咳は、たまたまむせたなど以外で治まらないのであれば何らかの病気が潜んでいるかもしれないと疑うべき症状です。 熱はない のに 咳が止まらない で悩んでおられる方に詳しくご説明致します。
咳が止まらない・熱はない症状の病気とは(前編)
咳が出るのはなぜ?
咳が出る仕組みとはどういったものでしょうか。私たちは「呼吸」によって、体に必要な酸素を取り入れ、不要になった二酸化炭素を排出しています。酸素を取り込む際に、異物や体内と温度差のある空気を一緒に吸い込んでしまった場合に、反射が起こり咳によって体外へ排出しようとします。
風邪などで、体調を崩した際に、気管支にウイルスや細菌が侵入し、害を及ぼすと咳で体外へ排出しようと体は働きます。「反射」によって呼吸の妨げとなる異物を排除しようという働きからも、呼吸は命の要であるといえます。
咳が止まらない状態が続くということが体にとって「異常な状態」であるということが、容易にお分かり頂けると思います。
咳が止まらないのは病気の可能性がある
理由なく咳が止まらない場合には、何らかの病気が隠れている場合があると考えます。
熱はないのに、咳が止まらないのはいつからでしょうか?咳が出る時間帯は決まっているのか・不定期なのか、どんな咳がでるのか、他に症状はないか、普段の生活習慣や基礎疾患の有無・既往や、喫煙習慣等の全ての状況を把握する必要があります。
これらの情報を、医師が検査と共に専門的に判断していくわけですので、自身では到底わかり得ないことです。長引く風邪だと自己判断をしていたら、周囲に感染する恐れのある肺結核だった、肺がん末期だったなどの場合も存在します。
咳が止まらないなどの症状がある場合には、早めの受診が望ましいでしょう。
咳が止まらない・熱がない病気の種類とは?
咳が止まらない・熱はない主症状をもつ病気の種類はどのようなものがあるのでしょうか。「気管支喘息」は咳や熱がない症状に粘度の高い痰が特徴です。
「アトピー性咳嗽」は乾いた咳が止まらず、熱も出ません。食物などのアレルギーで起こる「咽頭アレルギー」は、主症状のほかにのどがイガイガし、むず痒くなります。
風邪などで起こる「気管支炎」は気管支の下の方、下気道で起こり咳が多く出ます。熱に関しては個人差があり出る方もいます。
高齢者に多い「肺炎」は、気が付いたら罹患していたケースも少なくありません。風邪の後や、休息・就寝時など臥床されていることが多い場合では細心の注意が必要です。
肺炎の影に「肺結核」が潜んでいたというケースも存在します。高齢者の場合、既結核であることが多く体力・免疫力低下によって発症することがあるので注意が必要です。肺結核の罹患統計では、約半数の方が60歳以上という結果が出ていることからも気をつけなければなりません。
「百日咳」は子供の病気のイメージがありますが、大人はすでに抗体がなくなっている方がほとんどです。大人の場合は症状が咳だけですので、周囲の子供など抵抗力のない方に感染させる恐れがあります。
肺気腫・慢性気管支炎を伴う慢性閉塞性肺疾患(COPD)や肺がん・花粉症・サルコイドーシスなど数多くの病気も咳が止まらないのに熱がないことがあります。
まとめ
咳が止まらない・熱はない症状の病気とは(前編)
咳が出るのはなぜ?
咳が止まらないのは病気の可能性がある