咳が長く続いていたり、1日に何度も痰が絡んでいたり、そのような症状が思い当たる場合、ただの風邪ではないかもしれません。長い期間、咳や痰が絡む状態が続いていると本人も気づかずに慢性化している可能性があります。
咳が続く 、 痰が絡む などの症状があらわれる疾患を確認してみましょう。
咳が続く、痰が絡む?こんな病気かも!
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たばこ病?慢性閉そく性肺疾患(COPD)
慢性気管支炎、肺気腫の総称です。主に喫煙による肺の炎症性疾患で、「たばこ病」とも呼ばれ、喫煙者の15~20%に発症するとされています。喫煙習慣による生活習慣病とも言えますが、進行性のため放置すると危険です。
禁煙や薬物療法で治療しますが、多くが病院に行かず、治療もされていない状態です。喫煙をする方は特に注意が必要な疾患です。
気管支喘息は喘鳴(ぜんめい)や発作に注意!
気管支喘息は気道に炎症が起き、刺激に敏感になることで発作的に気道が狭くなる病気です。ほこりやカビなどの刺激で起こるアレルギー性の肺疾患で、ヒューヒュー、ゼーゼーと気道から音を出す喘鳴(ぜんめい)や、咳がでて息苦しくなる発作を繰り返します。
子どもから高齢者まで年齢を問わず発症し、夜間・早朝に発作が起きやすいのが特徴です。痰が出ない咳喘息とは違う病気です。
気管支喘息の手前?咳喘息
冷気やたばこの煙などの刺激で気管支が過剰反応することで咳が出る病気です。気管支喘息とは違い、痰が出ず、喘鳴や呼吸困難はありません。
夜間・早朝にひどくなる傾向があり、コンコンと乾いた咳が3週間以上続きます。自然に治ることもありますが、約3割の人が本格的な気管支喘息に移行すると言われています。風邪薬や咳止めなどを飲んで治らない場合は、早めに医療機関で治療を行いましょう。
鼻水が出るなら副鼻腔気管支症候群かも?
副鼻腔炎と気管支炎の2つが併発し、慢性化している状態です。副鼻腔の炎症で鼻水・鼻づまりなどの症状があり、流れた鼻水から気管支でも炎症が起こり、咳や痰が出ます。慢性的な頭痛、嗅覚障害や微熱といった症状もあります。
百日咳は子どもの感染に要注意!
「百日咳菌」という細菌の飛沫感染により感染し、約3ヶ月程度で治ることから昔から百日咳と呼ばれてきました。感染力が強く、集団感染になることもあります。
初期症状は咳やくしゃみから始まり、症状が進むとコンコンと短い咳が連続で続き、息を吸うとヒューと音が出る発作を起こします。
大人の場合、重症化することはあまりありませんが、予防接種をしていない乳幼児では咳があまり出ず、無呼吸や痙攣を引き起こし、ひどい場合には肺炎や脳症などの合併症を起こすこともあります。
近年、大人の発症も増えているため、乳幼児が近くにいる場合は特にマスクなどの感染予防が重要です。
風邪と似ている結核や肺がんにも注意!
結核菌に感染した場合、15%ほどの確率で発症します。結核は風邪の症状とよく似ているため長く続く咳の場合は注意が必要です。
また肺がんの場合も初期症状は風邪と似ているため注意しましょう。ともに血が混ざった痰が出る場合、症状が進行している可能性があります。風邪だと思って放置されている場合が多いため、長期間、咳が続く場合は放置せずに早めに受診しましょう。
侮るなかれ!早めの受診が大切です
咳や痰が続くと、集中力がなくなる、慢性的な頭痛や腹筋の筋肉痛に悩むなど、日常生活での弊害も出てしまいます。慢性化している場合は本人が無意識でも、咳をしていることで家庭や職場など、身近な人に不快感を与えてしまうこともあるでしょう。
もちろんただの風邪の場合もありますが、3週間以上咳や痰が続く場合は安易に風邪と自己判断せず、なるべく早めに病院で診察を受けるようにしましょう。
まとめ
咳が続く、痰が絡む?こんな病気かも!
たばこ病?慢性閉そく性肺疾患(COPD)
気管支喘息は喘鳴(ぜんめい)や発作に注意!
気管支喘息の手前?咳喘息
鼻水が出るなら副鼻腔気管支症候群かも?
百日咳の場合、子どもの感染に要注意!
風邪と似ている結核や肺がんにも注意!
侮るなかれ!早めの受診が大切です