現代社会は、スマートフォンの使用やパソコンによるデスクワークなど、眼を酷使する生活が日常となっています。それに伴い緑内障患者は増加傾向にあり、高齢になるほどリスクは高くなります。
緑内障は眼圧が高いと発症するといわれますが、患者の半数以上は「正常眼圧緑内障」と呼ばれる眼圧が正常範囲の患者です。自覚症状がないまま緩やかに進行しますから、気づいた時にはかなり進行している状態になることもあります。
緑内障 の 予防 法を知って、日頃から眼の健康を保つ生活を心がけていくことが大切です。
緑内障の予防
緑内障にかかりやすい人
- 家族に緑内障の患者がいる
- 強度近視の人(視神経が脆弱なためと考えられます)
- 遠視の人(眼球の奥行が狭いためと考えられます)
- 生活習慣病を持っている人
- 低血圧、低体温、冷え症の人
- 食生活の乱れ、多量飲酒、喫煙者
- 眼を酷使している仕事の人(パソコンなどのデスクワーク)
- ストレスの多い人、興奮しやすい人
それでは緑内障にかかりやすい人の要因から予防法をみていきましょう。
危険因子を持つ人は定期的な検診が必要
遺伝性や眼の構造により緑内障にかかりやすい危険因子を持つ人は、早期発見がポイントとなります。
家族に緑内障の患者がいる場合は緑内障のリスクが高く、兄弟では3.7倍となります。家族にいるからといって必ずなるわけではないので過度な心配は無用ですが、定期的な眼の診断を受け初期の段階で治療を開始することが決め手になります。
強度な近視の人や遠視の人もまた、緑内障のリスクが高くなります。家族歴のある人と同じように、定期的に眼の検診を受け初期の段階で防ぐことが大切です。
目の周りの血流を良くする
眼圧が正常範囲内であっても緑内障になる「正常眼圧緑内障」の人に、低血圧、低体温、冷え症が多いといわれます。全身の血液循環が悪くなると、抹消部分の血流も悪くなり夏でも手足が冷たい冷え症体質となります。
目の細かい毛細血管の流れが悪くなると視神経に栄養が行きにくく、視神経が脆弱になって障害が起こると考えられます。
冷え症の人は、身体を冷やさないこと、眼の周りを暖めて血流を良くすることが大切です。両掌をこすって眼に当てる、タオルをレンジで温めて眼に当てると、眼の冷えが解消され血行が良くなります。
食生活や生活習慣を見直す
糖尿病や脂質異常、高血圧、肥満などの生活習慣病は、動脈硬化から心筋梗塞や脳梗塞を引き起こします。眼に動脈硬化が起こると、眼の毛細血管が詰まり視覚や視野に障害のある「網膜動脈閉塞症」や「緑内障」を引き起こします。
生活習慣病にかからないように、生活習慣を見直し健康法を取り入れた生活をしていくことが大切です。脂質の多過ぎる食生活は、粘着性のある血液になり血液循環が悪くなります。黄緑色野菜などビタミンやミネラルを取り、バランスの良い食生活に改善していくことが大切です。
激辛食品、カフェインの過剰摂取、アルコールの多量摂取で眼圧が上がるといった報告もあり、取り過ぎには注意が必要です。喫煙は動脈硬化を促進し、眼の血流にも悪く、煙草の煙は眼に刺激を与えます。出来れば禁煙することが望ましいのです。
水分を取ることは血液循環には大切ですが、冷たい水の飲み過ぎは身体を冷やします。また多量の水分を短時間に取ると眼圧を上げる原因になるので注意しましょう。
高齢になると、身体を動かすのが億劫になりますが、適度な運動を生活習慣の中に加えましょう。激しい運動は身体にストレスを与えますが、軽い体操やウォーキング、有酸素運動は全身の血流を良くします。
眼精疲労を残さない
長時間のパソコンのデスクワークやスマートフォンの使用、暗いところでの読書などは、眼精疲労を起こし、眼圧が上がりやすくなり視神経を痛める原因になります。
仕事中なら時間ごとに目を瞑って休める、眼の周りを軽くマッサージする、遠くを眺めるなどをして、眼の疲労を溜めないことが眼の健康を保つことになります。
規則正しい生活をして、質の良い睡眠を取り眼精疲労を翌日に残さないようにしましょう。
ストレスを溜めない
ストレスのある生活や自律神経が乱れた生活で、身体に力が入る、顔や頭が緊張する、興奮するなど感情の起伏は、眼圧が上がりやすい要因になります。出来るだけリラックスした生活や考え方をして、心の健康を保つことが眼の健康にも繋がります。
まとめ
緑内障の予防
緑内障にかかりやすい人
危険因子を持つ人は定期検診が必要
眼の周りの血流を良くする
食生活や生活習慣を見直す
眼精疲労を残さない
ストレスを溜めない