現代医学の進歩はめざましいものがありますが、 膵臓癌 については未だに早期発見につながる 症状 の解明ができておりません。発見された時には既に癌の進行が進んで5年生存率がわずかに5~7%と言われる絶望的なステージに突入しています。
膵臓癌の症状は早期ではほとんどわかりません
膵臓って何をするところ!
膵臓は胃のすぐ後ろ側にあり、長さが20㎝ほどの臓器です。頭の方が少しふくらんでおり、ここを頭部といいます。十二指腸という臓器に囲まれています。そして反対側の幅が少し狭くなった部分を尾部(びぶ)といい脾臓という臓器に接しています。中央部は体部(たいぶ)といいます。
体の中の膵臓の役割は、血糖値を調節するホルモン(インスリン、グルカゴンなど)を分泌することと食べ物の消化を助ける膵液を生産することです。
脾臓とは、前方に胃があり、肋骨の下に隠れていて、体の表面からは触れません。大体7cmくらいで腎臓とよく似たソラマメのような形をしており、赤血球が寿命となった時に分解処理を役目とする臓器です。
また膵液とは、膵臓で分泌される体液(消化液)のことで三大栄養素(炭水化物、タンパク質、脂質)の全てを分解できる性質を持っています。
ちなみに、インスリンとは、膵臓からでる体内ホルモンの1つで血糖値を下げる唯一のホルモンです。グルカゴンとは、血糖値が下がり過ぎると分泌されるホルモンでインスリンと真逆の働きをします。
作られた膵液は膵臓の中を通っている沢山の膵管によって運ばれ、膵臓の真中を通っている主膵管という1本の管に集まって、膵臓の頭部で肝臓からくる総胆管と合流して十二指腸乳頭へ流れていきます。
十二指腸乳頭とは、ファーター乳頭とも呼ばれ、膵臓からの主膵管と胆のうからの総胆管が合流して、共通の管となって十二指腸の下行部に開口している部分のことです。
膵臓癌とは
膵臓癌といいますが、ほとんど膵臓の膵管の細胞に癌ができることから通常は膵管癌とも呼ばれています。前述しましたように、膵臓の中を細かく網の目のように膵管が走っています。
非常に細い管ですが、ここに主に癌ができます。
わかりにくい膵臓癌の症状
早期の膵臓癌は、他の臓器のように特別な症状がありません。ですから非常にわかりにくいわけです。胃のあたりが痛い、背中が重苦しい、おなかの調子が良くない、食欲がない、体重が減る、といった漠然とした症状がでますが、これらの症状で膵臓癌と特定することは非常に難しいことです。
黄疸がでる症状もあります。これは膵臓の膵頭部に癌ができて胆管が詰まりビリルビンという黄色の物質の排せつができなくなって白目や皮膚に沈着して黄色に変色する症状です。
同じ症状に胆石や肝炎でも黄疸がでます。同じ理屈です。他にも糖尿病を発症したり、血糖のコントロールが悪くなったりします。
こうした症状が分かった時点では、癌はかなり進行している場合が多いので難しい病気の1つと言われています。
驚愕の5年生存率 わずか5~7%
膵臓癌は早期発見が極めて困難な病気のため、5年生存率がわずかに5~7%以下と言われています。恐ろしい病気です。悪名高い肝臓癌でさえ約28%ですので、突出した生存率となっています。
医学学会ではこの早期発見の究明に尽力が続けられていますが、その1つとして、膵臓癌の早期症状と思われる血糖値の急上昇という症状に注目が集まっています。
急上昇がポイントで、癌の細胞が大きくなるには大量の酸素が必要となります。すると膵臓内の酸素を一方的に奪うので体内の血糖値を下げるインスリンをだすβ細胞もそのあおりで低酸素状態になってインスリンが作れなくなってしまい、従って血糖値が急上昇するというものです。
暴飲暴食もなく、生活習慣も変化がない、糖尿病の家族歴もない、にもかかわらず血糖値が急上昇したら膵臓癌が疑われます。専門医の診断を仰いでください。
膵臓癌は何故早期発見ができないのか
膵臓癌の早期発見が難しいのは血糖の影響があるようです。つまり高血糖になると糖が痛いと感じる神経の周りにまとわりついて痛みを感じさせないような働きをすることが原因のようです。
神経を麻痺させるような力があるということがわかってきました。結局痛みを感じることができないため手遅れになり、前述の5年生存率が5~7%という絶望的な数値につながっています。
まとめ
膵臓癌の症状は早期ではほとんどわかりません
膵臓って何をするところ!
膵臓癌とは
分かりにくい膵臓癌の症状
驚愕の5年生存率 わずか5~7%
膵臓癌は何故早期発見ができないのか