膵炎は、膵臓から出された酵素によって膵臓自体が消化されることが原因で発症します。なぜ膵臓自体を消化してしまうのかについては解明されていませんが、消化する現象を引き起こしやすい原因はいくつか考えられます。
膵炎 を引き起こしやすい 原因 を3つにわけて解説します。
膵炎を引き起こす3つの原因
胆石症もしくは胆道に病気がある
健康な膵臓であれば、膵臓で作られた酵素は膵管にながれるため膵臓自体が消化されることはありません。しかし、なんらかの異常が発生し酵素が流れなくなると膵臓のタンパク質などの細胞を分解し始めるのです。膵臓の細胞が分解されることによって膵炎は始まります。
つまり、膵炎の原因は「酵素の流れが悪くなること」なのです。酵素の流れを妨げる原因として考えられる臓器が膵臓と隣接した胆道系の臓器です。酵素がたくさん入った膵液は、膵管を通り胆管で胆汁と合わさって十二指腸に流れます。
ただ胆石症であったり、胆道に炎症があったりすると、胆汁が逆流して膵管に入ってくることがあります。胆汁は胆のうで濃縮されているため、酵素の消化力も大変強く膵臓に炎症を引き起こします。
膵炎は一度治癒しても原因となる胆石症を完治させない限り再発の恐れがあります。膵炎の再発を防ぐためには、胆石症や胆道の疾患も一緒に治療することが大切です。
暴飲暴食と脂肪分の過剰摂取
人間は食べ物が胃に入ると、膵臓でつくられた膵液と胆汁が合わさって消化を始めます。作られる膵液の量や分泌は、食べ物が胃に入ったことを刺激としてホルモンや自律神経が調整します。
しかし、暴飲暴食を繰り返していると過剰に膵液や消化酵素が作られるようになり、膵液をはじめ胆汁などの消化酵素の流れが滞り始めるのです。膵炎になると膵臓の機能も衰えるため、インスリンの分泌がうまくいかなくなります。インスリンは糖尿病との関連が深いホルモンです。
暴飲暴食は膵炎の原因となり、合併症として膵性糖尿病を引き起こすこともあります。脂肪分の過剰摂取は、コレステロール結石を作ります。コレステロール結石の多くは胆石として胆のう内にできますが、膵石として膵臓に結石を作ることもあるのです。
膵石は膵炎にかかってから発生することが多いですが、膵液の流れを妨げる原因となり膵炎を悪化させる原因になります。膵炎による痛みがある場合は、絶食し膵液と胆汁の分泌を緩やかにさせます。膵炎は一度治っても再発します。
暴飲暴食と脂肪分の過剰摂取は胆石症の原因ともなるため、膵炎の再発と胆石症の予防のためにも暴飲暴食はやめたほうがいいでしょう。
アルコールの飲み過ぎ
慢性膵炎は、アルコール性慢性膵炎と特発性慢性膵炎にわけられます。
アルコール性慢性膵炎の原因はアルコールの飲み過ぎです。特発性慢性膵炎は慢性膵炎の三分の一を占め、原因は不明です。アルコール性慢性膵炎は慢性膵炎の過半数を占めます。アルコールが原因の膵炎は急性の膵炎を繰り返しており長期化していることがあります。
慢性膵炎は、初めは痛みを感じない人もいるため気がつかないうちに悪化していることがあります。膵炎が長期化すると、酵素を作る細胞がだんだんと壊され消滅または壊死します。細胞が壊死すると膵臓自体が固くなりお腹を触ると外からでも固くなった膵臓に触れることができます。
固くなった膵臓は機能も低下し元の膵臓に戻ることはありません。アルコールが膵炎の原因になる理由は医学的に解明されていませんが、アルコールを飲むことにより膵液の分泌が盛んになりすぎて流れが悪くなるためと考えられます。
アルコールが原因による慢性膵炎は、再発の可能性が高い傾向があります。膵炎の再発防止や発症を防ぐためには禁酒は絶対条件となります。
まとめ
膵炎を引き起こす3つの原因
胆石症もしくは胆道に病気がある
暴飲暴食と脂肪分の過剰摂取
アルコールの飲み過ぎ