「膵臓癌の末期の症状とステージごとの生存率、治療方針の選択(前編)」では、膵臓癌の原因や進行度、末期症状についてご説明いたしました。後編では、膵臓癌末期の生存率や治療法の選択肢をご説明いたします。
膵臓癌 の 末期 症状 に対しては、手術のほかには、化学療法、放射線療法、免疫療法、支持療法などの選択があります。
膵臓癌の末期の症状とステージごとの生存率、治療方針の選択(後編)
膵臓癌の末期・ステージごとの生存率について
膵臓癌は罹患数おおよそ死亡者数といわれるほど死亡率の高い病気です。男女ともに治療が最も難しい病気とされている恐ろしい癌です。
5年生存率でみてみるとステージⅠは57%、ステージⅡは44%、ステージⅢは24%、ステージⅣは3~11%です。
膵臓癌は病院で発見されたときには8割の方がステージⅣと診断されるのが現状です。ステージⅣとは、リンパ節転移、周期臓器、血管への浸潤が認められ、遠隔転移がみられたり、その可能性が極めて高い状態になります。
手術で摘出することは非常に難しく、抗がん剤治療や放射線治療により腫瘍を小さくして延命や緩和ケアをおこないます。
高齢者の膵臓癌の末期治療方針の選択について
高齢者の膵臓癌に対する末期治療方針の選択としては、若い人とは多少違いがあります。例えば、膵臓癌は発見しずらく、手術をしても完治する確率の低い癌になります。高齢なために、手術部分の治りが悪く、縫合不全により合併症を引き起こす危険さえあります。
胃や十二指腸などに囲まれており、大がかりな手術のため出血も多く、血圧が変動し、術後の回復が遅れて死亡してしまうケースも少なくありません。
ですから、70歳以上で膵臓癌が見つかった場合には、無理をして手術をせず、放射線や免疫療法により、生活の質を保ったまま、人間らしい生活をして生涯を終えるという選択肢もあります。
80歳を超えている場合はなおさらの事、体力が落ちないように手術をひかえるというケースが選択されています。
手術のほかには、化学療法、放射線療法、免疫療法、支持療法などがあります。
簡単に説明いたしますと、化学療法は薬による治療です。主に使われるであろう3種類の抗がん剤がありますが、内服のものと、点滴によるものがあります。入院を必要としない治療で、外来の治療でできるのは、この科学治療のメリットといえるでしょう。
放射線治療法とは、局所進行型の膵臓癌の場合に行われます。身体の外から放射線をあてて、癌細胞を死滅させることが狙いです。
免疫療法は、将来的には癌治療の新しい方法として取り入れられることが期待されています。薬により人間が本来持っている免疫機能を活用化することから始まります。
活性化した免疫細胞に癌を攻撃してもらい、癌細胞を死滅させます。本来の人間の自然治癒力をフル活用し細胞を治癒することを目的としています。この治療は大変画期的なものであると注目されている治療法です。
抗がん剤と違い、副作用がほとんどないのが、この治療の最大のメリットです。ただ、料金が高額であるという問題はあります。
支持療法とは、この治療は癌そのものを治すためのものではありません。癌患者の癌による痛みや苦しみ、不安や恐怖というものを取り除くということを目的にしている治療です。
時には、非常に痛がっている患者さんにモルヒネ打つこともあります。
このように、痛み止めといった薬を用いて、痛みや辛さを極力おさえ、少しでも長く楽しい毎日を過ごしてもらうというケアなのです。
今回は、膵臓癌についてご説明しましたが、癌にも進行性の癌であったり、20代~50代の若い世代の癌であったり、進行の比較的遅い癌であったり、癌のできる場所など、その病にかかったときの状態は千差万別です。
ご本人も、ご家族も大変な衝撃を受けられることは間違いありません。癌だからすぐに手術をして取り除けば良くなるのですよねと先生に訴えることも、癌の告知を受けた場合、あると思います。
しかし、今回のように、ご高齢の方の膵臓癌の末期治療方針の選択については、それぞれが賛否両論あると思います。
ただ、ひとついえることは、高齢者の方がご自分で選択をし、どのような治療法を進めることで、日常生活を少しでも楽しみ、人生の最期を充実して日々を過ごすことができるのかという選択にもなります。
病院に縛り付けられているのがたった一つの選択肢ではないといことは、少しおわかりいただけましたでしょうか。
自分の人生、悔いのないものにしないためにも、病気に対する治療法の選択肢はご自分でも選択できます。高齢だからと年齢に甘んずることなく、ぜひ免疫力を高めるように日々の生活を送って病気に負けない身体を作って頂きたいものです。
まとめ
膵臓癌の末期の症状とステージごとの生存率、治療方針の選択(後編)
膵臓癌の末期・ステージごとの生存率について
高齢者の膵臓癌の末期治療方針の選択について