夜になると咳が止まらない、そんな方は意外なところに原因があるかもしれません。ただの咳だからと放っておくと、重大な病気を見逃してしまいかねません。特に幼児や高齢者は、周りの気づきが重要です。
今回は 夜 に 咳が止まらない 原因と、潜んでいる可能性がある病気を説明します。
止まらない夜の咳!原因と隠れている可能性のある病気
そもそも咳がでるのは何故?
そもそも咳(咳嗽)とは、喉・気管・気管支などの粘膜や肺が、花粉やほこりなどの異物を取り除くときや、ウイルスや病原菌などの刺激を受けることで、その異物やウイルスなどを体外に出そうとして起こる、くしゃみや鼻水などと同じ防御反射のことです。
つまり身体を守るための大事な役割を担っているんです。咳には痰を絡まない乾性咳嗽と、痰が絡む湿性咳嗽があります。また咳のタイプや、痰の色から考えられる病気もいくつかあげられます。
夜に咳が止まらない原因とすぐにできる対処法とは
夜に咳が止まらない大きな原因として、副交感神経の活発化があげられます。睡眠時に筋肉の緊張をほぐし、リラックスするための副交感神経が活発になるのですが、この作用で気道を狭めてしまうことで咳がでる原因になります。
このような時には、首を温めることで気道を狭めることを防ぐことができます。首にマフラーを巻いたり、眠る前にホットドリンクを飲むと有効でしょう。
次にあげられる原因としては、鼻水が気道に入った場合です。特に仰向けで就寝する癖がある人は気道に鼻水が入り、粘膜が刺激され咳がでやすくなることがあるようです。意識して横向けになって寝てみるといいかもしれません。
また、アレルギー反応が原因となっている場合もあります。布団に含まれる羽毛やホコリ、ダニなどの他、そば殻が使用されている枕なども考えられます。このような場合にはアレルゲンを取り除くことで咳が改善されます。
また、乾燥していることも咳がでやすい原因となります。特に夜は乾燥が強くなるので、意識して加湿するようにしましょう。マスクをして就寝するのも効果的です。
乾いた咳が続く場合に考えられる病気
次に、上記の対処方法を試しても咳が収まらない時に考えられる病気を紹介します。
まずは痰はでないものの、乾いた咳が出ている場合です。風邪の後も咳だけが残っている・その状態が8週間以上続いている・喘鳴(ヒューヒュー、ゼーゼーと言った呼吸)はみられない・夜中から明け方にかけて咳がひどくなる、と言った場合に考えられるのが咳喘息です。
咳喘息の内、3割が喘息を発症するともいわれているので、思い当たる症状がある方は早めに病院へ行きましょう。
また、最初は小さく乾いた咳から始まり、徐々に咳がひどくなっている・運動した時に咳がでる・息切れがしやすくなる等の症状がみられる場合に考えられるのが、間質性肺炎です。
この場合、特に風邪などを併発した際には急激に症状が悪化し、最悪の場合、数日で死に至ることもある恐ろしい病気です。小さな咳だからといって放っておくと重症化する恐れがあるので注意が必要です。
また、3週間~8週間以上咳が続いている・特に夜中にひどい空咳が続く・吐き気や胸焼けがする、といった場合には逆流性食道炎の可能性があります。他にも、気胸や過敏性肺炎などさまざまな病気が考えられます。
痰が絡む咳の場合に考えられる病気
では、痰が絡む湿性咳嗽の場合に考えられる病気にはどんなものがあるのでしょうか。ここで重要なのは、痰の色に注目することです。
まず、白黄色~痰黄色の場合には、急性咽頭炎、急性肺炎などが考えられます。また緑色の場合には、慢性気管支炎や気管支拡張の悪化、さび色の場合には肺炎球菌性肺炎や肺腫瘍、ピンク色の場合は肺水腫、茶色の場合には肺癌、肺梗塞、赤の場合は肺出血、気管大動脈瘻といった病気の可能性があります。
特にピンク、茶色、赤色の痰がでた場合は、痰の中に血液が混じっている、つまり気管支や肺などから出血している状態です。早急に病院受診する必要があるでしょう。このように、咳がでることにはさまざまな原因や病気が隠れている可能性があります。
特に高齢者の場合、体力が低下しており、骨粗鬆症などで骨がもろくなっていることがあるので、咳が長引くことで若い人よりも負担がかかってしまいます。乾燥対策やアレルゲン除去をしても咳が収まらないような場合には、早めに病院へ行き適切な治療を受けることが何よりも重要です。
まとめ
止まらない夜の咳!原因と隠れている可能性のある病気
そもそも咳がでるのは何故?
夜に咳が止まらない原因とすぐにできる対処法とは
乾いた咳が続く場合に考えられる病気
痰が絡む咳の場合に考えられる病気