背中から胸や腹にかけて針で刺すような鋭い痛みがありませんか?その痛みは、もしかしたら 肋間神経痛 かもしれません。痛みの場所が臓器付近のため、 何科 を受診したらよいのか悩む方も多いようです。正しい診断をしてもらうためにも適切な病院受診が重要です。
肋間神経痛を疑ったら何科を受診するべきでしょうか?
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肋間神経ってどこにあるのでしょうか
肋間神経とは心臓などの大事な内臓を守る働きをする胴体にある肋骨に沿ってある神経です。大元は背骨の胸椎の間から出ています。12本ある肋骨と肋骨のあいだを通って胸の中央まで流れている12対の神経です。
肋骨と肋骨のあいだにある筋肉や背筋、腹筋にかかわる神経です。
肋間神経痛の主な症状は?
肋間神経痛の症状は、肋間神経が走っている場所に起こる痛みです。突然の鋭い痛み、激痛に襲われることが主な症状といえます。長く続くことは稀で、比較的すぐにおさまるのですが、発作的にしかもかなりの痛みに襲われるのでとてもつらい症状です。
痛みが起きる場所が心臓に近いこともあり、不安を感じる方が多いようです。肋間神経痛自体は生命にかかわる病気ではありませんが、重篤な病気が原因で痛みが起こっていることもあるため、まずは正確な診断を受けることが望ましいでしょう。
肋間神経痛には大きくわけて2つのタイプがあります
肋間神経痛は正しくは病名ではなく、その症状を指します。痛みの原因はさまざまで、その原因を特定し、根本となる病気を治療することで肋間神経痛の症状も改善されます。
肋間神経痛の2つのタイプとは、この痛みの原因を特定できるものと特定できない不明なものとにわけられるということです。
つまり、受診科を決める目安としては、痛みのきっかけとなる原因が特定できるかどうか、また原因がなにかということで判断する必要があります。
原因が特定できる場合①―整形外科
骨折や捻挫をした、重たいものを持った、高いところから落ちた、体をひねった、激しい運動をしたなどの外傷性のものが原因と考えられるなら整形外科の受診をおすすめします。
外傷性の場合、レントゲン検査をすることで肋間神経痛の原因が特定できる可能性が高いからです。変形性脊椎症など背骨の病気や骨折や骨の変形などで神経を圧迫している可能性なども検査で知ることができます。
原因が特定できる場合②―皮膚科
帯状疱疹ウイルスが原因で肋間神経痛が起こる場合があります。帯状疱疹の場合、皮膚にチクチクとした痛みから始まり、赤い発疹や水ぶくれができることが多いため、水ぶくれが確認できた場合は早めに皮膚科を受診しましょう。
また、帯状疱疹の皮膚症状がなおったあとに「帯状疱疹後神経痛」として痛みだけが残ることがあります。この場合は治療法が確立していませんが、ペインクリニックでの神経ブロックが効果が多いといわれています。
原因が特定できない場合―内科
肋間神経痛は内臓疾患やがんなどの腫瘍が原因となって起こる場合もあります。外傷性の心当たりがない場合や安静にしていても痛みがある場合、発熱を伴う場合などは早めの受診をおすすめします。
肋間神経痛だと思っていたら重大な病気のサインだったということが考えられるからです。特に胸をしめつけられるような痛みがある場合、狭心症の可能性も否定できません。この場合は内科や神経内科の受診がよいでしょう。
内科的な異常がないとわかれば、安心して「神経痛」の治療を受けられます。ストレスが原因の場合もありますので、不安を取り除くのは大いに効果的です。
病院を受診することで得られる安心感
肋間神経痛の場合、胸部に激痛が起こることが多く、とても不安を感じる症状です。しかし一過性であることが多く、すぐにおさまるため病院受診をしない方も多いようです。
肋間神経痛は、検査の結果、からだにはっきりとした異常がなく痛みがある場合に診断されます。
特にストレスなど心因性の要因で症状がでる場合には、病理上は「どこも悪くない」状態なのに痛みだけがあることもありえます。この場合、治療として行うことは湿布を貼るといった対応となります。
それでも病院受診をすすめするのは、「重大な病気ではない」ことを知る安心感があるからです。ストレスを軽減することも治療のひとつと考えましょう。
何科を受診するか迷ったら一度に検査ができる総合病院を受診するという選択肢も視野に入れてください。
まとめ
肋間神経痛を疑ったら何科を受診するべきでしょうか?
肋間神経ってどこにあるのでしょうか
肋間神経痛の主な症状は?
肋間神経痛には大きくわけて2つのタイプがあります
原因が特定できる場合①―整形外科
原因が特定できる場合②―皮膚科
原因が特定できない場合―内科
病院を受診することで得られる安心感