喉にからんで辛い痰。スッキリと縁が切れればよいのですが、痰とは人体の防衛反応であり、実はさまざまな病気のサインを出しているのです。痰が出たおかげで病気に早くきづくことができたというケースもあります。
今回は 痰が出る 原因 を、特に特徴的な「色」でわけて解説します。
痰が出る原因はこんなに!まずは色をみわけよう
そもそもの原因!痰が出るということは?
上記のとおり、痰とは人体にもともと備わっている大事な防衛反応です。実は、健康な時にも痰の元になる分泌物は肺や気管・気管支から作られています。普段はごく少量の分泌なので、きづかない内に胃の方に流れて行っているだけなのです。
この分泌物が本領を発揮するのは何らかの異物の侵入を検知した時です。異物にはウィルスや病原菌などがあります。これらの異物を分泌物が包み込み、口から身体の外へ排出しようとする現象が、痰が出るということなのです。痰は私達の身体を守ってくれているのです。
まずは観察してみよう・痰の色さまざま
痰が出る原因となる異物や病気にはさまざまなものがあります。ここで注目したいのが痰の「色」です。色をみれば大体の原因が想像できます。原因は軽いものから重いものまで多岐に渡っています。よく観察して当てはまるものをみつけましょう。
痰の色ごとの原因・軽症編
まず透明に近い痰の色では、ウィルス性の急性気管支炎や肺炎、アレルギー性の気管支炎や喘息が考えられます。
次に緑色の痰が出るもので、喫煙によることが多い慢性気管支炎や緑膿菌感染があります。緑色の痰をみると大抵の方は驚かれると思いますが、緑膿菌はどこにでもあるありふれた細菌のひとつです。
普段は人体の持つ免疫力により感染しませんが、体調不良などで免疫力が落ちた隙を狙って感染してくることが多いです。
これらの病気も十分苦しいものですが、生命に直結するものではありません。あまりに辛い場合や進行した場合のみ病院へ行く程度でかまわないでしょう。
必ず病院へ!痰の色ごとの原因・重症編
急性気管支炎や肺炎で、黄色い痰が出た場合。これはウィルス性を通り越して細菌による二次感染を引き起こしているので、病院での治療が必須です。
緑色の痰もCOPDという慢性閉塞性肺疾患になってしまった場合は病院に行った方がよいでしょう。こちらもほぼ喫煙が原因となっています。
そしてピンクや赤・茶・黒色の痰が出た場合は一刻を争う病気である可能性が高いです。肺がんは透明な痰に血が混じってピンク色にみえる痰を出します。肺水腫もピンク色の痰が出ます。
気管支拡張症という病気では黄色や緑色の痰に血が混じり、茶色っぽくみえます。肺結核にかかると真っ赤な痰だけではなく実際に血を吐くこともありえます。非結核性抗酸菌症という、結核菌以外の抗酸菌によって引き起こされる結核に似た病気もあります。
肺梗塞症は心筋梗塞などと同じように肺の一部が詰まってしまう病気で、壊死した肺の組織を吐き出すこともあるとても恐ろしい病気です。この組織は黒っぽい色をしています。
基本的に血の色は時間がたつほど黒ずんでいくため、ピンクや赤の痰は口に近いところからの出血、茶や黒色は遠いところからの出血と位置づけることができます。
他にも痰が出る病気は多くありますが、代表的なものをあげました。基本的に透明なものはさほど心配がありませんが、色が濃くなったり赤系の色になってくると危険度が増すことになっています。
いずれにせよ苦しい場合や、自分では判断がつかなくなってしまった場合には病院へ行った方がよいでしょう。
痰の出ない生活を送りたい方へ
まず、喫煙はやめましょう。喉や肺、さらには全身にとって喫煙は百害あって一利なしです。また空気の悪い環境はなるべく避けるかマスクなどで防御するべきですし、喉の乾燥を防ぐのはしつこい痰にも有効な方法です。
水分補給をまめに行ったり加湿器を使うようにするとよいです。加湿器がなければ、濡らしたタオルを部屋に干すという方法もあります。それから意外かも知れませんが、ストレスも痰の原因になるそうです。
自分なりの解消法を見つけ、あまりためこまない方がよいでしょう。
痰が防衛反応である以上、まったく痰を出さないということは無理ですが、少しの工夫で辛さがやわらぐものなのです。実践してみましょう。
まとめ
痰が出る原因はこんなに!まずは色をみわけよう
そもそもの原因!痰が出るということは?
まずは観察してみよう・痰の色さまざま
痰の色ごとの原因・軽症編
必ず病院へ!痰の色ごとの原因・重症編
痰の出ない生活を送りたい方へ