脂漏性角化症 は老人性疣贅とも呼ばれており、老化現象によるイボのようなものと考えられています。皮膚癌になるんじゃないかと少し心配になる方もいるようですが、そのまま放置して大丈夫なのでしょうか?こういった疑問も含めて詳しくご紹介します。
脂漏性角化症は放置して大丈夫なのでしょうか?
脂漏性角化症って何?
脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)とは、老人性疣贅(ろうじんせいゆうぜい)とも呼ばれる皮膚の良性腫瘍であり、皮膚の老化現象によって起こると言われています。老人にだけできるわけではなく、日光に当たることの多い顔面など若い人にできることも多くあります。
また、脂漏性角化症は放っておくと次第に大きくなることが多く、平らなものもあればイボのように隆起してくるものなど多くのタイプがあります。シミなども一緒にできることが多く、大きさや色もさまざまで、数も増えてくることがあります。
良性の腫瘍であるため、脂漏性角化症そのものは放置しても心配ありません。近年は、高齢者であっても見た目を気にする人が増えてきており、治療を希望するケースが増加しています。
脂漏性角化症を治療するには?
脂漏性角化症の治療は形成外科か皮膚科で行いますが、状態によっては医療保険を使用して治療することも可能です。治療方法にはいくつか方法があり、ほとんどの場合には大きさによって選択することになります。
数ミリを超える大きさになってしまうと手術による切除が唯一の方法になり、場合によっては皮膚移植も必要になります。数ミリまでのものであれば冷凍凝固や電気焼灼、レーザー治療という選択をすることも可能です。
脂漏性角化症はさまざまなタイプがありますので、状態を見ながら最もよい結果を得られそうな方法を選択することになります。
冷凍凝固は液体窒素をあてて凝固させる方法であり、かさぶたになった後、1~2週間程度ではがれます。この方法は麻酔が不要であるなど手軽にできるという利点がありますが、一度では取りきれずに数回行うことが必要な場合もあります。また、治療後に瘢痕が残ってしまう場合もあります。
顔面の脂漏性角化症をきれいに治療するのであれば、電気メスを使用した電気焼灼を選択することをおすすめします。
電気焼灼の場合は医師の技術によって削る深さを調節することになりますので、施術する医師の技量によって結果が変わってくる恐れがあります。顔面という目立つ場所なので、信頼できる医師に相談することが大切です。
炭酸ガスレーザーを使用したレーザー治療という方法もあり、これはイボやホクロの治療によく用いられる治療法です。レーザー治療の場合には、機器の出力を調整することによって、削る深さを調節することが可能であるため、繊細な治療を行うことができますので顔面の治療には向いています。
ただし、美容目的に使用することが多く、保険適応とならない可能性があります。
脂漏性角化症の治療が健康保険の適用になるかどうかは、治療目的なのか美容目的なのかによって判断されますが、この線引きは医師の判断によるところが大きいため、まずは受診して医師に相談することをおすすめします。
皮膚癌になることはないの?
脂漏性角化症は良性腫瘍であるため、それ自体が皮膚癌になることはありません。ただし、気をつけないといけないのは、皮膚癌の一歩手前の状態と言われる日光角化症などの場合です。
脂漏性角化症であれば大丈夫ですが、日光角化症とは見た目がとても似かよっており、素人にはなかなか判別が難しいので注意が必要です。
なかには脂漏性角化症と思って安心していたら、様子がおかしいので医師に相談した結果、実は日光角化症から皮膚癌に移行していたというケースも存在します。
また、高齢者になると脂漏性角化症や老人性色素班、老人性角化症が混在していることも多く、さらに判別が難しくなります。素人判断によって治療開始が遅れ、命を危険にさらしてしまうという可能性もありますので、まずは専門医に相談して診断してもらうことが大切です。
まとめ
脂漏性角化症は放置して大丈夫なのでしょうか?
脂漏性角化症って何?
脂漏性角化症を治療するには?
皮膚癌になることはないの?