ひどい咳が出る、咳が止まらないなどの時に服用する 咳止めシロップ ですが、市販品だけも多数あり、咳止めシロップの種類や作用機序、服用時の注意点などを解説します。
せき止めシロップの種類、作用機序および服用時の注意点
乾いた咳の原因
コンコンというような乾いた咳は、主に気道の炎症が脳に伝わり、咳中枢を刺激して起こります。気道の炎症の原因の多くはウイルスなどの感染で、気道で繁殖したウイルスを排除するため、炎症が開始します。
この炎症を脳が感知すると、異物を排出するために咳をするように脳が指令を出して起こります。
乾いた咳に効果のある咳止めシロップ
乾いた咳は延髄にある咳嗽(がいそう)中枢が興奮して咳をする指令を出すために起こる咳です。したがって、このような咳を止めるためには直接中枢に働きかける薬剤である中枢性鎮咳薬を用います。
コデインリン酸水和物やジヒドロコイデインリン酸塩などで、モルヒネアルカロイドと呼ばれる成分で、麻薬の一種です。ジヒドロコイデインリン酸塩の方がコデインリン酸水和物より鎮咳効果が高いとされています。
市販品ではアネトン咳止めZ液 六活W液エース、新ブロン液エース、ベンザブロック咳止め液、パブロンSせき止め、アルペンこどもせきどめシロップ、小児用エスエスブロン液エース、こどもパブロンせき止め液などが薬局で買うことができます。
中枢性鎮咳薬の注意点
モルヒネと類似したオピオイド成分が含まれているため、耐性や依存性に注意を払う必要性があります。
市販品の場合には、服用する回数や量は薬に添付されている指示に従い、1週間以上咳が継続する場合には、別の病気も考えられることから服用を中止し、医療機関を受診する必要があります。また胎児や母乳への移行が報告されており、注意が必要です。
中枢性鎮咳薬の副作用
耐性や依存性の他には気道中の痰などの分泌物が減少し、喘息を持っている人は悪化する恐れがあります。また便秘や眠気、めまいなどの副作用が知られており、服用時には高所での作業や運転は避けてください。
非中枢性鎮咳薬
効果は中枢性鎮咳薬に劣りますが、副作用が少なく依存性のないノスカピン、デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物などの非中枢性鎮咳薬も市販されています。エスエスブロン液、新パブロンせき止め液、キッズバファリンせき止めシロップS、コンタックせき止めSTなどです。
湿った咳の原因と咳止めシロップ
痰が絡んだ咳には、去痰剤が用いられます。ブロモヘキシ塩酸塩、グアイフェネシン、グアイヤコールスルホン酸、カルボステイン、エチルシステイン塩酸塩などを含む咳止薬で、シロップではありませんが、クールワンせき止めGX、クールワン去たんソフトカプセル、ストナ去たんカプセルなどがあります。
痰の成分である多種類のムチンの長鎖部分を切断して含有比を正常化する、粘液の量を増やして痰の粘度を下げ、排出しやすくするなどの効果があります。一般にはジヒドロコデインリン酸塩なども含有されています。
手作り咳止めシロップ
昔から生の大根や金柑をスライスして蜂蜜に漬けたものは咳止めに効果があるとされています。天然のもので高齢者から子供まで(蜂蜜は1歳以下の子供には与えないでください)安心して服用できます。
まとめ
せき止めシロップの種類、作用機序および服用時の注意点
乾いた咳の原因
乾いた咳に効果のある咳止めシロップ
中枢性鎮咳薬の注意点
中枢性鎮咳薬の副作用
非中枢性鎮咳薬
湿った咳の原因と咳止めシロップ
手作り咳止めシロップ