日本では膵臓癌による死亡者は年間22,000人くらいと言われています。臓器別死亡順位では 膵臓癌 は男性で5位、女性で6位となっており、年々増加の傾向にあります。また 余命 に関しては他の癌と比べて極めて厳しいのが特徴です。5年生存率は初期でも57%です。
膵臓癌ステージ4bの余命は1年以内が多い
膵臓癌の早期発見は非常に難しい
膵臓癌の特徴として、早期に発見されることがほとんどないことがあげられます。従って、異変に気が付いて精密検査を受けた時には既にかなり進行している場合がほとんどです。
その異変も、胃や背中が重苦しいとか、調子がよくないとか、食欲がなく体重が減少気味というような症状があらわれますが、この症状は他の病気や生活習慣の中でよく起こりうる症状ですので、それが膵臓癌の発見を難しくしています。
膵臓癌のステージ
膵臓癌のステージは体の内部にどのくらい癌が広がっているかを示す目安です。
膵臓癌の5年生存率
- ステージ1・・初期段階で腫瘍が2cm以下。初期にもかかわらず生存率は57%です。他の癌と比べても極めて低い生存率となっています。
- ステージ2・・腫瘍が2cm以上。生存率50%弱です。
- ステージ3・・膵臓周辺の動脈・組織に転移が認められる。生存率は約25%です。
- ステージ4a・・周辺の臓器への転移が認められる。生存率は約10%となります。
- ステージ4b・・下半身の遠隔組織への転移がある。生存率2~3%です。
ステージ3以後は急に生存率が低くなります。この原因は再発の可能性が非常に高いことです。再発率は70~90%にもなり、他の癌と比べても非常に高い数値となっています。
癌が発生した部位や患部の切除、抗がん剤投薬、放射線照射などの治療を受けたとしても再発する可能性が高いわけです。ステージ4になりますと、余命6ヶ月以下と宣告される場合があります。
手術が成功したとしても1年以内に再発し、膵臓組織の切除により血糖値上昇と糖尿病により余命がさらに短くなります。
余命とは何でしょう?
癌になって治療が難しくなる(ステージ4)と、医師から余命を告げられる場合があります。しかしこの余命って正確なものなのでしょうか?
医師からあなたは余命3ヶ月と宣告された時、普通はあと3ヶ月ぐらいしか生きられない、治療しなければ後3ヶ月で死が訪れる。と思うのが普通でしょう。しかしこれは正しくありません。
余命とは文字通りその人が残りどれだけ生きられるか、という意味ですが、余命宣告された通りに死亡するケースはほとんどありません。
余命の幅が非常に広くその下限値を通常医師は告げています。勿論告知の余命より早く亡くなられた人も中にはいますが、ほとんどが半年、1年と告知された期日より大幅に長いのが一般的です。
膵臓癌はほとんど治らない病気です
たとえステージ1で手術ができても、その多くが3年以内に再発すると言われています。膵臓癌は再発率が高いのが特徴ですが、ステージ1での5年生存率は約60%ですから約40%の患者さんはステージ1で治療、手術を受けても5年以内に死亡することになります。
一般的に癌にかかった患者数(罹患患者数)と死亡患者数の割合は約2対1くらいです。しかし膵臓癌だけは癌にかかった患者数と死亡患者数がほぼ同じです。つまり治療しても確実に死亡するという冷酷なデータがあります。
膵臓癌ステージ4b
ステージ4bは遠隔組織への臓器に癌が転移した状態です。5年生存率は1.4%、手術して3.7%くらいです。ステージ4と末期症状とは必ずしも同じ意味ではありませんが概ね重複しています。
ステージ4は例え名医でもできることは限られています。完治や回復は極めて難しい現実があります。ステージ4の膵臓癌の治療は抗がん剤や放射線治療だけでなく、痛み止めもよく使われます。痛みを取ることも重要な治療の1つです。
末期の痛みを軽減させて生活の質を向上させることに繋げるためです。このステージでは根本的に癌を消失させる治療は行いません。ジェムザールという抗がん剤による化学療法の効果が高いですが、ステージ4では、それも効果が認められないようです。
ジェムザール(塩酸ゲムシタビン)とは高い抗ガン作用を持ちながら副作用が軽いと言われている現在注目の抗がん剤です。
まとめ
膵臓癌ステージ4bの余命は1年以内が多い
膵臓癌の早期発見は非常に難しい
膵臓癌のステージ
余命とは何でしょう?
膵臓癌はほとんど治らない病気です
膵臓癌ステージ4b