗塞の発症のリスクが高いためほとんどの場合入院治療となります。
検査としてはCTやMRIで脳に梗塞の跡がないかなど確認します。またMRAと言って脳の血管を確認することができる検査を行い血管が狭くなっていないかなど確認します。
そして心電図や、超音波検査により心臓や頸部の血管に血の塊ができやすくなっていないか、またできていないかなどを確認します。(心臓や、頸部にできた塊が脳に飛ぶことによって一時的に脳の血管が詰まることがあるため。)
治療
検査によって一過性脳虚血発作であることが推定されれば治療が開始されます。治療方法としては、内科的治療と外科的治療の2つの種類に分けられます。
内科的治療としては、抗血栓薬を使用し血液をサラサラにして血の塊ができるのを予防することと、動脈硬化の原因となる、高血圧や糖尿病などの治療が行われます。
外科的治療としては、動脈硬化により狭くなった頸動脈の内側にできている粥腫(じゅくしゅ)というものを取り除き血流を良くする手術がまず一つあります。
もう一つの方法として、頸動脈ステント留置術と言って金属でできた筒を狭くなっている頸部の血管内に入れることで血管を広げ血流を良くする手術が行われます。
脳卒中の前兆と、その後の治療について今回は説明しましたが、すべての脳卒中に「前兆」があるわけではありません。日ごろから生活習慣に気を付けることや定期的に健康診断を受けることで未然に脳卒中を予防することが大切ですね。
まとめ
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