膵炎の症状は、激しい痛みが特徴です。胆石の痛みの発作とも似ていますが、胆石の痛みは鎮痛剤を用いると痛みが止まるけれど、膵炎の痛みは炎症が治らない限り継続的に痛むことが特徴です。
膵炎 によって起こる激しい 症状 を取りあげて解説します。
膵炎によって起こる激しい3つの症状
上腹部と背中の痛み
膵臓は、胃の後ろに隠れるような位置にあるため炎症が起きると上腹部に痛みを感じる人と背中に痛みを感じる人にわかれます。慢性膵炎では8割の人が上腹部に痛みを感じますが、その後は急な痛みを繰り返す人もいれば、かなり悪化するまで痛みの症状があまり出ない人もいます。
また慢性膵炎では、初期は痛みを定期的に感じていても時間が経過して膵臓の細胞が壊死すると痛みすら感じなくなります。痛みを感じなくなるまで悪化するには8年程度かかるといわれています。
急性膵炎は、上腹部や背中の痛み方が強烈なため病気に気がつきやすいですが、慢性膵炎はゆっくりと確実に病気は進んでいくため気がついたときにはかなり病状が悪くなっていることが多いのです。
上腹部の痛みだけを感じている場合は、胃潰瘍や胆石症、胆のう炎の可能性もあり、超音波検査かCT検査によって診断の確定が必要です。膵炎であれば、膵臓が大きく形もゆがんでいるはずです。膵臓は、腹部の奥の方に位置するため内視鏡や腹腔鏡での診断は難しいでしょう。
膵炎の痛みは、薬を投与しても治らずにいつまでも続きます。膵炎の痛みの症状は強烈で体を前にかがめると楽に感じることが特徴です。お酒を多く飲んだ日は炎症を悪化させるため、激しい痛みにおそわれることが多いでしょう。
お酒を飲んだ後に背中が痛くなったり上腹部が痛んだりするときは、膵炎を疑いすぐに医療機関を受診することをおすすめします。膵炎は放っておくと膵臓の機能が低下し、血糖値の調整がうまくいかなくなり糖尿病を併発することもある恐ろしい病気です。
吐き気と下痢
膵炎が進行してくると膵臓の機能が低下し消化と吸収能力が悪くなります。膵炎になると膵液の分泌と流れが悪くなるため、脂肪を分解することが難しくなるのです。脂肪分の摂取が多いときは消化がおいつかず下痢を起こし、便の中に脂肪分が混ざります。
便の中に脂肪分が多く含まれると便の色はクリーム色になります。便の色の異常に気がつき驚いて受診する人も多いのです。激しい痛みのときは同時に吐き気が起こる傾向があります。慢性膵炎になると軽い吐き気が続くようになり全身がけだるく感じます。
吐き気と下痢の次にあらわれる症状が体重の減少です。常に悪心があり、腹部が張っているように感じるため食欲がなくなり体重が減り始めます。膵炎の症状は、飲食物が胃に入ることを引き金にして起こるため、症状が強い時は絶食をして受診するようにしましょう。
吐き気や腹痛は、食後すぐに始まることもあれば数時間から24時間以上経過してから始まることもあります。吐き気とともに黄疸が出ている場合は、膵炎によって膵臓の上部にある胆管が圧迫され、胆汁の流れが悪くなっている可能性が考えられます。
ショック症状
膵炎でもっとも恐ろしい症状がショック症状です。慢性膵炎でも急性膵炎でもショック症状が起こす可能性はあります。
慢性膵炎の場合は、固くなって壊死した膵臓が機能しなくなり、膵臓に送られるはずだった血液がおなかの中にたまり始めます。すると血圧は急激に低くなり意識を失うのです。
急性膵炎の場合は、急激に症状が悪化しショック症状に陥ることがあるので特に注意が必要です。
いずれにしてもショック症状が起きたときは、早急な処置をしないと多臓器不全になり命が危険になる可能性があります。血圧低下、顔面蒼白、冷や汗、呼吸異常の症状がみられたときはショック状態を疑い、救急車を要請するようにしましょう。
まとめ
膵炎によって起こる激しい3つの症状
上腹部と背中の痛み
吐き気と下痢
ショック症状