脂肪肝 の 治療 は、長い時間をかけて壊してきた肝臓を修復しようということなので、いきなり短期間で直してしまおうとか、投薬やら最近流行のサプリメントで一気に…、といった短絡的な療法はまだ見つかっていません。
キーワードは時間をかけて生活習慣を元から変える、ということに尽きます。
脂肪肝の治療は、焦らず生活の根本から変えること
脂肪肝の治療は「逆もまた真なり」
脂肪肝は生活習慣病の代表的な病気です。その原因は多数ありますが治療となると(例外を除いて)その原因の逆を実行するという考えが普通です。
つまり、少々乱暴な言い方をすれば、お酒が原因で脂肪肝になった人はお酒を止めれば回復が望めるということです。
人体が吸収した脂肪は体の各所に蓄積されます。例えば内臓脂肪とか皮下脂肪といわれる類です。肝臓にも溜まります。そして肝臓の脂肪の特徴は脂肪が他の臓器よりくっつきやすいことと、逆に取ってしまおうするなら取りやすい性格も兼ね備えています。
このようなことを踏まえて、脂肪肝の治療法を具体的に解説します。
食事療法
脂肪肝は基本的な考え方に、投薬の必要も効果もない病気のひとつと数えられています。前述のように生活習慣を改めることで徐々に改善することができます。
まず食事療法があります。今までの研究で一日のカロリーは1,600カロリー程度が良いとされる目安がすでにあり、その数字に沿った食事をすれば状態は良くなることが証明されています。
そしてアルコールの問題もありますが、この回は「食事療法」を別項に譲るとして、他の治療法を細かく見ていきたいと思います。
運動療法
運動療法は脂肪肝の患者にとってとても大きな成果が期待できます。肝臓内に溜まった脂肪や周囲に張り付いている脂肪などは、運動によって減少するという研究が以前からあります。
ポイントは筋肉の鍛錬で、筋肉は肝臓がやや弱ってしまったときなどアミノ酸、糖などの代謝の助けになります。そしてさらに有害物質も分解してしまうといった活躍も見せます。
ではどんな種類の運動が効果的なのでしょう。実は種類についてはあまり問われることがありません。カロリーの消費が活発で長続きする運動ならすべて歓迎されているのです。
運動療法の具体的な注意点
加齢によってあまり激しい運動ができない脂肪肝の患者は、自分の体力や体調に合った運動を選択することが大事で、無理をすると逆効果になります。
通常の成人に対しては水泳、ウオーキングなどの有酸素運動が薦められています。
その具体的な内容については一日1万歩が良いとされますが、これは歩数の面から見た理想的な運動量です。
一方脈拍数の側面から見る数字もあります。こちらは1分間に120拍から130拍のペースが最善だとされています。
ウオーキングに例をとれば、一日30分から1時間、週にして3時間から4時間が理想的です。頑張りすぎると失敗するので、自分の体力を越えた運動をするよりはできるだけ長続きするほうがベターです。
短時間で汗をかいて急激にカロリーを消費するという運動は、脂肪肝の治療には感心できません。短時間では体内脂肪の消費があまり期待できないからです。
通常週3時間以上歩くこととありましたが、肥満体の人はできるだけ速足(無理のない範囲)で歩くとより多くの効果が出るという研究結果もあります。体重の減少はすこし運動したからといってすぐにあらわれません。しかし、体重が減らなくても肝臓に蓄積された脂肪の減少に効果があります。
さらに良いことは、肝臓の炎症などを防ぐ、例えば善玉コレステロールなどの物質が増えることがすでに研究成果として発表されています。
運動する場合は食後すぐに始めるのではなく、2~3時間おいてからスタートさせることが大切です。
サプリに過度の期待はできない
近年、サプリメントというアメリカ発の食品が多種多様に市販されています。日本語では栄養補助食品とか健康補助食品などとも呼ばれます。
この中にはビタミン、ミネラル、アミノ酸などの栄養を補うことを目的としたものやら生薬であったりダイエットであったりイロイロです。
しかし脂肪肝は最初から投薬の効果をあまり期待しない病気のひとつです。
これらの俗にいうサプリの効果もまだ証明されていません。それどころかテレビで大々的にPRしている一部のお酒のみのためのサプリなどは、摂りすぎてめまいや頭痛になるケースもあって、これらの食品に過度な期待を持つことは避けるべきでしょう。
まとめ
脂肪肝の治療は、焦らず生活の根本から変えること
脂肪肝の治療は「逆もまた真なり」
食事療法
運動療法
運動療法の具体的な注意点
サプリに過度の期待はできない