帯状疱疹は強い痛みを伴う病気です。その苦痛は平均3週間から1か月以上も続きます。
子供の頃に水ぼうそうを経験したことがない人、50歳をすぎて免疫力が低下している人、若い成人層もストレスや過労、睡眠不足が溜まっている人にとって、眠っていた神経節の中のウイルスはいつ目覚めるのか予知できない病気です。
今回は、 帯状疱疹 の 原因 となるウイルスは常に潜伏しているということについてご紹介いたします。
帯状疱疹の原因になるウイルスは常に潜伏している
帯状疱疹の症状
帯状疱疹は読んで字のごとく、体のどこかに帯状で発疹や水疱がでる病気です。体のどこかにとは背中、胸とか腹部に多く、時には顔面や頭部、あるいは太もも(四肢)にあらわれた症例もあります。およその場合、体の右とか左に偏ってあらわれます。
人間の体には神経細胞が集まってできた「神経節」というものがあります。帯状疱疹はこの神経節に隠れていて、なんらかの原因でにわかに復活します。
少し前までは50歳を超えると発症する病気と一般的にいわれていましたが、社会生活の変化も影響し、最近では20~40代の方でも病気になる確率がぐっと上がっています。
活動を再開するウイルス
帯状疱疹の原因は水痘(すいとう)・帯状疱疹ウイルスによって引き起こされます。VZVとも呼ばれています。このウイルスは子供が発症する水ぼうそうを起こす細菌と同じものです。
水ぼうそうは子供のころ経験します。子供の時はほとんど1週間から10日程度で治ってしまいます。子供のころ経験すると2度目はかからないといいます。これは人間の体の中でVZV専用の免疫が作られるからです。
しかし、成人になって発症する時は、その時体内に蓄積したウイルスの一部が遺伝子の形で神経節に潜伏し、数十年を経て活動を再開するのです。成人すると水ぼうそうとはいわず帯状疱疹と名称を変えます。
日本国内の帯状疱疹の罹患率(病気にかかる割合)を調べると、年間0.4から0.5%が発症し、80歳までの3人に1人が感染経験を持つという病気です。
原因はヘルペスウイルス
帯状疱疹の原因はかなり研究され、最近ではその治療法も確立してきました。人間に感染する8種類のヘルペスウイルスがあります。帯状疱疹に関するウイルスもそのひとつとされています。
しかし、ヘルペスとひとくくりにしても個々にウイルスが違うため、その種類によって症状や発症する場所が変わります。
帯状疱疹はそのなかの水ぼうそうウイルスによって発疹が出る病気です。新たにウイルスに感染するのではなく、過去に発症した時の生き残りウイルスが神経に潜んでいて、体の調子が悪くなるなどのタイミングで再発症するのが主たる原因です。
多くの場合、原因はさまざまであれ初期症状はチクチクとした皮膚の痛みから始まります。数日後には帯状の赤い斑点があらわれ水疱に変化していきます。
帯状疱疹を発症するタイミング
帯状疱疹の原因について、体内に残っていたウイルスがにわかに復活するのが原因だと解説しました。ではどのようなタイミングで発症するのでしょうか。
まず、過労や睡眠不足などがあります。激しい疲れに対しては通常以上のストレスが重なります。そして年齢を重ねることなどで抵抗力が弱くなってしまうと、水痘・帯状疱疹ウイルスの活発化を促進することになります。
また、他の病気が引き金になることもあります。病気が体力の低下をさせているせいです。交通事故など大きなけがや手術をしたことが引き金になることもあり、医師から処方された免疫抑制剤が原因だったという症例もありました。
帯状疱疹の原因と対策
帯状疱疹の研究は進んでいても、その原因を完全に特定する状況には至っていません。たしかに統計的には50歳を過ぎるとにわかに増加していることがわかります。
しかし近年は若い成人層にも広がりを見せている要因は複雑です。そして体調が良く全く病気の心配をしていない人の発症もあるのです。
水ぼうそうワクチンはありますが、1回で1万円を必要とし、健康保険の適用外ということもあって国内の普及はまだ進んでいません。他人に移されたということは少ないのですが、水ぼうそうの経験を持っていない方にはうつる可能性があります。
帯状疱疹になった場合、水疱の液体を掻きだして目や耳に近づけることは大変危険です。二次的な転移を招く可能性があり、目や耳の重大な障害が考えられるため止めるべきです。治療の決め手は一時も早く病院に行くことで、そのスピードはもっとも重要なことです。
まとめ
帯状疱疹の原因になるウイルスは常に潜伏している
帯状疱疹の症状
活動を再開するウイルス
原因はヘルペスウイルス
帯状疱疹を発症するタイミング
帯状疱疹の原因と対策