帯状疱疹とは、水ぼうそうにかかった後に、そのウィルスが死滅せずに体の末梢神経が束になっている神経節に何十年も潜み、加齢や体調不良などで免疫の監視が緩んだ際にウィルスが増殖し、皮膚や神経を攻撃するなどの悪さをする病気です。
帯状疱疹 の 症状 のあらわれ方と治り方について詳しく解説します。
高齢者がかかりやすい帯状疱疹の症状のあらわれ方と治り方
症状のあらわれやすい部分
帯状疱疹は通常、体の片側だけに帯状に症状がみられます。胸や背中などの部分に多く、顔にも発症ことがあります。
人によって症状のあらわれ方は異なりますが、約8割は上半身に発症し、その他ひたいや手・足に症状があらわれる人もいます。一度に2箇所以上発症することはほとんどありません。
気をつけるべき初期症状
最初は皮膚にチクチクとした痛みが出ることが多く、次第に痛みを感じた部分に赤い発疹ができ始めます。これは免疫の監視から漏れた水ぼうそうウィイルスが、皮膚や神経の細胞を攻撃しながら増えている時の症状です。
次第にその赤い発疹が水ぶくれとなって、神経に沿って帯状に広がっていきます。水ぶくれの内部は、初期には透明ですが、次第に黄色味を帯びた色になってきます。
症状の進行による痛みの変化
最初は皮膚の少しのチクチクとした痛みから始まることの多い帯状疱疹の症状ですが、次第にピリピリとした神経に直接触っているような痛みに変わってきます。
さらに症状が進むと、刃物など鋭利なもので刺されたような強い痛みが加わり、衣服との接触だけでも強い痛みを感じるようになることがあります。痛みが強くなると、寝返りも打てないなどから不眠に陥ることも少なくありません。
痛みのピークと治り方
帯状疱疹の痛みのピークは、皮膚症状が出現してから10日前後であると言われています。免疫がウィルスの増殖を感知して、水ぼうそうウィルスは次第に抑え込まれていきます。それに従って、皮膚の水ぶくれは次第にかさぶたになって治ってきます。
チクチクとした痛みが始まってから、かさぶたになって完治するまでに、約3週間から1ヶ月ほどかかると言われています。
皮膚症状が治癒していくとともに大部分の痛みは治まりますが、神経の修復が遅い高齢者などでは、皮膚症状が治まった後も長く神経の痛みだけが残ることがあります。これを「帯状疱疹神経痛」と言います。
発生頻度と高齢者
帯状疱疹は子供の頃に罹患し、その後神経節内に監禁されていた水ぼうそうウィルスが暴れ出した病気です。神経節内のウィルスを監視しているのは免疫ですから、免疫の力が弱まった時に監視が緩み、ウィルスが増え始めます。
したがって、免疫力が落ちる50代以降の発症率が急に高くなり、患者全体の約7割を占めています。日本人の約9割が子供の頃に水ぼうそうに罹患しているため、帯状疱疹は誰でもかかりうる病気であり、一生のうちで約15%の人が発症すると言われています。
治療薬と再発
帯状疱疹の治療には抗ウィルス薬が用いられます。薬が効くまでに約2~3日必要ですので、なるべく早く受診するほど症状は軽く抑えられます。発疹が出ていない時には診断が難しい場合がありますが、おかしいと思ったら、すぐに医療機関を受診することが大事です。
ほとんどの人は、一度帯状疱疹を発症するとその後2回以上発症することはないといわれていますが、約1%の人に再発がみられます。複数回再発する人は重症化しやすいと言われており、早急に医師の手当が必要です。
まとめ
高齢者がかかりやすい帯状疱疹の症状のあらわれ方と治り方
症状のあらわれやすい部分
気をつけるべき初期症状
症状の進行による痛みの変化
痛みのピークと治り方
発生頻度と高齢者
治療薬と再発