加齢によって引き起こされる眼の病気はさまざまあります。黄斑前膜もその一種で、適切な治療を受ければ他の病気と違い視力が戻ることがほとんどです。 黄斑前膜 にまつわる疑問について詳しくご説明致します。
黄斑前膜の原因と治療法やかかる費用とは
黄斑前膜は、目のどこで起こる病気か
黄斑前膜という病気が眼のどの部分で起きているのかを知ることが理解を深めるために必要な情報となります。今回は肉眼で見えている虹彩・水晶体などの役割については割愛します。
眼球は外側から強膜・脈絡膜・網膜の順に形成されています。網膜の内側は、硝子体皮質があり、硝子体というゼリー状の構造物が詰まるように全体を満たしています。文字などを「視覚認知」する場合には、網膜の中で最も感度が良い黄斑部という部分で処理を行っています。
黄斑部の中心のことを中心窩と呼び、文字などのピントが合うようになっています。黄斑部は、視神経の近くに存在しています。黄斑前膜とは、黄斑部で起こる眼の病気です。
黄斑前膜の原因とは?
黄斑前膜が起こる原因は、後部硝子体剥離という自然現象がうまくいかなかった場合に起こります。硝子体皮質の中身の硝子体がゼリー状の構造物が液化することで体積が減少します。体積の変化により、硝子体皮質が網膜からはがれ落ちるのが自然現象です。
癒着が強い場合には、網膜の浮腫や厚みが増幅し、膜に歪みが生じてくるため、黄斑前膜を引き起こしてしまうのです。液化して体積が減少した部分は、空洞のままではなく、液化した硝子体が満たしているので健康上に影響や問題はありません。
黄斑前膜の症状とは?
黄斑前膜は、発症してからしばらくは無症状で経過します。黄斑前膜の進行によって、視力低下や物が歪んで見えるようになります。さらに進行すると、視野中央が欠損して見えるようになります。
好発年齢は、50~60歳以上の方なら誰でも起こりうる病気です。中には、更年期障害の頃に発症するケースもあります。無症状のため検診で発見されることも多いのが特徴です。
黄斑前膜は、加齢性黄斑変性と違って、失明することはありません。適切な治療を行うことで快適に過ごすことが可能なのです。今まで視力に問題がなかった方でも50歳前後からは定期的な受診や、どのような方でも目の違和感は放置せずに早めに専門医の受診をおすすめします。
治療法は手術のみ、費用の目安は?
黄斑前膜の治療法は、手術のみです。内服や目薬はなく、自然治癒もありません。歪みや視力低下が見られたら手術になります。
眼科によって手術に踏み切るタイミングには差があるようですが、視力が0.8~0.5に低下した頃のようです。症状が出ているにも関わらず、放置していた場合回復が見込めないことがあるので注意が必要です。
黄斑前膜の手術費用は、1割負担の場合4万円前後で、3割負担の場合は12万円前後が多いようです。視力低下によって引き起こされる身体的・精神的な苦痛は想像を絶するものです。回復が見込めるだけに積極的な治療をおすすめします。
黄斑前膜と白内障手術も兼ねる場合はさらに1万~3万円ほどプラスして考慮されるといいでしょう。
黄斑前膜の予後と合併症や再発リスクは?
黄斑前膜の予後としては、しばらくは歪み感を感じることもあるようですが、視力が0.6前後の方ならば数か月で正常範囲内に戻ることがほとんどです。合併症は白内障が起こる場合があるようですが極めて稀なようです。
高齢者の場合、黄斑前膜と白内障を患っていることも多く、この場合は同時に手術をするケースがほとんどです。黄斑前膜は、現在では手術法が統一されていることから再発するケースはほぼないようです。
まとめ
黄斑前膜の原因と治療法やかかる費用とは
黄斑前膜は、目のどこで起こる病気か
黄斑前膜の原因とは?
黄斑前膜の症状とは?
治療法は手術のみ、費用の目安は?
黄斑前膜の予後と合併症や再発リスクは?