尿が透明になるという症状は「気がつきにくい」という特徴があります。たとえばご家庭のトイレに、トイレの水を着色させるような芳香剤などを使用している場合などは尿の色がわかりにくくなり、結果として尿が透明になっているのになかなか気がつかない事があります。
病気の基本は早期発見と早期治療です。そこで今回は 尿 が 透明 になる理由と可能性のある3つの病気についてご紹介をいたします。
尿が透明になる理由と、可能性のある3つの病気
尿が透明になる理由とは?
尿の色の濃さというのは基本的には「尿の量」によって決まる場合がほとんどです。腎臓で作られる胆汁に含まれるビリルビンが尿を黄色にするのですが、正常な尿の色はそのビリルビンの影響によって薄い黄色となります。
しかし何らかの理由で尿の量が増えると、本来は薄い黄色になるはずのところがたくさんの水分によって薄められ、結果として透明に見える尿となります。
尿の量が増えるわかりやすい例としては水分やアルコールの飲み過ぎです。特にビールには利尿作用がありますのでビールを多く飲むと尿の量が増えます。その結果として尿の色が透明になる可能性は十分にあります。
水分を飲み過ぎた場合も同じで尿の量が増えますので色は薄くなるか透明に近くなるでしょう。しかしこれらはあくまで一時的な話です。尿の量が増えて色が透明になる状態が続く場合には何らかの病気の可能性も考えられます。
尿が透明になった際に考えられる3つの病気は?
尿が透明になってしまった際に考えらえる病気の一つは「糖尿病」です。糖尿病というのは血中に含まれる糖分の量が多くなってしまう病気で、多くの方が患っている生活習慣病の一つとなります。
糖尿病になると尿の匂いが甘くなるとも言われていますが、これは体内で増えた糖分が尿によって排泄されているためだと考えられます。
つまり腎臓がこの余分に多くなった糖を体の外へと出してしまおうとするので、たくさんの尿を作って文字通り水で流して排出しようとしているのです。そのため尿の量が多くなり、結果として薄まった尿の色がほぼ透明になります。
もう一つは尿崩症です。これにはさらにいくつかの原因があるのですが、一言で言うなら尿を作る量を決める部分が正常に働かなくなってしまう病気です。正常な人間の場合は脳が「これくらいの尿を作りなさい」という適切な量についての指令を出します。
しかし尿崩症になってしまうとこの指令が出され続け、尿の量が増えてしまうのです。そして結果としては尿の色が薄まっていき、透明になってしまいます。
3つ目の理由は「副甲状腺機能亢進症」です。これは少し難しい名前に見えますが体内のカルシウムの量を調節している副甲状腺が働き過ぎてしまう病気です。
副甲状腺が働き過ぎると血中カルシウムの量がどんどん増えてしまいます。そうすると尿をたくさん作って多くなり過ぎたカルシウムを体外へ出そうとする働きが起こります。そのため尿の色が薄まって透明になっていくのです。
尿の色について普段からチェックしておきましょう
尿の色というのは普段あまり気にしない方もおられるかもしれませんが、透明な尿が続く原因として考えられる病気には糖尿病や尿崩症、 副甲状腺機能亢進症といった重大な病気の名前がずらりと並びます。高齢者の方にとってはいずれの病気についても気を付けておきたいところです。
とは言っても冒頭にてご紹介をしました通りお酒の飲みすぎや水分のとり過ぎによっても尿の量が増えて透明になることもありますので、一度だけ尿の色が透明になったからと言って過度に不安になる必要はありません。
ただやはり「気が付いた時には進行していた」という事になる場合もありますので、尿の色については普段から気を付けてチェックしておくのが良いでしょう。
まとめ
尿が透明になる理由と、可能性のある3つの病気
尿が透明になる理由とは?
尿が透明になった際に考えられる3つの病気は?
尿の色について普段からチェックしておきましょう