緑内障の治療の基本は、目薬によって眼圧を下降させ緑内障の進行を遅らせることです。緑内障の目薬はほとんどの場合、途中でやめるわけにはいきません。基本的には一生さし続けないといけないものになります。
従って 緑内障 の 目薬 の 副作用 についても正しい知識を持っておく必要があります。
緑内障患者が知っておきたい目薬の副作用について
プロスタグランジン製剤と副作用
緑内障治療の第一選択として用いられることが多い目薬です。ぶどう膜強膜流出路からの房水の流出を促します。
種類はキサラタン、トラバタンズ、タプロスなどです。レスキュラもありますが、1日2回点眼しないといけないため最近ではあまり使われません。
プロスタグランジン製剤の第一選択の理由として、高い眼圧下降効果を持ちながら全身的な副作用が少ないところがあげられます。
主な副作用は、まぶたや虹彩の色素沈着が起きたり、まつげが伸びたりする場合があることです。点眼後によく目の周りを拭くか、顔を洗うことがおすすめです。
トラバタンズは充血を起こしやすいので、夕方から夜に点眼することが良いです。充血のピークが寝ている間に来て、朝には充血がひいているからです。
β遮断薬と副作用
β遮断薬はプロスタグランジン製剤に次いで第二選択として用いられることが多い目薬です。毛様体上皮に存在するβ2受容体を遮断して、房水産生を低下させます。種類はチモプトール、ミケラン、ベトプティックなど多くあります。
β遮断薬の目薬は、喘息の患者が使用してしまうと目薬の成分が全身に吸収されて、喘息発作を引き起こしてしまうことがあります。
喘息発作はひどくなると呼吸ができなくなり死に至ることもあるので、とても重大な副作用です。目薬の副作用の中で一番注意が必要です。また同じ理由で慢性的な閉塞性肺疾患や心疾患のある方にも使用できません。
これらの疾患がない人には、時に角膜障害が出ることがあるものの、使用しやすい点眼薬です。
炭酸脱水素酵素阻害薬と副作用
β遮断薬と同様、炭酸脱水素酵素阻害薬も緑内障治療の第二選択として用いられることが多い薬です。毛様体上皮の炭酸脱水素酵素Ⅱを阻害して、房水産生を低下させます。種類はトルソプト、エイゾプトがあります。
炭酸脱水素酵素阻害薬の副作用は、トルソプトは少ししみる感じがあり、エイゾプトは点眼後に少しぼやけた感じになります。また重篤な腎障害のある方には使えません。肝機能に重篤な障害がある方や角膜内皮細胞が減少している人にも注意が必要です。
αβ遮断薬と副作用
他の緑内障治療薬に比べるとやや人気は落ちますが、現在でも治療薬として選択されることもある目薬です。β遮断作用により房水産生を低下させ、α1遮断作用より房水流出を増加させます。種類はハイパージルコーワやニプラノールがあります。
αβ遮断薬は気管支喘息、重篤な慢性閉塞性肺疾患や心疾患のある方には使用できません。また肺高血圧による右心室不全、うっ血性心不全、コントロール不良な糖尿病のある方には慎重投与が必要になります。
合剤と副作用
近年新しく誕生した緑内障治療薬で、プロスタグランジン製剤とβ遮断薬、炭酸脱水素酵素阻害薬とβ遮断薬の配合剤になります。種類はザラカム、デュオトラバ、コソプトがあります。
今まで2種類点眼しなければ眼圧下降効果が得られなかった方が、1種類を1日1回の点眼で良くなるため患者の負担が軽減されます。
合剤の副作用はそれぞれプロスタグランジン製剤とβ遮断薬、β遮断薬と炭酸脱水素酵素阻害薬の副作用がそれぞれ入ってくるので注意が必要です。
緑内障の目薬はすぐにやめられる目薬ではなく、長い付き合いが必要になる目薬です。副作用もしっかりと理解して新しい目薬が開始されることになる時には必ず全身疾患の有無を眼科医に伝えましょう。
まとめ
緑内障患者が知っておきたい目薬の副作用について
プロスタグランジン製剤と副作用
β遮断薬と副作用
炭酸脱水素酵素阻害薬と副作用
αβ遮断薬と副作用
合剤と副作用