体を動かすために脳は体に指令を発しますが、その指令がうまく全身に伝わらず体がスムーズに動かなくなる病気がパーキンソン病です。
50~60歳代で発症することが多く、60歳以上では100人に1人が発症するというごく身近な病気です。若い世代で発症した場合は、若年性パーキンソン病とよばれます。
今回は、 パーキンソン病 の4つの大きな 症状 をご紹介します。
パーキンソン病の4つの症状
手足のふるえる
手や足、あごがふるえる症状を振戦(しんせん)といいます。パーキンソン病では、1番最初にあらわれることの多い症状です。
発症したばかりの頃は、体の片側だけにふるえがあらわれます。このふるえは何もしていないときにあらわれ、何かしようとするとふるえが止まるので、ご自身では気が付きにくい症状です。主に、手や足、あごにふるえがみられます。
筋肉がこわばる
筋肉がこわばる症状を筋固縮といいます。筋肉がこわばるので少しずつ手や足の動きにぎこちなさがみられますが、日常生活で気が付くことはほとんどありません。
ですが、筋固縮はパーキンソン病の診断において重要なポイントになります。医師が患者さんの手首を持ち前後に動かすとカクカクとした抵抗感がみられます。症状が進むと、腕の振りが悪くなり、足が引きずり気味になるという症状が認められます。
動きが遅くなる
動きが少なくなり、遅くなる症状を無動といいます。細かい動作がしづらくなり、動くまでに時間がかかり動きが遅くなるなどの症状がみられます。
特徴的な症状としては、無意識でおこなっていたまばたきの回数が減り、顔の表情が乏しくなる点です。また、日常生活では字がだんだんと小さくなってしまう、早く歩けない、声が小さく単調になるなどの症状があらわれます。寝返りもうちづらくなります。
バランスがとりづらい
バランスがとりにくい症状を姿勢反射障害といいます。バランスをとろうと膝を曲げ、少し前かがみになった姿勢をとります。立っているだけでは問題ないのですが、少し押されたり、ぶつかったりすると、元の姿勢にスムーズに戻れなくなります。
症状としては、なかなか足が前に出ない、立ち上がった時に前かがみになってしまう、歩くときに小股ですり足になってしまう、歩いていると小走りになってしまう、よく転ぶなどの特徴がみられます。
その他の症状
パーキンソン病では、便秘やお手洗いが近くなるなどの症状がみられます。また、気分が憂うつになり眠れないなどの症状もあらわれます。
よく似た病気
パーキンソン病とよく似た症状をあらわす病気をパーキンソン症候群(パーキンソンニズム)とよびます。症状はよく似ていますが、原因も治療法も異なります。
脳こうそくなどの脳の病気
脳の病気の中には、初期症状としてパーキンソン病とよく似た症状をもつものがあります。
薬剤性パーキンソンニズム
服用中のお薬(降圧薬や抗不安薬、胃薬)が原因となり、パーキンソン病とよく似た症状があらわれます。服用を開始し、数か月ほどで症状があらわれることがあります。
血管障害性パーキンソンニズム
動脈硬化により、脳の小さい血管が詰まることによりパーキンソン病とよく似た症状があらわれます。
治療
パーキンソン病は、現在ではさまざまな薬が開発され症状の改善が期待できます。厚生労働省の指定する特定疾患に分類されており、ヤールの重度分類Ⅲ度以上ですと治療費の補助が受けられます。
パーキンソン病は、早期発見と適切な治療を受けることにより進行を抑えることのできる病です。
まとめ
パーキンソン病の4つの症状
手足のふるえる
筋肉がこわばる
動きが遅くなる
バランスがとりづらい
その他の症状
よく似た病気
治療