膵炎 にかかると激しい腹痛に襲われます。絶飲食と点滴による治療のあとに、必ず必要となるのが食事治療です。再発や悪化を防ぐためにも長い期間にわたり 食事 に注意する必要があります。
食べていいもの・ダメなものをわかりやすくまとめました。
膵炎は食事治療が肝心!食べていいもの、ダメなものは?
膵炎とはどんな病気でしょう?
膵炎とは、膵臓が作る膵液という消化酵素をたくさん含んだ分泌液が自分自身を消化してしまうことにより、膵臓に炎症が起こる病気です。突然、激しい腹痛に襲われる急性膵炎と、繰り返し炎症を起こすことで徐々に膵臓にダメージを受ける慢性膵炎に大別されます。
急性の場合は、まず、絶飲食治療で原因となっている膵液の分泌を止めて、膵臓を安静にする必要があります。それと同時に点滴で体に必要な水分と栄養分を補います。
回復してきたら徐々に食事治療に移行しますが、そこからは長い食事療法が始まります。慢性膵炎への移行を防ぐためにも、食事療法は基本となっていきます。
膵炎に食事療法が必要な理由
膵液とは、炭水化物・脂質・タンパク質の三大栄養素を消化するための消化酵素が多量に含まれた分泌液です。
膵炎は、この膵液が自分自身を消化する病気ですから、病状を悪化させないためにも、膵液が大量に必要となるような食事は控えなければいけません。消化吸収のよい食事で、膵液の分泌をおさえ、膵臓を刺激しないこと。これが、膵炎の治療には必要不可欠なのです。
急性膵炎が治っても、同じような食事を続けていれば、また再発することが考えられますし、繰り返すことにより、慢性膵炎になってしまうリスクも非常に高いのです。これが膵炎には食事療法が肝心な理由です。
何に気をつける?膵炎の人の食事
長時間胃にとどまる食事は基本NGとなります。つまり、『消化吸収のよいもの』を食べる、この一択となります。
また、1回の食事量を減らし、その分食事回数を増やすといった分食も効果的です。「おなかいっぱい」にせず、少しづつをちょこちょこ食べるスタイルで、膵臓の負担を軽くできます。いずれにしても食べすぎは禁物です。
脂肪分の多い食事を避け、食べすぎに注意する、良質のたんぱく質をしっかりとる、刺激物を控えるなどが重要なポイントです。一番大切なことは、禁酒です。アルコールがやめられない方は慢性膵炎になり、悪化を繰り返す割合が高いことがわかっています。
予後は食事療法をきっちり行わなければ、慢性膵炎、糖尿病の併発など重篤になるケースがあるため、長いスパンで食事療法を実践していくことが必要です。
膵炎にいい食べ物とは
糖質中心のメニューにしましょう
糖質は胃の中にとどまる時間が短く、膵液の分泌をおさえられるのでオススメです。
食パン、白米、うどん、そうめんなどの炭水化物は少量でもゆっくり食べることで、満腹感・満足感が得られやすい食品です。かぼちゃ、さといも、じゃがいもなどの根菜はビタミンやミネラルといった栄養素も含むため、しっかり取りたい食品です。
トーストはOKですが、バター、マーガリンは塗らない、うどんはOKですが、てんぷらうどんは避けるといった配慮をしましょう。
良質のたんぱく質をとりましょう
いたんだ膵臓を修復するために良質なたんぱく質をとる必要があります。
豆腐などの植物性たんぱく質や鶏のささ身、胸肉(脂身なし)、豚のヒレ肉、白身魚、かまぼこ、たまごなどは積極的に取り入れましょう。湯豆腐や茶碗蒸し、煮魚、刺身、炊き合わせ、ちり鍋などはオススメです。
緑黄色野菜、果物をしっかり食べましょう
膵炎になると脂質制限がかかります。そのため脂溶性ビタミン(ビタミンA・D・E・K)の不足が起こりがちです。予防するために緑黄色野菜や果物をたっぷりとりましょう。
根菜のグリルや野菜スープ、温野菜サラダ、含め煮、おひたしなど野菜料理を多用しましょう。ただし、ドレッシングやマヨネーズは控えましょう。
膵炎になると控える食べ物とは
消化に時間のかかる脂質は制限がかかります。
1日に30g~40gなど、摂取量に指示が出ます。豆腐はオススメ食品に入っていますが、絹ごし豆腐で100gあたり3gと、実はけっこうな脂質があります。
そこで、油ものは積極的に控えていかないと食品に含まれている気づかない脂質で、結局とりすぎになってしまうのです。
てんぷら・フライなどの揚げ物はもちろん、スナック菓子、インスタントラーメンなどは控えましょう。牛ロース、豚ロース、鶏皮、トロ(魚)、チーズなどもNGです。
調味料もマヨネーズ、バター、ドレッシングにも注意が必要です。糖質中心の食事となるため糖尿病の併発を促進しやすくなるので糖分も控えめを心がけます。ケーキ、アイスクリームは避けたほうが良いでしょう。
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食物繊維の多いものもNGです。たけのこ、ごぼう、れんこん、玄米、きのこ、海草などは消化に時間がかかるので避けましょう。
食事に気をつけ膵臓と仲良くしていきましょう
膵炎になると、食事療法で食べられないものが増えてきます。一方でストレスも膵炎を悪化させる大きな要因です。食事療法がストレスにならないように、メニューなどを工夫して膵臓と上手に付き合っていきましょう。
まとめ
膵炎は食事治療が肝心!食べていいもの、ダメなものは?
膵炎とはどんな病気でしょう?
膵炎に食事療法が必要な理由
何に気をつける?膵炎の人の食事
膵炎にいい食べ物とは
膵炎になると控える食べ物とは
食事に気をつけ膵臓と仲良くしていきましょう