尿路結石 は、結石がなくなったからといって安心できるものではありません。再発率はとても高く、5年で45%、10年で60%が再発するといわれています。
再発を 予防 するために日ごろから簡単にできることを3つに絞ってわかりやすく説明します。
尿路結石を予防するためにできる3つのこと
水分をたくさんとる
尿路結石の種類は構成成分で分けて大きく2種類あります。
1種類目がシュウ酸カリウムとリン酸カルシウムがほとんどを占める結石です。現在は、どうやって体内でシュウ酸カリウムとリン酸カルシウムができるのかは解明されていません。そのため、シュウ酸カリウムとリン酸カルシウムが主成分の結石の場合は、予防する薬や手立てがありません。
しかし、結石はその構成がどんな成分でも大きさが小さければ自然排石することが期待できます。自然排石するためにも水分を十分にとることが結石予防の原則です。結石予防を目的とするならば、1日2リットル程度は水を飲むようにしましょう。
自然排石ができなくても結石は水分が少ないときにできやすく、かつ大きくなるといわれています。水分は、シュウ酸が少ない水道水や麦茶がいいでしょう。清涼飲料水やコーヒー、アルコールは過剰な摂取によって新たな病気を引き起こす可能性がるため避けるようにします。
また、心臓に疾患がある人や緑内障の場合は担当医師と相談しながら水分補給する量を調整してください。
2種類目の結石は、尿酸とシスチンによって構成されている結石です。尿酸とシスチンは、薬で予防することができます。
結石の再発を防ぐためには、まず結石の構成成分を分析することが大切です。稀ではありますが副甲状腺ホルモンの過剰分泌によって結石ができることもあり、その場合は副甲状腺の手術によって再発を予防することができます。
食事に気をつける
尿路結石のもとになるものはシュウ酸です。そのため、シュウ酸を多く含む飲食物はとりすぎないように注意しましょう。シュウ酸を多く含む食べ物は、ホウレンソウ、チョコレート、紅茶が代表的なものです。動物性たんぱく質にもシュウ酸は含まれているため摂りすぎは控えるようにします。
また、結石の成分であるリン酸カルシウムは過剰摂取したカルシウムが原因で作られることがあります。サプリメントでカルシウムを摂取している場合は、必要以上にカルシウムを摂取している可能性があり注意が必要です。
一方、結石を作りにくくする食べ物は、カリウムを多く含むものです。カリウムは、結石ができにくい尿に保つ働きがあります。カリウムは野菜や果物に多く含まれています。
また近年、抗酸化物質を含む食べ物が尿路結石の予防に役立つことがわかってきました。カリウムも抗酸化物質も含み、かつ手軽に手に入れることができるおすすめの食べ物はバナナです。かぼちゃやニンジンなどの緑黄色野菜にも抗酸化物質は多く含まれています。
尿路結石を予防するためには、過剰摂取や摂取不足にならないように日ごろからバランスの良い食事を心がけることが大切です。
定期検診を受ける
尿路結石は、とても再発率が高いため食事や水分に気を付けていても環境によっては予防が難しいことがあります。そのため、定期検診がとても重要な病気です。もしも排尿時に痛みを感じた場合は水分を多くとり、早めに泌尿器科を受診するようにしましょう。
定期検診は、検尿だけでも効果があります。検尿で潜血と結晶を調べます。検尿で潜血が指摘されても95%の人は異常がなく、残りの5%の人がなんらかの異常があると思われます。
さらに結晶が多い場合は結石を疑うことになります。結石が疑われる場合は、超音波検査、腎臓膀胱部エックス線撮影、排泄性尿路造影検査と進んでいきます。
まとめ
尿路結石を予防するためにできる3つのこと
水分をたくさんとる
食事に気をつける
定期検診を受ける