「尿路感染症の原因(前編)」では、どのような原因により尿路感染症を患うのかご紹介しました。後編では、どのような疾患を抱えている方が 尿路感染症 を患いやすいのか、またその 原因 についてご紹介します。
尿路感染症の原因(後編)
前立腺肥大症の男性に多い
高齢の男性の多くが頻尿、残尿感、尿漏れ、尿が出にくいなど尿のトラブルを抱えいるといいます。その要因の多くが前立腺肥大症であり、65才以上の4分の1がこの疾患を持っています。
前立腺肥大症になると、尿道が不自然に刺激されて頻尿や尿漏れになる、圧迫されて尿がなかなか出ない、排尿した後もすっきりせず残尿感が残るといった症状が出ます。排出しきれない尿が膀胱内に残り、残尿量が多くなると細菌が増殖し炎症を起こし感染症を引き起こします。
前立腺肥大症が重症化して尿路が閉塞すると、腎不全や尿毒症を併発する恐れもあります。
高齢女性に多い尿漏れ
中高年の女性の多くは、くしゃみや重い物を持ち上げる時など、腹圧をかけると尿漏れをする経験があるでしょう。
特に出産や子宮などの婦人科系の手術を経験した場合、膀胱を支える筋肉が弱くなり膀胱が下垂して尿道がゆるんで短くなります。尿道が開いて短くなると、大腸菌などの細菌がつき上がってきて炎症を起こし尿路感染症にかかりやすくなります。
女性の場合は、症状が軽いと病院に行かず放置して、再発を繰り返すことが多く、慢性膀胱炎や慢性尿道炎になってしまいます。高齢になるとますます治りづらくなりますから、しっかりと完治させておくことが大切です。
尿路結石の疾患がある
腎臓結石、膀胱結石など尿路に結石症を持っていると尿路感染症に罹りやすくなります。結石が腎臓や膀胱など留まっている部位を傷つけ、そこから細菌が浸入して炎症を引き起こします。
結石がある部位が閉塞すると、停滞した尿が逆流し、細菌を繁殖して炎症を起こします。結石の治療とともに、この場合も水分摂取と適度な運動が大切になります。
尿路感染症を起こしやすい疾患
前立腺や膀胱、腎臓の癌など尿路の疾患を持っていると、尿路感染症に罹りやすくなります。他にも糖尿病や高血圧、痛風などの疾患を持っていると、腎盂腎炎を起こしやすくなります。
尿路が閉塞されると命にかかわる腎不全や尿毒症を併発することもあり、原因となっている疾患の治療をしっかり行う必要があります。
オムツと尿道カテーテル
介護を受けている寝たきりの高齢者は、腎臓から膀胱への尿の流れが悪く停滞したり、オムツの汚れが原因になって尿路感染症を引き起こすことがあります。
上体を起こして尿の流れを良くするように心がけ、豆にオムツ交換をして清潔に保つことが大切です。出来ることならオムツは避け、尿瓶を置いたり、トイレに行きやすい住環境を整え自立排尿を促していくことが望ましいです。
長期間に尿道カテーテルをしている場合も衛生管理を徹底しなければ、尿路感染症の原因のひとつになります。
まとめ
尿路感染症の原因(後編)
前立腺肥大症の男性に多い
高齢女性に多い尿漏れ
尿路結石の疾患がある
尿路感染症を起こしやすい疾患
オムツと尿道カテーテル